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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1293話

 映像モニタに映し出されている艦長が何を言っているのか、最初は分からなかった。
 まだナデシコの中にムネタケを始めとした連合軍の軍人がいれば、その反乱だという言葉にも信憑性があったかもしれない。
 だが、今のナデシコの中にそんな不穏分子は……と考えたところで、すぐにウリバタケの姿が脳裏を過ぎった。
 なるほど、こういう手段に出たのか。

「で、反乱はどんな具合なんだ?」
『それが……』
『おらぁっ! 責任者出てこーい! 俺達の要求を聞いて貰うぞ!』

 そんな声が響いてくる。
 どうやら、まだブリッジに侵入は許していないらしい。
 ただ、それでもこうしてブリッジのすぐ近くまで迫っている以上、ウリバタケ側が有利なのは事実だろうけど。
 にしても、ウリバタケがまさかこんなに早く、しかもこんな手段に出るとはな。恐らく俺の部屋を監視していた奴にしても、思い立ったら即行動といったウリバタケ率いる反乱軍の動きには対応出来なかったといったところか。

「で、それを俺に言ってどうしろと?」
『こっちの援軍に来てくれれば嬉しいんですけど……駄目ですか?』

 駄目って事はないけどな。

「うーん、でも向こうの要求も分からない訳じゃないのよね」

 俺の側で艦長の話を聞いていたハルカが、しみじみと呟く。

『え? 向こうの要求が分かるんですか!?』
「そう、ね。……アクセル?」
「別に言ってもいいんじゃないか? 向こうだって、その辺の事情は知って貰いたいだろうし」

 いや、それ以前に反乱を起こしたのに自分達の要求を伝えてなかったのか?
 何だか間の抜けた話だが……それだけウリバタケ達は怒ってるって事なんだろう。
 整備員達は女っ気が少ないしな。
 一番身近なのが、リョーコ達パイロット3人娘だろうし。
 あ、いや。違うな。身近って意味だと、毎日食堂に行っているのを考えればホウメイガールズや、その親玉のホウメイも入るか。
 まぁ、ホウメイは気っぷがいい姐さんって感じだから、ウリバタケ達には手を出しにくいというのもあるかもしれないが。

『その、それで……要求っって何なんですか?』

 艦長が映し出されている背後からは、ウリバタケのものと思われる声がひっきりなしに聞こえてくる。
 向こうもそんなに余裕はないか。
 ……士官学校出身なんだし、当然格闘や射撃の訓練は受けているんだろうが、艦長にとってナデシコのクルーは半ば身内。出来るだけ乱暴な真似はしたくないといったところか。
 ジュン辺りなら、意識が軍人寄りだから多少乱暴な真似は出来るかもしれないけど。

『決まってるだろ、契約書の見直しだ!』

 向こうでもこっちの声は聞こえているのか、ウリバタケの怒声が聞こえてくる。
 うん、だろうな。
 そこからはウリバタケが問題にしている男女交際はいいけど、手を繋ぐまでとか、その辺の話題となる。

「ああいう風な契約条項があるのは困るわよね。アクセルもそう思うでしょ?」
「どうだろうな。何の意味もなくああいった文章を契約書に書き込むとは思えないけど」

 俺にしな垂れ掛かり、柔らかい身体を押しつけてくるハルカに答える。
 何だかこうして見て、聞いていると、俺とハルカが高みから眺めているような、今回の黒幕のような……そんな錯覚を感じてしまう。
 これで黒猫とワインがあれば完璧だろう。……ワインは駄目だな、うん。
 いやまぁ、本当に気のせいなんだろうけど。
 さて、どうしたものか。そろそろ何とか話を収めないと、火星に到着するんだし、何かトラブルが起きないとも限らない。
 そんな風に考えたのが、もしかしたらフラグだったのかもしれないが、唐突にナデシコの中に緊急警報の音が鳴り響いた。
 同時に、ナデシコの船体に激しい振動。

「きゃぁっ!」
「っと。……ハルカ、無事だな?」

 幸いハルカは俺にしな垂れ掛かっていたおかげで、特に怪我もせずに済んだ。
 けど、今の振動は何だ? いや、理由は考えるまでもない。ここは既に火星の近くで、木星蜥蜴はこれまでこっちのデータを揃える為に何度となく攻撃を仕掛けてきたのだから。
 つまり、これがそのデータ収集の答え合わせといったところだろう。

