究極変態スナイパーブリーフ13
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5部分:第五章
第五章
「美味いか?」
「あぐぐぐぐ・・・・・・」
このままでは息ができず喉の奥に入ってしまっているので吐き出すこともできなかった。しかも両手は口の中を覆う異臭のせいで麻痺してしまっていた。恐るべき異臭であった。
仕方なく飲み込んだ。飲み込むと血の涙が出る。ブリーフ13はそれを見て表情を変えずに言うのだった。
「美味いか」
「あごあげあむあざぎ・・・・・・」
返答はできなくなっていた。最早呻き声であった。
「安心しろ。衛生的には問題ない」
「嘘だな、それは」
メッサリコはその言葉を信じていなかった。異臭で充分だった。
「何だこのチーズが腐ったような異臭は・・・・・・」
「衛生的には問題ない」
しかしブリーフ13はまたこの言葉を出した。
「俺は何年も風呂に入っていないだけだ」
「あぐうっ!?」
メッサリコはそれを聞いてまず驚きの声をあげた。
「言っておくがブリーフも替えてはいない」
「んなぬういっ!?」
「五年ものだ」
「あきぐがねざぐむっ!?」
やはりもう声にはなっていなかった。
「洗濯もしていない」
「ざうぬどうが・・・・・・」
「しかもインキンだ」
ただ風呂に入らず洗濯をしていないだけではなかったのだ。
「他には淋病とカンジタも患っている。過去には梅毒にもかかったことがある」
「こぐがもくなおえなおあづいあっ!!!!」
「だが衛生的には問題ない。仮性包○で当然全く洗っていないが気にするな」
しかしメッサリコはその仮性○茎を聞いたところでショックのあまり悶死してしまった。口から泡を吹き白目を剥いて倒れ伏していた。最早心臓が完全に止まっていた。
「死んだか」
ブリーフ13はその彼を冷静に見つつ見下ろしていた。
「これで仕事は一つ終わった」
それを見届けてから部屋を後にした。後には苦悶の表情で息絶えているメッサリコがいるだけであった。
ある高級クラブ。暗くそれでいて赤い光が鈍く輝いているその中にいる客は一人だけだった。彼は豪奢な席に座りそのうえで周りにバニーガール達をはべらせていた。不敵な顔をした若い顔の男であり顔は少し浅黒い。そうしてスーツは黄色い派手なものであった。
「ねえおじ様ってお仕事何なの?」
「このお店借り切るなんて凄いじゃない」
「俺の仕事か」
たどたどしい日本語で周りにはべらせているバニーガール達の言葉に応える。バニーの衣装の色は黒もあれば赤も青もピンクもある。様々な色の美しい兎達が彼を囲み舞台で扇情的なダンスを踊っている。男はそれを見ながら美酒を味わっていた。
店の中にはそれなりに多くの席がある。どの席も赤いふわふわとした綿のものである。仕立てはかなりいい。しかしその全てが開いていた。そうして中央に男がでんと座っているのだった。見るからにこの世に意のままにならぬものはないといったような態度であった。
「しかもドンペリも飲んで」
「凄いお金持ち?」
「金なんて幾らでもあるからな」
男は声も不敵なものだった。
「別に惜しくはない」
「そうなの」
「そうさ。それでだ」
男はまた言ってきたのだった。
「この店一番はいるかい?」
「一番って?」
「そうだ。一番は今日いるかい?」
こうバニーガール達に対して問うのだった。
「一番は。どうだい?」
「エミちゃんよね」
「確かお休みだった筈よね」
娘達は男の言葉を聞いてこう言い合うのだった。
「だから残念だけれど」
「あれ、それでも今日物凄く可愛い娘入ったそうよ」
しかしここで一人の娘が言った。
「とびきりの娘がね」
「あっ、そうなの」
「その娘だったらどうかしら」
「そうね。それじゃあ」
「その娘を読んでくれ」
男はそれを聞いて言うのだった。
「一度見てみたい」
「わかりました。それじゃあ」
「その娘を」
こうしてその娘が呼ばれることになった。暫くすると前の舞台に。扇情的かつ淫らな踊りを踊るバニーガール達の間に異形の存在が姿を現わしたのだった。
「きゃーーーーーーーっ!!」
「へ、変態!!」
「何なのよこの人!!」
「観客に用はない」
しかしその異形の存在は言うのだった。見れば白ブリーフ一枚であるが首にはバニーガールの蝶ネクタイをしていて腕にもあの袖を付けている。そうして頭には兎である。しかも脚にはガーターで網タイツをしていてハイヒールまで履いていた。
「寝てもらおう」
彼はいきなり放屁した。するとその匂いで店の中の人間はばたばたと倒れていった。まさに一瞬の出来事であった。
しかしであった。男はかろうじて意識を保っていた。苦しみながらもその悪臭に耐え。そのうえでその異形の存在を見据えていたのだ。
「貴様はあの・・・・・・」
「プランコ=ハルサコだな」
その男は彼に問われる前に逆に問うてきたのだった。
「そうだな」
「ブリーフ13、まさか」
「仕事をしに来た」
ブリーフ13はそのブリーフバニーの姿のまま彼に歩み寄ってきた。店の者は全て倒れ伏し動かなくなっている。店の中は実質二人だけになっていた。
「これだけでわかるな」
「くっ、我が組織の壊滅か」
「既にメッサリコは死んだ」
「そうか、あれはやはり御前が」
「そうだ、俺の手によるものだ」
そしてそれを隠そうともしないブリーフ13だった。
「まずはあの男だ」
「そして次は俺か」
男は歯噛みしながら呻いた。
「だからここに来たというのだな」
「アルンハルブラ=フェデリコ」
これがこの男の名前である。やはりラテン系の名前であった。
「覚悟はいいな」
「ふざけたことを言うな、俺は」
「止めておけ」
この男フェデリコが己の右手を懐に入れたところで言葉で制止してきた。
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