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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1292話

 
前書き
設定資料集の方で転生とらぶるのキャラ一覧3を更新しました。
鏡あきらさん、ありがとうございます。  

 
「……暇だな」
「あのね。その言葉、1週間くらい前にも聞いたわよ?」

 ベッドの上で呟くと、近くでファッション雑誌を読んでいたハルカが呆れた視線を向けてくる。
 そう言えば、1週間くらい前にもこんな事を言った記憶があるな。
 でもって何だかんだとVRルームに行ってデートをしたんだったか。
 あの日から1週間程が経つが、ナデシコの中にはまったりとした空気が漂っている。
 相変わらず木星蜥蜴はこっちに向かって散発的に攻撃を仕掛けてきてはいるが、それも既に慣れた状態だ。
 戦闘の出動がある訳じゃなし、どうしてもパイロットは暇になる。

「暇なら、訓練とかしたら?」
「シミュレーターには俺の機体のデータが入ってないし、そもそも入っていても操縦方法がエステバリスとは全く違うからな。もし本当にミロンガ改でシミュレーションをやるのなら、専用の物を開発する必要がある」

 で、それには当然莫大な金が掛かり……それ以前に、もし本気でそんなのを作るとすれば、ミロンガ改を詳細に解析する必要がある。
 プロスペクターやウリバタケ辺りなら、その辺の情報を提供すると言えば作ってくれるかもしれないが……そこまでして、とは思えない。

「かと言って、ナデシコが火星に向かっている状況で宇宙に出て模擬戦ってのもかなり厳しいしな」

 ミロンガ改はともかく、エステバリスは置いて行かれる可能性が高い。
 で、ナデシコに置いて行かれると当然エステバリスの動きは止まる訳で。
 本気で模擬戦をやるのならナデシコを停止させてからやる必要があるが、火星に急いでいる途中でそんな真似が出来る筈もない。
 結果的に、機体を使った模擬戦の類は今は出来ない。
 出来るとすれば……生身での手合わせくらいか。
 IFSはイメージの力が重要なのだから、自分が身体を動かすイメージを強く持てば、それだけ機体の動きは良くなる。
 それを手っ取り早く覚えさせる為には、やはり武術を身につけるのが一番手っ取り早い。
 実際、エステバリス隊の指揮をしているリョーコは生身でもそこそこ強いしな。

「じゃあ機体の改造とか? アクセルの機体って色々と特殊なんでしょ? なら……」
「待て」

 何かを言おうとしたハルカだったが、俺はベッドから降りてその口を掌で覆って塞ぐ。
 そうなると、自然とハルカと身体が密着する事になり、ハルカの身体の柔らかさと、香水でも使っているのか体臭と混ざり合って甘酸っぱい香りが漂ってくる。
 ……それで何かを期待するように俺の方へと視線を向けるハルカだったが、別にこの行為は俺がハルカに欲情したからとか、そういう訳じゃない。
 ただ、この部屋に向かって複数の……10人近い人間が近づいてくる気配を感じ取った為だ。
 いや、それだけであれば別にここまで構える必要はない。
 火星までの道のりは、俺以外にも暇を持て余している者は多い。
 そんな奴等は時々妙な真似をする。
 数日前に行われた、ナデシコの通路を使った鬼ごっことかな。
 だから、それくらいの事であれば俺も気にはしなかっただろう。
 だが、こっちに近づいてくる奴等が殺気立っているとなれば話は別だった。
 まさかネルガルが裏切ったのか? 一瞬そんな考えが脳裏を過ぎったが、火星までもう少しってところで俺を裏切っても、意味はない筈だと思い直す。
 プロスペクターにしろ、ゴートにしろ、エリナにしろ、ネルガル側の意向で動いている者は全員が俺がどれだけの力を持っているのか知っている。
 生身での戦いに関しても、ゴートとの小競り合いに近いやり取りや、サツキミドリ2号で行われたエステバリス隊との生身での戦いでどれだけのものかは知っている筈だ。
 である以上、ネルガルが迂闊な行動を取るとは思えず……
 そんな風に考えていると、ハルカが俺に身体の柔らかい部分……主に、凶悪な破壊力を有する双丘を押し当ててくる。

「じゃなくて、今はそんな事をしている場合じゃないから、落ち着け。……いいな? 騒ぐなよ?」

 最後の言葉だけを聞けば、まるで俺がハルカを襲っているようにすら聞こえてもおかしくないな。
 ハルカが頷いたのを確認して手を離すのと、部屋の来客用ブザーが鳴るのはほぼ同時だった。
 これでハルカも、俺が何を警戒していたのかを悟ったのだろう。真面目な表情を浮かべ、無言でこっちに視線を送ってくる。

