レインボークラウン
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第三百二十一話
第三百二十一話 調べて
小田切君は一億円をどうするのかを考えた、そのうえでライゾウとタロに言った。場所は研究室である。
「九千万は貯金だね」
「堅実だな」
「置いておくんだね」
「うん、それで一千万はね」
正確に言うと一億一千万あるので残り二千万である。そのうちの一千万をというのだ。
「遊びに使うよ」
「豪快にか」
「使うんだね」
「うん、お酒飲んだり美味しいもの食べたり本を買ったり」
そうしたことにというのだ。
「使うよ」
「それで残りだな」
「残ったお金をね」
「寄付するって言ってたよな、小田切君」
「それじゃあやっぱり」
「寄付するよ」
実際にという返事だった。
「そう決めたよ」
「じゃあ何処に寄付するんだ?」
ライゾウは右の前足を小田切君を指し示す様に動かしつつ問うた。
「それで」
「うん、赤十字の正確な場所にね」
そこにというのだ。
「五百万、それで五百万は」
「残りは何処だよ」
「八条町の天理教の教会に寄付するよ」
そこにというのだ。
「八条分教会にね」
「ああ、あそこだね」
天理教のその教会の名前を聞いてだ、タロはすぐに納得した。
「あそこは確かな教会だしね」
「あそこならいいって思ってね」
「寄付するんだね」
「そうするよ」
「じゃあ二つに分けて」
「それで寄付するよ」
こう言うのだった、そして実際にだった。
小田切君はそうすることにした、殆どを貯金していざという時に備え。40
趣味に使い寄付もした、全てが終わってからまた研究所で二匹に言った。
「全部終わったよ」
「そうか、寄付もか」
「いいことしたね」
「あの博士からのボーナスだけれど」
「そちらにも使ったんだね」
「そうしたよ、まあたまには僕もね」
それこそとも言った小田切君だった。
「いいことをしないとね」
「っていうか小田切君何もしてないぜ」
「悪いことはね」
それはというのだ、実際に小田切君は博士の凶行はただ見ていて突っ込みを入れているだけである。
第三百二十一話 完
2016・3・4
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