ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
15:目は口程に物を言う。だから君の瞳に乾杯。
(ドムドーラ地方)
リュカSIDE
「や、やぁ……僕はリュカ。お友達「グワァー!!」
最後まで言わせて貰えませんでした。
大跳躍からの着地により、これまでのドラゴン以上に強く踏んづけてしまった為、怒りが尋常じゃないね。
でも大丈夫。
何せ俺にはドラゴン攻略法があるからね。
そうです、炎を吐く寸前に顎の下へ入り込んでアッパーカット!
名付けて『ドラゴン・アッパーカット』……これまでこれで勝ち続けてきたんだ。
楽勝気分で、もう気持ちはドラゴンが落とすアイテムに移行。
ソファー・暖炉ときたから、次は何かなぁ?
ローテーブルとかかなぁ? それともキャビネットとかかなぁ?
等々ワクワクの妄想をしながら激オコぷんぷんドラゴンと戦ってるが、意外と苦戦状態に陥っている。
何故かというとね、激オコぷんぷんドラゴンは激オコすぎて、炎を吐く攻撃をしてこないんだよ。
前足や尻尾を使った物理的攻撃主体。
目の前の敵(俺の事)に攻撃することしか頭に無くて、炎を吐く為の息を吸い込む溜め攻撃が出来ないのだ。
そんな僅かな間も攻撃してたい……ってな感じ。
どうしよう? 結構素早いから逃げ出すのも一苦労だし……先刻見つけた赤い鉱物を採取したいし……
そんな事を考えながら激オコぷんぷんドラゴンの攻撃を躱し続けること数時間。
朝靄の中開始された戦闘は、黄昏時に移行する。
流石に疲れてきた……
でも疲れてるのは俺だけじゃない。
激オコぷんぷんドラゴンも大分お疲れモードらしく、動きがスローダウン。
そして遂に決行する。激オコぷんぷんドラゴンの必殺技……煉獄火炎攻撃!!
勝手にネーミングしましたが、そんな事をさせないのがイケメンビルダーたる俺なのですよ。
美女にベッドへ誘われたとき以上の素早さで、激オコぷんぷんドラゴンの頭の下へ入り込むと、炎を吐き出す瞬間に必殺のイケメン・アッパーカット!!(技名が変わった事は気にしちゃダメ)
見事ウィナーになった俺に、元激オコぷんぷんドラゴンからの賞品が授与される。
何かなぁ~♪ 何かなぁ~♫
そんなウキウキ気分で落としたアイテムに近付く。
“竜の鱗”をゲット。
あれ? 家具じゃないのかなぁ?
繁々と竜の鱗を眺めてると、頭の中に“身に着けると守備力が上昇”と浮かんだ。(この機能、便利だけど……やっぱヤダ)
敵からの攻撃は素早く避けるのが俺のスタイル。守備力が上がってもねぇ……
家具が良かったなぁ……
家具屋三兄弟のドラゴンだったら良かったのになぁ。
長時間の激戦で得たアイテムにしては有難味が薄いけど、それでも貰える物は貰っとく主義なので、取り敢えず首から下げる様に装備する。
この装備方で良いのか判らないけど気にしない。
そんな事よりも、今は赤い鉱物採取の方が重要じゃね?
また暗くなってきた草原を走り、ブナの林を抜けて岩壁へと到着する。
そして今朝方発見した赤い鉱物目掛けて大木槌をスパーキング!
ポッカリと空いた岩壁の穴から、大量の土と共に“赤い宝石”をゲット。
使い道がよく解らないけど、綺麗な宝石を入手出来て何か嬉しい。
他の素材を手に入れれば、この宝石の使い道が頭に浮かぶかな?
まぁ判らないけど、それまで大切に保管しておこう。
念願の赤い鉱物……赤い宝石を手に入れて、冷静に今空けた穴を見渡すと、これまた鉄分豊富な洞窟でありました。
うん。スイッチ入ったね……
またまたスイッチ入りまくりで、大木槌振り回して採掘作業。
鉄の大量取得で気分は最高。
一晩中掘り進み、大木槌のストックが無くなった頃、もう一つのトンネルを開通させた。
目の前には鈍い朝日に映し出される様に、滅びた町の形跡が……
多分ドムドーラの町だろう。
もう以前の面影すら残してない。……つーか、以前の面影なんて記憶に無い。
そして思い出す。
そう言えばぁ~……ヒゲがぁ~……鍛冶屋を~……助けろって言ってた。
ここに居るのかなぁ? なんかそれらしい建物もあるけど、ここに囚われてるのかな?
