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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第五十一話 佐薙中尉!忍者は手裏剣!!その十一

「あの場所は近鉄バファローズの本拠地でごわしたな」
「かつては」
「その猛牛の心がでごわす」
「あの場所に残っている」
「その通りでごわす」
 これが瞬に言うことだった。
「そして猛牛の心は」
「そのはじまりは」
「一人の方からはじまるでごわす」
「西本幸雄さんですね」
「その通りでごわす」
 この球史に残る名将からだというのだ。
「阪急ブレーブスを鍛え上げ」
「そして近鉄バファローズも鍛え上げられた」
「あの方からはじまるでごわす」
「猛牛の心は」
「それまでもチームはあったでごわす」
 西本さんが監督になられる以前からだ。
「近鉄パールズと言われた頃」
「そして三原脩さんが監督だった頃」
「その頃からあったでごわすが」
「猛牛が猛牛になったのは」
「西本さんからでごわした」
「猛牛の心即ちですね」
「西本幸雄さんの心でごわす」
 こう言っていいものだ、まさに。
「これは阪急もそうでごわした」
「勇者とはですね」
「その心は西本さんの心でごわした」
「西宮にあるものもまた」
「そうでごわす、そして大将にはでごわす」
「その藤井寺において」
「西本さんの心を知って欲しいでごわす」
 是非にというのだった。
「頼んだでごわす」
「わかりました、そしてですね」
「勝って来るでごわす」
 その藤井寺での手裏剣勝負をというのだ。
「頼んだでごわす」
「はい、それでは」
「武運長久を祈るでごわす」
「では大将」
「行って来るのだ」
 源田とハルトマンも瞬に言って来た。
「そして勝ち」
「今度こそ我等の悲願を達成するのだ
「半島再併合」
 瞬は自らその悲願を言った。
「それを」
「今度こそだ」
「頼んだぞ」
「わかりました、それでは」
 瞬も応える、そしてだった。
 瞬はまずは日生球場の跡地に向かった、この場所も近鉄バファローズの本拠地だった。かつて近鉄は本拠地が二つあると言っていい状況だった。
 そこでだ、彼は空軍衆の軍服を着た二メートルはある大男に声をかけた。
「佐薙啓示中尉」
「はい」
 名前は近鉄の三百勝投手の名前である。
「わかっています」
「では」
「これより藤井寺に参りましょう」
「そして、ですね」
「今度こそです」
 瞬は佐薙に強い声で言った。
「勝ちます」
「彼等に」
「そのお力をお貸し下さい」
「喜んで」
 佐薙はその長身で敬礼してだ、小柄な瞬に応えた。
「微力ながらも」
「それでは」
「藤井寺に」
 こうしてだった、二人は藤井寺に向かった。その藤井寺では。 
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