転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1297話
結局何だかんだでネルガルの研究所の件は有耶無耶になってしまった。
当然だろう。本来であればナデシコがいた筈の位置から、ユートピアコロニーの方へと強引に移動してしまったと聞かされたのだから。
しかもその理由が、艦長がテンカワに会いたかったからとか。
それとついでに、念の為についていったヤマダとの間に禁断の関係が結ばれてしまうかもしれないという心配があったらしい。
何でも、少し前にテンカワの部屋で2人が抱き合っている光景を艦長が見たんだとか。
その時は例によって例の如く、ゲキガンガーに感動したとかいう言い訳をしたので取りあえず納得したらしいが、今回2人でテンカワの故郷であるユートピアコロニーへと旅行に行ったので心配になったとか。
そんな話を聞かされれば、当然のようにヤマダと付き合っている……のかどうかは分からないが、それでも友達以上の関係であるメグミが黙っていられる筈もない。
最初はメグミとユリカの2人でシャトルを使って追いかけようとしたのだが、当然ジュンがそれを認められる筈もなく……最終的に何がどうなったのかは分からないが、ナデシコで後を追う事になってしまったらしい。
……どこからどう突っ込めばいいんだろうな。
まずテンカワが行ったのは旅行じゃないってところからか? ヤマダとの関係からか? テンカワ達の後を追えなかったからって、本来なら俺達の拠点でもあるナデシコでユートピアコロニーに行った事か? それともそれを止められなかった事か? ……他にもまだまだ突っ込みどころが満載だが、取りあえず今は置いておくとして、ナデシコに戻るのが最優先だろう。
万が一にもナデシコが撃沈されたりしたら、洒落にならないし。……リョーコ達がいる以上、そう簡単に木星蜥蜴にやられたりはしないだろうが。
ただ、研究所を出る時のエリナの表情を見る限りだと、ナデシコに戻ったら説教大会が始まるのは間違いないな。
フクベ提督辺り、その辺を止めようとはしなかったのか? ……しなかったんだろうな。基本的にあの人は何があっても黙って見ているだけだし。
そんな中で、唯一行動を起こしたのがテンカワのユートピアコロニー行きを許したって事だったんだが……その辺を考えても、やっぱり艦長の行動を止めそうにはない。
艦長も、能力はあるのにテンカワが関わると途端に駄目になるってのは……テンカワがエリナに惹かれているのが分かってるからこそ危機感を抱いてるんだろうが。
ともあれ、そんな訳でユートピアコロニーの跡地へと向かっていたのだが……そこに到着すると、エステバリスから降りて生身のテンカワとヤマダ、そして2人に銃を突きつけている数人の人影――マントのようなもので身を包んでいるので男か女かは不明――に、同じようなマントに身を包んでいる金髪の女、そしてナデシコから出撃してそんな相手へとラピットライフルを突きつけている3機のエステバリスと、ナデシコの姿があった。
『……どういう事だと思う?』
コミュニケでエリナが通信を送ってくるが、俺だってエリナ達と一緒に行動していたのだから細かい事情までは分からない。
出来れば戻ってくるまでにナデシコに連絡を取っておけば良かったんだろうが、どうやらシャトルの方では連絡をしていなかったらしい。あるいは、連絡をしても怒られると思って向こうが通信に出なかったのか。
「さあな。ただ、分かるのは……スキャパレリプロジェクトはどうやら成功したって事じゃないのか?」
テンカワとヤマダに銃を突きつけているのは、どう見てもナデシコのクルーではない。
いや、勿論200人以上いるナデシコのクルー全ての顔を覚えている訳ではないから、必ずしもそうだとは言い切れないんだが、ナデシコのメンバーであんな風にマントを羽織るような趣味を持っている奴はいないだろうし、何よりあの金髪の女だ。かなりの美人で、もしナデシコにいれば噂くらいは聞いていただろう。
それと、ウリバタケを始めとした男達が知らない訳がないし、ハルカ辺りが噂話として食事の時に話題にしない訳がない。
『イネス・フレサンジュ博士!?』
不意にコミュニケから聞こえてきたのは、珍しい事に驚きを露わにしたプロスペクターの声。
普段は飄々とした態度を崩さないプロスペクターがここまで驚くって事は、有名人なのか? その割りにはエリナは知らなかったみたいだけど。
だとすれば、知る人ぞ知る的な?