「少し待ってろ」

 そう告げ、誰が来たのかを確認する為に扉の近くにあるモニタを起動する。
 すると、そこに映し出されたのは……ウリバタケ? いや、ウリバタケだけではない。リョーコやヒカルといった面々に、整備員の者達。後はナデシコで働いている者達も何人か。
 ……どういう集まりだ?
 疑問に思いながらも、そのモニタに向かって声を掛ける。

「何の用件だ? 妙に殺気立っているように見えるけど」
『ああ、ちょっと見逃せない事が起きてな。それに、アクセルも協力して欲しいんだよ』
「……見逃せない事?」

 言葉を返しながらも、別に俺に対して害意を持っているって訳じゃないのはすぐに判明したので、扉の鍵を開ける。

「おう、悪いな。ちょっと話をした……く……て……」

 何故かウリバタケが言葉の途中で止まる。
 いや、それはウリバタケだけではない。リョーコやヒカルといった、他の面々も同様だった。

「どうした?」
「どうしたじゃねぇっ! おまっ、お前! 何だって部屋に女を……それもハルカちゃんのような美人を連れ込んでるんだよ! お前みたいなのがいるから、格差社会がだな!」
「ちょっと、ウリピー。今はそういう事を言いに来たんじゃないでしょ? アクセルの協力を得るために来たんだから、その事を忘れないでよね」
「いや、だってようヒカルちゃん……」
「ほら、いいから入る入る。……リョーコ? どしたの?」
「……あ? え? ああ? え? うん、いや、何でもない。大丈夫だ。問題ない」

 慌てた様子のリョーコだったが、特にそれ以上は何を言うでもなく首を横に振る。
 そんな一行だったが、全員が俺の部屋に入る訳にもいかず、ウリバタケ、リョーコ、ヒカルの3人のみが部屋に入り、他の面々は部屋の外で待つ事になった。
 俺の部屋はそれなりに広いが、漫画とか小説とか、そういうので結構埋まってるしな。
 ハルカが結構な頻度で片付けてくれてはいるが、それでも量が量なので、どうしても部屋が狭くなるのは仕方がない。
 空間倉庫を使えれば話は別なんだろうが、そんな真似は出来ないし。

「で、結局お前達は何しに来たんだ? わざわざ漫才でも見せに来たのなら、間に合って……」
「ちょっとアクセル。暇してたんでしょ。なら、丁度いいじゃない。漫才を見せて貰いましょうよ」
「……そうだな。折角来てくれたんだし、漫才を披露して貰おうか」
「違う! 俺達は別に漫才をしにきたんじゃねえ! お前に協力して貰いたい事があって来たんだよ!」

 ウリバタケが叫ぶと、何やら紙を俺の方へと見せる。
 良く見ると、その紙はネルガルとの契約書だった。

「ここだ、ここ。ちょっと見てみろ」

 ウリバタケが示しているのは、契約書の最後に他よりも小さな文字で書かれた一文。
 簡単に言えば、男女交際はしてもいいけど手を握るまでって事か。

「……ま、しょうがないだろ。ネルガルとしては」

 俺の口から出た言葉に、ウリバタケが信じられないといった表情を浮かべ、叫ぶ。

「おいっ、お前本気でそれでいいのかよ! 大体、こんな一室で女と一緒にいて、それでこの契約守れるのか!?」
「別に守る気はないしな」
「は?」
「ようは、人前でそういう行為をしなければいいだけだろ。ぶっちゃけ、誰にも見えない場所でそういう行為をすれば見つかりようがないんだから」

 まぁ、俺の場合は部屋を監視されている可能性が高いけど、ネルガルも俺に無茶を言って出て行かれたり暴れられたりしたら困るのは間違いない。
 何だかんだと、この一文はあってないようなものだと思うけどな。
 実際、木星蜥蜴との戦闘が行われれば、男にしろ女にしろ、人肌を求めるというのは止めようもない。
 特に戦闘の最前線に出ているエステバリス隊のパイロットや、ブリッジで戦闘の成り行きを直接その目で見ているメンバーはその傾向が強いだろう。
 プロスペクターだって、その辺はきちんと理解している筈だ。
 だとすれば、この一文はあくまでも形式的なものと考えるのが自然だと思うんだが。
 そう説明すると、パイロット勢は納得した表情を浮かべたものの……

「ちょっと待った。それじゃあ俺達整備班はどうなるんだよ!」
「さぁ?」

 ぶっちゃけ、そっちまで考えが及んではいない。
 ただ、別にあの契約書はパイロットや整備員とか、そういう風に分けている訳じゃないと思うから、多分大丈夫だとは思う。

「もっとも、人前でイチャついたりは出来ないってのは、特定の人には痛いかもしれないが」

 ヤマダとかメグミとか。
 あの2人、普通に人前でイチャつくんだよな。
 正直、それはどうかと思う。……まぁ、俺が言えた義理じゃないだろうが。

「なぁ、頼むぜアクセル。お前、ネルガルに顔が利くだろ? その辺でどうにかしてあの契約の文章を削除するように交渉してくれないか?」
「そう言われてもな。多分人前で……」
「だ・か・ら!」

