転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1302話
木星蜥蜴の技術に興味があると言われて、返ってきた反応は様々だった。
不満、不信、納得、好奇心。そんな中でもエリナを始めとするネルガル一行は同意するように頷く。
当然だろう。ナデシコの始まりが火星にあったチューリップモドキだと言うのであれば、木星蜥蜴は火星古代文明とでも呼ぶべき存在の後継者の可能性が高い。
つまり俺が欲しているのはその火星古代文明の遺産とも呼ぶべきもの。
……それは恐らくネルガルが欲しているものとそう変わらないのだろうから。
そんな沈黙を破ったのは、当然のようにプロスペクターだった。
「シャドウミラーの目的が新たな技術の収集だというのは分かりました。それで、その……異世界間貿易というのは、具体的にはどのようなものなのでしょう?」
だよな、ネルガルとしてはやっぱりそっちに興味があるか。
そもそもネルガルは総合商社だ。当然商売が最優先であり、そんなネルガルにしてみれば異世界との貿易というのは色々な意味で魅力的だろう。
特に先程俺が使った炎獣やら何やらは、いわゆる魔法だ。
そうなれば、当然魔法というファンタジーを手に入れる事が出来るかもしれない。
また、ミロンガ改や……そして何よりニーズヘッグの圧倒的な力を目の当たりにした以上、それを欲するのは当然の事だろう。
何せ、現在の最新鋭機と言ってもいいエステバリスが5機掛かりで掛かって一方的に負けるというくらいの性能差なのだから。
その辺は俺の操縦技能も込みだが。
そんな技術を持っているシャドウミラーとの貿易となれば、独占したいと思っても不思議ではない。
まぁ、基本的に異世界間貿易では兵器の類の売買は禁止してるんだけどな。マブラヴ世界は例外として。
それでも総合商社であるネルガルにとっては兵器以外にも美味しい話は沢山ある、か。
……スパロボ世界のイスルギ重工みたいにならないといいんだけどな。
取りあえず兵器については念押ししておいた方がいいか。
「俺達シャドウミラーの本拠地はホワイトスターと言って、さっきも言ったと思うけど世界の狭間とでも呼ぶべき場所にある。そこをハブステーション的な扱いにして他の世界と行き来しながら貿易をしているって感じだな。ああ、それと言っておくけど兵器の類は基本的に売買禁止だ。例外もあるが」
そう呟き、マブラヴ世界で拠点としているハイヴを守るという意味ではエステバリスって実はかなりいいのかもしれないと思う。
ディストーションフィールドがある以上、BETAからの攻撃に対する心配はいらないし、光線級、重光線級のレーザーも恐らく問題ない筈。
エステバリスの欠点の1つに攻撃力不足があるけど、BETAが相手であればその辺は問題ないと思う。
まぁ、突撃級や要塞級、母艦級辺りに対して効果的なダメージを与えられるかどうかは分からないが、それ以外なら対処可能だろう。
その3つに関しては、リニアガン・タンクとかがいるから、そっちで何とでもなるだろうし。
って、まだネルガルと交渉すると決まった訳でもないんだから早過ぎるか。
「では、どのような品物で貿易を?」
「基本的には生活物資とかだな。ただ、魔法使いのいる世界から魔法使いを呼んで魔法を習得するとかは魅力的じゃないか?」
「魔法、ですか。それは確かに魅力的ですね」
呟くプロスペクターの言葉を証明するかのように、ブリッジにいる者の多くが俺に期待の視線を向けている。
恐らくこの映像を見ている他のナデシコクルーも同様なのだろう。
「ですが、魔法というのは何かある種、特別な才能が必要だったりはしないのですか?」
「いや、俺達が使っている魔法は基本的に誰でも覚えられる。ただ、当然スポーツとか武道とかと同じく、一定以上の実力になるには相応の才能が必要となるけどな。ちなみに俺の場合は炎、影、召喚の3つに才能があるけど、それ以外は殆ど使えない」
しかも召喚魔法の場合は俺と契約するのに血を与える必要があって、それに耐えられる身体の頑丈さとか、潜在能力とか、高い魔力とか、そういうのが必要になってくる。
その結果、今の俺の召喚獣はグリしかいない訳だが。
「炎は先程の炎獣とか言いましたか? それですし、影の魔法というのはアクセルさんが、その、転移をするのや、ゴートさんに対して放った攻撃のようなものでしょうが……召喚魔法というのは、普通に私達が想像出来る召喚魔法でいいのでしょうか?」