ともあれ、その名前に聞き覚えのなかった俺はプロスペクターへと尋ねる。
「誰だ?」
『ナデシコの相転移エンジンやディストーションフィールドといった物を開発したメンバーの1人です。それも中枢メンバーの1人と言ってもいいでしょう。火星から脱出していないという話は聞いていましたが……生き残っていたんですなぁ』
「ナデシコの開発者……それも中枢メンバー、か。あの様子を見る限り、他にも生き残っているメンバーはいそうだし、さっきも言ったがスキャパレリプロジェクトは大成功に終わったんじゃないか? 表の意味でも、裏の意味でも」
『そうね。研究所の方での収穫はなかったけど。ただ、あの様子を見ると、とてもじゃないけど友好的な様子には見えないわね』
銃を突きつけられているテンカワとヤマダの様子を見ながら困っていると、不意にこっちに通信が入ってくる。
『アクセルさん! あの人達をどうにかして下さい! ガイやテンカワさんに銃を突きつけるなんて!』
怒りに燃えているメグミの様子だったが、俺は何となくああいう展開になってしまった理由が理解出来るんだよな。……ヤマダの性格を考えると。
恐らく……本当に恐らくだが、ヤマダがいらない事を言ったんだろう。
何を言ったのかは分からないが、それでも恐らく間違いない。
基本的にヤマダは、感情の赴くままに行動する事が多い。
最近ではメグミとの関係もあってその辺は直っていたようだが、それでも完全とはいかなかった訳か。
「どうする? まさか、助けに来た相手に攻撃されるとは思っていなかったけど」
『どうする、と言われましても……取りあえず私達が姿を見せれば、向こうも驚いてこちらの交渉に乗ってくるのではないでしょうか?』
そうだろうな。ナデシコでの運用を前提にしていたエステバリスなら、あのイネス・フレサンジュとかいう女もナデシコの開発者だけに知っている可能性はある。
だが、俺の乗っているミロンガ改はさすがに見た事がない筈だ。……いや、見た事があると言われても困るが。
それを考えれば、ミロンガ改が姿を現せば当然向こうも警戒してこっちの交渉のテーブルに着くというプロスペクターの考えは間違っていない筈だ。
「なら、それでいいか? 折角ここまで迎えに来たんだから、ここで奴等と戦いになるような事になったら面白くないだろ?」
『お願いします』
プロスペクターからの返事を受け、俺はシャトルに先行するような形でナデシコの方へと向かう。
今まではミロンガ改から一方的に向こうの様子を見る事が出来ていたが、こうして近づけば向こうからもこっちの姿が見えたのだろう。テンカワやヤマダに銃を突きつけていた者達が見るからに動揺しているのが分かる。
それでもイネス・フレサンジュの方は少し目を見開いただけでそれ以上の動揺はない。
あの立ち位置から考えて、恐らくあの女が火星に残っていた者達のリーダー格なのだろう。
そんな一行の前に着地すると、ビームマシンガンの銃口を向ける。
「さて、交渉といこうか」
外部スピーカーのスイッチを入れ、そう告げる。
向こうが好戦的なのかどうかは分からないが、それでもこの状況で戦いを挑んでくるような事があれば、それは自殺願望の持ち主としか言えない。
何しろ、向こうが持っている武器とこっちの武器とではその大きさが圧倒的に違うのだから。
『……銃を向けて交渉をするというのが、今の地球のスタンダードなのかしら?』
「さて、どうだろうな。相手が銃を向けてるんだから、こっちも銃を向ける。おかしな話じゃないと思うが? イネス・フレサンジュ博士」
その言葉に、一瞬身体が固まる。
まさか自分の名前が知られているとは思ってもいなかったのか?
まぁ、実際こうして火星で生き残っている人物がいて、しかもそれがネルガルの社員で、更にはナデシコの開発者だ……なんて、偶然が幾つも重なった結果だ。
『そう、そうよね。ナデシコが来ているという事は……それにしても、その機体がミロンガ改? 随分と大きいのね』
ミロンガ改を知っている? 一瞬疑問に思ったが、よく考えれば……いや、考えなくても、どこから情報が漏れたかなんてのは一目瞭然だろう。
捕まっているテンカワとヤマダが漏らした以外には考えられない。
……こっちの情報をこうも簡単に漏らすなんてな。
いや、テンカワは半分コックなんだから、その辺は仕方がないのか?
