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決戦!!天本博士VS超時空天下人ヒデヨシ

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3部分:第三章


第三章

「何かそれこそ世界中に」
「確かに」
「なくなってしまったのが残念じゃ。自衛隊はどうも軟弱でいかん」
「軟弱以前にどれだけ迷惑かけてきてるんですか」
 小田切君は常識の立場に立って博士に突っ込みを入れた。
「そもそも」
「迷惑?何じゃその言葉は」
 だが博士は彼の問いにこんな言葉で返すのだった。
「聞いたことがないのじゃが」
「って博士文学博士でしょうが」
「文学博士でも知らんもんは知らん」
 なおこの博士はこの他にも様々な博士号を持っている。一体幾つあるのかわからない程だ。
「それはな」
「本当に御存知ないんですか?」
「知らんものは知らん」
 取り付く島もない返答だった。
「そんな言葉はのう」
「そうなんですか」
「とにかくじゃよ」
 こう話したうえでまた自分のことを述べる博士であった。
「大阪城にブラックホール発射基地を作りじゃ」
「そもそもそれで何するつもりなんですか?」
「そこから何処かの惑星なり恒星を無差別攻撃じゃ」
 やはり碌でもないことを考えているのだった。
「どうじゃ。面白いじゃろ」
「面白くないですよ」
 小田切君は真顔で博士に言い返した。
「結局そういうことするんですか」
「そうじゃ。まあ大したことはない」
 博士にとってではある。
「それはのう」
「惑星や恒星を無差別攻撃することは大したことじゃないんですか」
「んっ?何か悪いか?」
 博士の趣味の一つに無差別攻撃もある。とりあえず目に入った気に入らない暴力団の事務所や暴走族の集会に怪人を殴り込ませることも日常茶飯事である。
「いつものことじゃろうが」
「まあそうですけれどね」
 本当にいつものことだから始末が悪い。
「じゃあやっぱり」
「そうじゃ。早速はじめるぞ」
 こうして早速恐怖の基地開発に取り掛かる。しかしここで。突如として一行の前に謎の人物が姿を現わしたのだった。
 猿に似た顔の小柄な男だった。年齢は丁度還暦位か。目は大きく丸い。そして頬がこけている。小柄で一見すると貧弱な身体をしている。その小柄さは小学校高学年程度だ。
 そしてその小柄な身体を礼服に包んでいる。この礼服はそのまま平安時代のものでありう白と銀の豪奢なものだ。帽子は黒で顔はあまり品があるとは言えないが何故か恐ろしいまでの威圧感を醸し出している、そうした不思議な男であった。
「あれっ、この人って」
「どっかで見たような」
 ライゾウとタロがその男を見てまず言った。
「ええと、けれど何処で」
「何処で会ったかな」
「あの、博士」
 小田切君は男を見てまずはその目を思いきり顰めさせた。そうしてそのうえで博士に対して言うのであった。
「この人って確か」
「そうじゃ、ヒデヨシじゃ」
 博士はその男の名を小田切君達に告げた。
「あれはな。ヒデヨシなのじゃよ」
「ヒデヨシってやっぱり」
 小田切君はその名前を聞いてまた言った。
「あれですよね。豊臣秀吉」
「超時空天下人ヒデヨシじゃ」
 博士はここでまた奇想天外な名前を出した。
「それがあの男の名じゃよ」
「超時空天下人ヒデヨシ!?」
「如何にも」
 そのヒデヨシの方から名乗ってきた。名乗るとそれだけで凄まじいばかりの、大阪どころか日本全土まで覆ってしまうような凄まじい気を放つ。
「この世の全ての時空を支配する者、それがわしじゃ」
「初耳ですが」
 小田切君はそれを聞いてまず言った。
「何ですか、その全ての時空を支配するって」
「超時空天下人ヒデヨシは全世界のありとあらゆるものを支配する存在じゃ」
 博士はその小田切君にこう説明した。
「時空を自由に超えることができるのじゃよ」
「殆ど人間じゃないですね」
「人でありながら人の能力を超越した超人」
 博士はまた語った。
「それこそがあの男よ」
「何か博士と同じタイプの人間なんですね」
「博士よ、暫く振りだな」
 ヒデヨシはまた博士に対して言ってきた。やはりその全身からは凄まじい気を放ち続けている。それは力は山を抜き気は世を覆うどころではなかった。
「元気そうで何よりだ」
「御主ものう」
 博士は不敵に笑ってヒデヨシに返した。
「どうやらまた時空を超えて活躍しておったようじゃな」
「うむ。七千万年前に行き恐竜の世界を治めた」
 ヒデヨシは言うのだった。
「それで歴史を改変させてみたのじゃ」
「本当に人間なんですか?」
 小田切君はあからさまに怪しむ顔でヒデヨシを左手で指差しつつ博士に問うた。
「何かやってることが滅茶苦茶なんですけれど」
「ヒデヨシを甘くみるでない」
 しかし博士はここでそのヒデヨシを見据えながら小田切君に告げるのだった。
「あの男はかつて世界最大の文明を完全に根絶したのじゃ」
「完全にですか」
「そうじゃ。ユーラシア大陸から北米にまで影響を及ぼし半万年の歴史を持つ」
 いきなり途方もないスケールの文明の話になる。
「朝鮮半島の文明を根絶してしまったのじゃ」
「そんな文明あったんですか?」
 小田切君は常識の範疇で博士に尋ねた。
 
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