「ブリッジ、聞こえているな? 敵だな? 出撃するのか? それとも一旦この宙域から退避するのか?」
「アクセル、悪いけど私はブリッジに行くわね」

 先程までの甘ったるい雰囲気はどこへやら。すぐにナデシコの操舵士としての顔になったハルカが去って行くのを、軽く手を振って見送る。

『アクセルさん、至急出撃準備をお願いします。敵は、これまでよりも強力な戦艦です』

 先程までの困った様子ではなく、こちらもまたナデシコの艦長として命令してくる。
 さすが、性格はともかく能力は一流を集めたと言われるだけはある。

「了解した」

 ブリッジと繋がったままだった通信を切り、コミュニケの方を起動させながら部屋を飛び出す。
 向かうのは当然格納庫で、そこから移動出来るナデシコに外付けされているミロンガ改用のコンテナだ。

「それで、具体的にどんな敵だ? 強力な戦艦ってくらいだと、チューリップやカトンボじゃないんだな?」

 その言葉に応えたのは、艦長ではなくルリ。
 艦長はナデシコの指揮で忙しいんだろうから無理もない。

『はい。双胴型の戦艦で、ナデシコと同じくグラビティブラストを装備しています』
「……ナデシコと同じ?」

 その言葉に違和感を持つ。
 このナデシコ世界において、重力関係の技術というのは決して一般的なものではない。
 それは、連合軍の戦力を見れば明らかだろう。
 なのに今回の木星蜥蜴の兵器はグラビティブラスト持つ? ……この、妙な符合は一体何だ?
 もしかして、木星蜥蜴もこっちの攻撃に対応してくるとかじゃないだろうな?
 もしそうだとすれば、かなり厄介な事になりかねない。
 しかもこっちの攻撃に対応するとなると、俺も迂闊な攻撃を出来なくなる。
 エナジーウィングも今は効いているが、将来的にどうなるかは分からない。
 バジュラやBETAと似たような学習能力を持つとなると、厄介だな。

『はい。なので、出来るだけ早く双胴艦を倒して下さい。火星に突入するにしても、その隙を狙われると大変ですので』

 その言葉を聞けば、大体情報は出揃ったとしてコミュニケを切ってパイロットスーツへと着替える。

「おう、アクセル。敵は強力だって? 気をつけろよ」
「……早いな」

 格納庫で俺に声を掛けてきたのはウリバタケ。
 ついさっきまでブリッジの側にいた筈だが、もう格納庫に戻ってきたらしい。

「あたぼうよ。こちとら本職だからな。一切手を抜いちゃいねえよ!」

 だろうな。ミロンガ改もミサイルの補給を行ったのをこの目で確認したから、その辺の手腕は心配していない。
 ウリバタケに軽く手を振って、格納庫に臨時で付けられた扉を潜ってコンテナへと向かう。
 二重になっている機密扉だが、こういう時には時間が掛かって厄介だな。
 無重力空間になっているコンテナの中へと入り、そのままミロンガ改のコックピットへと乗り込む。
 そして機体を起動させ、システムチェックをしていく。

「ナデシコ、ミロンガ改、アクセル・アルマー、出るぞ!」

 ブリッジへとそう告げ、コンテナから出撃する。
 そうして最初に見えてきたのは、カトンボと比べて二回り程も大きい双胴艦だった。
 へぇ、これがグラビティブラストの装備艦か。
 どうやって攻撃するかを考えていると、ナデシコからエステバリス5機が出撃してくる。

『アクセル、待たせたか?』
「いや、俺も今来たところだ」

 リョーコの言葉にそう返すと、不意にヒカルが映像モニタに映って笑みを含んだ声を漏らす。

『あらあらあらー? 何だか今の言葉だけを聞けば、デートの待ち合わせのようにも聞こえるよねー? リョーコったら、アクセル争奪戦に参加するのかしら』
『ばっ、馬鹿言ってんじゃねぇっ! それより、来るぞ!』

 その言葉と共に、バッタの集団がこっちへと向かって突っ込んで来る。
 向こうの陣の後方にはチューリップの姿もあるのを考えると、かなりの数のバッタが用意されていると考えるべきか。
 カトンボ、チューリップ、そして何より脅威なのはグラビティブラストを撃ってくる双胴艦。
 バッタよりもこっちの方が脅威度は高いが……

「優先順位はどうする? 純粋に攻撃力という意味では双胴艦が厄介だが」

 グラビティブラストを持つ双胴艦というのを考えると、ぶっちゃけ劣化版ナデシコと言ってもいい。
 いや、劣化版だと決めつけるのはどうだろうな。寧ろナデシコと同性能という可能性も十分にある。
 だとすれば……

『アクセル、双胴艦の方を頼めるか。この部隊の中で一番攻撃力が強いのは、お前の機体だ。あのデカブツをどうにかするのは、ミロンガ改に任せたい』
『ヒューヒュー、愛情という信頼があるのは羨ましいねぇ』
『おらっ、ヒカル! テメエ、ふざけてばっかいるんじゃねぇっ!』