「お前達がどんな召喚魔法を想像しているのか分からないから、確実にとは言えないけどな。ただ、俺が使えるのはグリフィンドラゴンというモンスターを召喚して従えるだけだ」
「グリフィンドラゴン? グリフォン? ドラゴン? どちらでしょう?」
「その2つのハーフ的な存在だよ。、ま、その辺はあくまでも国交を持ってからの話になるから、今は気にする必要はない」
「国交、ですか。……つまりシャドウミラーが取引相手と認識しているのは、国に対してなのでしょうか?」
やっぱりそこに突っ込んで来るか。
ネルガルの人間としては当然なのだろうけど。
「いや、そうでもない。実際、都市の規模や企業と限定して取引をしている世界もあるしな。まぁ、その世界では俺達の事が公になっていないからこそってのもあるが」
「では!?」
「ちょっと待って下さい!」
反射的に意気込んだプロスペクターだったが、そこに待ったを掛ける声が響く。
「本当に他の世界とのやり取りをする必要があるというのであれば、それは一企業がやるべき仕事ではないと思います。何らかの条約を結ぶにしても、やるべきは連合政府ではないでしょうか?」
そう告げたのはジュン。
元々ジュンが連合政府に……そして連合軍に対してどう思っているのかというのは知っている。
また、それは決して間違っているという訳でもないのだろう。
事実、条約を結ぶにしても企業ではなく国と結んだ方がいいのは、こっちとしても同様なのだから。
「けど、連合政府は……って言うか、連合軍って私達に向かって攻撃してきたじゃない。そんな相手がアクセルの言う事を素直に信じると思う? 実際、私達だってしつこいくらい証拠を見せられて、ようやく信じたんだし」
「それは……けど、こんな大きな件を1つの企業だけでやるというのは間違ってますよ!」
正直、こちらとしてはどちらがいいとは言えない。いや、保証的にはやっぱり国の方がいいのか?
ただ、国だと基本的に何をするにしても行動が遅かったり、杓子定規的な感じだったりする。また連合政府という形を取っている以上、このナデシコ世界では最大派閥であり、いらないプライドも高い。そう考えると、国を相手にするのは決していい事ばかりでもないんだよな。
「ですが、実際アクセルさんと最初に遭遇して、これまで縁を紡いできたのは私達ネルガルな訳ですし……」
「もしシャドウミラーという国と険悪になったりした場合、最終的に出るのは連合政府なのでは? それなら、最初から連合政府が交渉に出た方がいいと思います。また、もしシャドウミラーとの貿易が本格化したとしても、それをネルガルが独占する形になると必ず問題になりますよ」
「ふーむ、困りましたな。私の立場としては、副長の言葉に首を縦に振る訳にはいかないんですよ。それに、副長も今はナデシコのクルー……つまり、ネルガルに雇われている身です。以前の件もありますし、出来ればネルガルの利益を最優先して貰えると、こちらとしても助かるんですけどね」
以前の件というのは、ネルガルに雇われながら連合軍に与してデルフィニウムに乗って襲撃して来た事だろう。
そうなんだよな。あの時のジュンは間違いなくネルガルに雇われている身だった訳で、艦長に対する想いからの暴走ではあっても雇い主に対して反逆したのは事実。
後日、契約違反で色々とペナルティを受ける事にならないといいけど。
「まぁ、ともかくだ。具体的にどこと交渉するのかってのはまだ決めてない。ただ、有力候補自体がそんなに多くないのも事実だが、俺の印象的にも連合政府……正確には連合軍はそんなに高くないな」
ナデシコを奪おうとしたり、ミロンガ改を奪おうとしたり、戦艦の数を揃えてこっちを脅してきたりと、こっちの印象を下げる行為ばかりしている。
特にムネタケなんかは散々こっちの邪魔をしてきたんだから、どうしても印象は悪い。
「それは……けど、この世界の秩序を維持しているのは間違いなく連合軍なんだから、交渉するのなら連合軍と交渉するべきだよ!」
「そう言いたくなる気持ちも分からないではないんだが、そう簡単にはいかないんだよ。こう言っちゃなんだが、基本的に異世界間貿易に参加する世界ってのは表向きはともかく実際には俺達の保護下というか、従属……というのはちょっと厳しいか。具体的には俺達を上位の存在としている世界が殆どだ」