囚われてるって言っても“ゆきのへ”って名前からして男だろ。
何かやる気湧かないよね。やっぱ囚われの身になってるのは可愛いお姫様が良いよね。
イケメンが助け出すんだから、美女の方が絵になるよね。
……でも待てよ。
ゆきのへって名前だと、渾名は“ユキ”だよね。
大昔に同じ名前の男友達が居たなぁ……
元々可愛い男の子で、成長して可愛い男の娘に育ったよなぁ……
もしかして同一人物か?
ユキちゃんが転生してきたのか!?
俺、またアイツにご厄介になった方が良いのか?
うん。何となくやる気湧いてきたよ。
そんな訳で早速助け出すことにします。
それらしい建物を出入り口求めて探索してると、牢屋の扉が在るのを発見。
だが出入り口の前には、何処かで見たことある様な人物らしき存在も発見。
見た目が……ピリン……らしい。
でも目が濁ってるから本人じゃないよ。どっかの馬鹿が化けて、俺を騙そうとしてるだけだよ。
『あ、リュカぁ♥ こんな所で何やってるの?』
俺に気付いたピリン擬きがブリッコぶりぶりで話しかけてくる。
無視だね。相手すると付け上がるから、無視するに限るね。
(ガチャガチャ!)
無視して牢屋の扉を開けようとしたが、鍵が掛かってて開きそうにない。
でも中からは人の気配が漂ってくる。多分ユキちゃんだろう。
誰かを閉じ込めてるんだから、鍵が掛かってるのは当然だね。
う~ん……やっぱりこの馬鹿の相手をしないとダメなのかな?
めんどくせーなぁ。馬鹿の相手は本当に面倒なんだよなぁ……
でもユキちゃんの為には仕方ないか。
「おい馬鹿モンスター、ここの鍵を持ってるんだろ。見逃してやるから鍵出せ馬鹿」
『な、何を言ってるの!? そんな事より、ここに来たのってロロンドの命令なんでしょ? 私あの男嫌いなの。ねぇリュカぁ……私と一緒に逃げちゃわない? 二人だけの世界へ逃げちゃわない♥』
本物のピリンに言われたら逃げちゃうけど、お前に言われても逃げようとは思えない。
「うるさい馬鹿。もうバレてるんだよ馬鹿。さっさと鍵寄こせ馬鹿。見逃してやるって言ってるんだから鍵出せ馬鹿」
『……………』
噛み合わない会話。化けてると認めない馬鹿モンスター。
薄ぼやけた朝靄の中、静寂が流れる。
出来ればピリンの姿の時には殴りたくない。
気分が悪いからね。美女を殴るなんて気分最悪だからね!
『ふっ、ふはははははっ! よ、よくぞ見破ったビルダーよ!』
静寂に堪えきれなくなった馬鹿モンスターが、本当の姿を曝け出す。
馬鹿丸出しの台詞と共に、ピリンの姿から“悪魔の騎士”と呼ばれるモンスターへと変化する。
だから殴った。
ピリンの姿じゃなくなったから、力の限りにぶん殴りました。
勢いよく後方の壁に激突して消滅する悪魔の騎士。
殴られる直前、何かそれらしい台詞を吐こうとしてたけど、聞いてやる義理はないので拳でスパーキング!
激突した壁が煉瓦だった為、簡単に崩れてしまい鍵が瓦礫の下に……
だから馬鹿の相手は面倒なんだよ。
瓦礫を押し退け鍵を手に入れると、瓦礫だった煉瓦も壁材として手に入った。
でも煉瓦は脆いから、使い勝手が悪い。
石垣の方が丈夫だし、煉瓦で建物を造る気は起きない。
でも何かには使えるだろうから、持ち帰りはする。
元王族だけど、貧乏性なんだよね。
まぁイケメンだから何やっても大丈夫なはず。
さてさて、囚われのユキちゃんを救出しましょうかね。
リュカSIDE END
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