 がーっと、叫ぶリョーコ。
 ……やっぱり恋愛関係で契約書にあったのが影響してるのか、随分とリョーコをからかってるな。
 いや、元々リョーコをからかうのが好きなだけなのかもしれないが。

『装甲のすぐ隣は真空。私はそこに死を見、生を見、そして敵を死へと導く刃となる。……ふざけてると死ぬわよ』
『うわぁ、ハードボイルドぶりっこ』

 イズミとヒカルのやり取りを聞きながら、双胴艦の様子を見る。
 さすがにグラビティブラストの連射は出来ないようだが、それでもこっちがナデシコ1隻なのに対して、向こうは5隻。
 その5隻が一気にグラビティブラストを撃ってくるのも面倒だが、順番に休みなくグラビティブラストを撃たれるというのも厄介だ。
 出来るだけ早くあの双胴艦を潰した方がいいな。

「漫才はその辺で止めておいてくれ。取りあえず、あの双胴艦に攻撃をしてくるから、バッタやチューリップ、カトンボは任せた」
『誰が漫才だよ! ……気をつけてな』
『ヒューヒュー』
『ヒカルゥッ!』

 ヒカルがリョーコをからかうってのは、どうやっても治らないのか。
 いやまぁ、とにかく……

「テンカワ、任せた」
『俺かよっ!』

 実際、この中で一番の常識人って言えばテンカワだしな。
 ヤマダも最近は以前のように猪突猛進とかはしなくなったけど、それでも一般人とは呼べないし。
 何だかんだと騒いでいるテンカワをそのままに、俺はミロンガ改で真っ直ぐに双胴艦の方へと向かっていく。
 当然そうなれば、ただでさえエステバリスと比べて3倍近い大きさのミロンガ改なので目立つ訳で……木星蜥蜴のバッタが突出したミロンガ改へと向かってミサイルの集中攻撃を行ってくる。
 だが、当然のように起動させたジャマーにより、ミサイルは全てがあらぬ方へと飛んでいく。
 ミサイルの効果がないと判断したのか、次にバッタが取った攻撃方法は体当たりだった。
 回避しようと思えば問題なく回避出来たのだろうが、後ろにいるエステバリス組が少しでも楽を出来るようにと……その上でこっちに被害がないというのが分かっていた為、そのまま回避をしないで真っ直ぐにバッタの中へと突っ込んで行く。
 元々バッタはミロンガ改の3分の1しかないエステバリスと比べても、更に小型の機体だ。
 そんなのが体当たりしてきても、当然一番外側にあるバリアのEフィールドすら突破出来ずに跳ね返されていく。
 そんな風にして弾かれたバッタはバランスを崩す。
 そうしてバランスを崩したバッタは、当然すぐにこっちの攻撃に反応出来る訳がない。
 俺の背後から追いかけてきたエステバリス隊が、そんなバッタ達を次々に撃破していく。
 それを見ながら、真っ直ぐに双胴艦の方へと向かう。

「っと!」

 不意に感じた危機感に、エナジーウィングを使って大きく機体を移動させる。
 数秒後、ミロンガ改の存在していた空間を双胴艦から放たれたグラビティブラストが真っ直ぐに貫いていく。
 木星蜥蜴も、どうやらミロンガ改を危険だと判断したらしい。
 けど、残念ながら機動力に優れたミロンガ改をグラビティブラストでどうにか出来る筈もない。
 その後も何度かグラビティブラストを撃ってくる双胴艦だったが、その全てを回避しながら距離を縮めていく。
 勿論木星蜥蜴側もこっちの行動を好きにさせようとする訳ではなく、効果がないと知りながらもバッタでの攻撃を連続してくる。
 で、当然ながらEフィールドにより弾かれ、バランスを崩したところをエステバリスが攻撃をして撃破していく。
 そうして次第に双胴艦との距離が近づき……ミロンガ改の射程内に双胴艦を捉える。
 グラビティブラスト……重力波砲を使える木星蜥蜴の新型だ。出来れば確保しておきたかったが、今は仕方がない。
 ミロンガ改の主武装でもあるビームマシンガンの銃口を双胴艦へと向け……

「死ね」

 トリガーを引く。
 勿論無人機だから命はないんだろうが。
 小型のビーム弾が真っ直ぐに双胴艦へと向かい……

「何!?」

 次の瞬間、双胴艦へと向かって放たれたビーム弾はあらぬ方へと弾かれた……いや、進行方向を強引に曲げられたのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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