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戦国異伝

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第二百五十三話 最後の合戦その四

「滅ぼす為にはな」
「こうして刀を振るうか」 
 蜂須賀家政もいる。
「そうなるか」
「そうじゃな、ではな」
 それならばとだ、浅野も戦いつつ言うのだった。
「皆倒してやろうぞ」
「そうするか、しかしわし等だけでなく」
 加藤清正は自分達七人と共に戦う藤堂も見て言った。
「御主もこうして戦うとはな」
「おかしいか、それが」
「御主の柄ではないからのう」
 こう思うからというのだ。
「それでな」
「そうか、しかしな」
「今はか」
「わしもじゃ」
 藤堂もとだ、彼は自分で言った。
「こうして前に出てな」
「戦いたいか」
「そして戦う」
 まさにというのだ。
「そしてじゃ」
「魔界衆を滅ぼしてか」
「天下泰平を手に入れようぞ」
「それではな」
 こう話してだ、そしてだった。
 藤堂も自ら戦う、その彼の横では後藤も暴れていた。
 石田もだ、藤堂の様に前に出て戦うと思われていなかったが今はだった。
 刀を手に魔界衆の者達を斬っていた、その剣術は派手ではないが堅実で的確なものだった。その彼と共にだ。
 大谷は戦いつつだ、彼に言った。
「横は任せよ」
「済まぬな」
「よい、わしにしてもな」
 大谷もと言うのだった。
「横を守ってもらっておる」
「だからか」
「気にすることはない」
 彼自身も刀を振るいつつ言うのだった。
「特にな」
「そうか、ではな」
「我等も切ってな」
「そうして戦うか」
「天下泰平の為にな」
 こう話しつつだ、彼等もだった。
 戦い魔界衆の者達を倒していた、それは蒲生も同じでだ。
 彼もまた槍を手に戦っていた、彼の前には前田がいるが彼の戦ぶりは実に見事なものであった。
 慶次の様に槍を使い敵を倒していく、蒲生はその彼に言った。
「いや、その槍捌きは」
「なまっておるかのう」
「いえ、慶次殿と比べても」
「ははは、あ奴程ではなかろう」
 笑って言う前田だった。
「あ奴の武勇は天下無双じゃかなら」
「しかし又左殿もです」
 その彼もというのだ。
「やはり槍の又左と言われただけはあるかと」
「ならばよいがな、しかしな」
「しかしですか」
「そのわしも慶次もな」
 二人共とだ、ここで前田が言うことはというと。
「権六殿には負けるな」
「ですな、あの方には」
「見よ」
 柴田はその剛力で以て巨大な刀を振り回してだった。
 敵兵を竜巻がものを巻き込む様にして倒していた、それはもう慶次や前田をしても適うものではなかった。
 それは二人と共にいる可児にしてもだ、こう言うまでだった。 
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