ギアス世界、SEED世界なんかはまさにその典型だろう。俺達の力を借りてそれぞれの世界を統一したんだから。
まぁ、SEED世界は統一とまではいっていないが、それでも最大の勢力を誇っているのは間違いない。
ネギま世界は1つの学園都市や企業という扱いだし、マブラヴ世界なんかは俺達の協力がなければBETAに滅ぼされて終わるだろう。
そういう意味では、マクロス世界がもっとも俺達と対等に近い関係だろうが、向こうだって俺達から資源やら何やら足りない物を購入しているという関係だ。
更に純粋な戦力に限って言えば、シャドウミラーは他の世界を圧倒している。
人数自体は少ないが無人機の数は圧倒的だし、量産型Wはその辺のエースパイロットを優に超えるだけの強さを持っている。
ぶっちゃけ、ナデシコのエステバリス隊5機が揃って量産型Wの操縦するシャドウ1機と戦っても、恐らくシャドウの方が勝つだろうってくらい。
……いや、それはパイロット技能云々よりも機体性能の差が大きいか。
「さて、このナデシコ世界を実質的に支配していると言ってもいいような連合政府や連合軍が、俺達シャドウミラーの下風に立つ事を良しとすると思うか?」
ムネタケの性格が連合軍の性格という風に考えるのは色々と無理があるが、それでも一端を知る事が出来るのは事実だ。
また、図書館でこの世界の事を調べた時にこれまで何度か独立運動のようなものが起きているというのがある。
特に100年程前に起きたという月での独立運動はかなり大規模な騒ぎだったらしい。
その月で起きた独立運動も、結局は鎮圧してしまった訳で……そう考えれば、連合政府がシャドウミラーの下風に立つというのは納得出来ないんじゃないだろうか。
シャドウミラーがどれ程の実力を持っているのかを実感すれば話は別だろうが、もしそんな真似をしたら下手をすればナデシコ世界VSシャドウミラー……最悪の場合、門世界に対して行ったような異世界間連合軍を結成したりするかもしれない。
そこまですればこの世界の連合軍も大人しくはなるだろうが、正直そこまでして連合軍と取引をしたいとは思わない。
そういう意味では企業であるネルガルは自分達が国と戦えるとは思ってないだろうし、特にこのナデシコに乗っているプロスペクターやゴート、何よりネルガルの会長秘書という顔を持っているエリナは俺の……シャドウミラーの実力の一端をその目で見ている。
これは連合軍にはないアドバンテージだ。
ジュン辺りが連合軍の目という形になるかもしれないが、会長秘書のエリナと士官学校を卒業したばかりのジュン。……信頼度は比べるまでもないだろう。
「ま、何度も言ってるようにその辺はまた後で考えるとしてだ。こっちの事情は大体話したし、そろそろ場所を移動した方がいいんじゃないか? 攻めて来た木星蜥蜴は全滅させたが、向こうはそれを知ればまたこっちに戦力を送ってくる可能性が高いしな。それに、ユートピアコロニーの地下にいる奴等にしてもこのままだと木星蜥蜴に殺される可能性が高い。……もう、ここに残るって真似は出来ないんじゃないか?」
視線をイネスの方へと向けて告げると、向こうもそれは理解していたのだろう。イネスの後ろにいる護衛の2人は顔を隠しているから正確には分からないが、それでも仕草で苛ついているのが理解出来た。
ただ、イネスの方は特に表情を変えていないのが気になった。
何だ? ここに残りたかったんじゃないのか?
それともここに残るというのはナデシコに乗っても無事に済まないって話だったから、俺というイレギュラーがいる事でその辺は解決したと考えている、とか。
「そ、そうですね。イネスさん。とにかく火星に残りたいという話でしたけど、アクセルさんの言う通り、ここで戦闘があった以上はここに残るのは危険です。火星に残る残らないは別として、ナデシコに乗って避難をした方がいいと思うんですけど……」
艦長の言葉にイネスは数秒考える様子を見せたが、すぐに頷く。
「そうね、このままここにいるのは危険過ぎるかもしれないわね」
こうして、取りあえず生き残りはこの場から退避するべくナデシコに乗る事になるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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