 ウリバタケが俺の言葉を途中で遮り、力を込めて叫ぶ。

「俺は! 人前で! 女の子と! イチャつきたいんだ!」

 まさに魂の叫びと呼ぶに相応しいだけの声。
 ……何がそこまでウリバタケをここまで走らせるのやら。
 いや、考えるまでもない。女か。
 だが、そんなウリバタケに比べるとリョーコやヒカルの方は、俺の部屋に来た時と比べると随分テンションが下がっている。
 パイロットとかの恋愛は黙認されるって話をしたからだろう。……リョーコもそっちに興味があったってのは少し驚きだが。
 何だかんだと、恋愛関係には疎いと思っていたんだけど。

「うーん、でも確かにそうねぇ。人前でアクセルとイチャイチャ出来ないってのは、ちょっと困るわ」

 ハルカが何か言ってるが、取りあえずその声に関してはスルーしておく。

「……分かった。もうお前には頼まねえ。その代わり、俺達が行動に起こした時に邪魔をしたりもするなよ。いいな!」

 ウリバタケがそう告げ、出て行く。
 俺の部屋が監視されている可能性が高い以上、ここでそんな迂闊な事を言えばすぐに対策されると思うんだけどな。
 その辺、どう考えているのやら。……いや、監視されてるってのを知らない可能性は十分にあるか。
 それにしても、サツキミドリ2号を発ってからもう2週間。……そろそろ火星に到着する頃なんだし、そっちの準備をしておいた方がいいと思うんだが。
 今までこっちに散々様子見に散発的な攻撃をしてきたんだから、恐らく火星に到着すれば木星蜥蜴のお出迎えがある筈だろうし。
 出来れば火星で木星蜥蜴のバッタやチューリップ、カトンボを何機かずつゲットしておきたい。
 ただ、それをする為にはコミュニケを外してから行動する必要があるんだよな。
 その辺を考えると、どうしてもチャンスがない。

「じゃ、ウリピーも帰ったし、私達も帰ろっか。……ミナトさん、お邪魔しちゃってごめんね」
「いいのよ。またいつでも遊びに来て頂戴」

 何故かヒカルに対して、ここが自分の部屋でもあるかのように告げるハルカ。
 もっとも、俺の部屋は暇潰しの場所と考えればかなりの代物だ。
 漫画や小説とかかなりの数置いてあるしな。
 そういう意味でヒカルが来る可能性は十分にある、か?

「うーん……色々と面白そうな漫画はあるけど、基本的に今風のだけなんだよね。出来れば、一昔前の……ゲキガンガーみたいな作風の奴が見たかったんだけど」

 ここにもヤマダに感染してる奴がいたのか。

「残念だけど、ああいうのは俺の趣味じゃないからな。それに、ここの本はサツキミドリ2号で売ってる新刊を買い漁った物だから、どうしても今風の奴になるのが多いんだよ」
「ふーん。……あ、そだ。今度私の持ってる本貸してあげよっか?」
「ゲキガンガーとかじゃなければな」
「えー、面白いのに。ねぇ、リョーコ。……リョーコ? ちょっと、どうしたの?」

 何故か固まっているリョーコに対してヒカルが話し掛け、反応がないと見るやそっと揺する。

「おわぁっ! な、何だよ! 別にあたしは何もしてねえぞ!」
「それは分かってるけど……あー、そっか。リョーコって男の人の部屋に入ったの初めてなんでしょ?」
「べっ、べべべべべべ別にそんな事はねえぞ!」
「ドモってる、ドモってる。図星だった?」
「だから、そんなんじゃねえって! ほら、行くぞ!」

 そう告げ、ヒカルを引っ張って部屋を出て行くリョーコ。

「あらあら、随分とウブよね。可愛いわ。食べちゃいたいくらい」
「……ハルカ……」
「何よ、私がそっちもOKなようにしたのは、アクセルでしょ? エリナとか」

 そう言われてしまうと、こっちとしても……
 そんな風に思っていると、急に映像モニタに艦長が映し出される。

『アクセルさん! ……あ、ハルカさんもそこにいたんですね! 良かった……』

 俺を見て安堵の表情を浮かべる艦長。
 何かあったのか? と疑問に思うのと、ハルカが口を開くのは同時だった。

「どうしたの、艦長?」
『は、反乱です!』

 俺の部屋に、艦長のそんな声が響き渡るのだった。
 おいおい、幾ら何でも動くの早過ぎないか? 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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