『とにかく、交渉をするというのであれば交渉しましょう。ナデシコのブリッジでの交渉でいいかしら?』
通信映像が繋がったままのシャトルの方へと視線を向けると、エリナが頷くのが見える。
どうやらそれで問題ないらしい。
「分かった、じゃあそっちもテンカワとヤマダを解放してくれ」
『……ヤマダ?』
『ガイだ! ダイゴウジ・ガイ!』
『ああ、この人。……名前が複数あるなんて面白い人ね。羨ましいわ』
『だから、ヤマダってのは……』
以下、いつものヤマダの主張がされたが、取りあえずスルーする。
『この2人の解放はいいけど、そちらも銃を下ろして貰えるのかしら?』
イネスからの言葉に、返事の代わりにビームマシンガンの銃口を下ろす。
もし何かあっても、ビームマシンガンもそうだがエナジーウィングの刃状のエネルギーもあるしな。
あの攻撃はビームマシンガンとかと違って、初見殺しだ。
まさかエナジーウィングから攻撃されるとは思いも寄らないだろうし。
「テンカワとヤマダのエステバリスがあった筈だな? それに乗ってナデシコまで来てくれ」
本来であれば、ナデシコから迎えを出すのが一般的なんだろうが……そうすると向こうの人数が多くなるかもしれないという懸念がある。
その点エステバリスでの移動ともなれば、向こうから来るのはイネスとその護衛程度に抑えられる。
まぁ、もし大勢でやってきてもこっちに俺がいる限りはどうとでも対応出来る。
こうして、一触即発に近かった状況から何とか交渉にこぎ着けることには成功したのだった。
「……は? 俺もか?」
ナデシコのコンテナにミロンガ改を収容し、いつものように格納庫へと戻ってきた俺を待っていたのは、エリナとプロスペクター、ゴートという、シャトルに乗っていたネルガル組とも呼べるメンバーだった。
「ええ。アクセルがいれば、向こうもそう馬鹿な事は言ってこないでしょうし」
「機体に乗ってるのならまだしも、生身の状態だと向こうもそんなにこっちを警戒しないんじゃないか?」
俺が生身でも強いと知っているのはそれ程多くない。
エステバリスのパイロット達と、目の前にいるネルガル組くらいだろう。
ああ、いや。ヤマダ経由でメグミ辺りは知っているかもしれないな。
ともあれ、俺の外見は特に強面って訳じゃない。
純粋に強面という意味では、俺よりゴートの方が上だ。
俺の顔は、いわゆる優男風だし。
別にそれを残念に思った事はないが。
「それでも、よ。正確にはアクセルそのままじゃなくて、ミロンガ改のパイロットとしてのアクセルが必要なんだけど……」
少し、ほんの少しではあるが申し訳なさそうな表情を浮かべるエリナ。
プロスペクターも申し訳なさそうな表情を浮かべているが、こちらはあまり信用出来ないんだよな。
ともあれ、どうするべきか迷い……やがて断るよりは交渉に参加した方がいいだろうと判断して頷きを返す。
「分かった。ただ、俺が出来るのは相手に睨みを利かせる程度だぞ? 本格的な交渉は……」
「ええ、分かっています。そちらはこちらに任せて貰えれば。アクセルさんに期待するのは、向こうに対する抑止力ですので」
「そうね。ただ、意見を聞くくらいはいいでしょう? アクセルは私達とは違う観点からの意見を言って貰いたいし」
「その程度なら構わないが……何か揉めると予想してるのか?」
何だか向こうが喜んで地球に行くというのは思っていないかのような態度に、疑問を抱く。
それともテンカワとヤマダを拘束したのが関係しているのか?
そんな疑問を抱く。
「その辺は分からないけど、向こうの態度が妙に強行だったという話があるのよ。その辺を考えれば、交渉が揉める可能性は十分にあるわ」
「……何でまた?」
「それが分かれば苦労しないわ」
ようやくエリナが苦笑を浮かべたのを見ながら、俺は格納庫を出てブリッジへと向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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