FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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200話記念
前書き
今回のお話は完全なお遊びです。
本編に全く関係ありません。作者がやりたかっただけですので悪しからず。
「祝200話到達!!」
「「「「イェーイ!!」」」」
シリルの言葉に拍手をし、盛り上がっているのはレオン、ソフィア、タクト、グラシアンの四人。
「・・・ちょっと待て」
「なんですか?」
そんな盛り上がっている空気に水を差すように待ったをかけたのは、深紅の髪をした男、カミューニ。
「この話は202話目だろ?つーか100話の時に何もしなかったのになんで今回は―――」
「永久凍土」
「ごはっ!!」
気になったことを突っ込もうとしたカミューニ。しかし、それをそばにいたレオンがパンチ一つで強制的に終わらせる。
「オリキャラ紹介を除くと丁度ここが200話目なんですよ」
「ついでに言うと、本当の100話目は『友の声が聴こえる』だということに最近気付いた」
「ずっと『エルザvs.ジャックポット』だと勘違いしてたよね」
タクト、グラシアン、ソフィアが顔を見合わせながらそう言う。
「それに100話目の時は『無限時計編』の真っ只中だったからな。300話目がどうなってるかわからないし、今は日常編だから、殺るなら今しかないということだ」
「そこは怖く言うなよレオン」
ドス黒い笑みを浮かべながら、説明するレオン。シリルが彼の言葉のおかしなところに突っ込みを入れている。
「そ・・・それはいいが・・・だったら台本形式でいいんじゃないか?ただの雑談みたいな気がすっし」
殴られた腹部を擦りながら、口から血を流しつつ立ち上がるカミューニ。
「最初はそうしようかとも思ったが、やっぱりやめたんですよ」
「なぜ?」
「最近マンネリ化が否めないから、ここらで流れを変える練習をしたいらしいよ」
「その結果、台本形式ではなく普段通りのストーリー形式でやることにしたそうですよ」
カミューニの疑問にシリル、ソフィア、タクトが順を追って答えていく。
「だったら普通にオリジナルのストーリーやれよ・・・」
「それだとつまらないじゃん」
「あと好きだった漫画が100話とかでこんな感じのことをやってるから、自己満足的にはいいらしい」
頭を抱えながら率直な感想を述べるカミューニ。それに対しグラシアン、レオンが事情を説明していく。
「ところでさ・・・この話はこのまま会話するだけなの?」
いきなり突っ込みへと転じたシリルに、隣にいるレオンが答える。
「いや、今回は『FAIRYTAIL』内ではあまり見られないけど、他の作品等で見られるベタな話をやりたいらしい」
「だったらオリジナルストーリーを作れ!!」
「一話作れるほど長い話ができなかったそうだ」
もっともなご意見のシリル。興奮しつつある彼をグラシアンが宥めている。
「ベタな話ってどんなの?」
珍しくまだシリルに飛び付いていないソフィア。彼女が具体的な案を周りの男連中に聞いてみる。
「中身が入れ替わるとかか?」
「チェンジリング!!」
最初に解答したのはカミューニ。だが、アニメ版でそんな話をやったことがあるためシリルに拒否される。
「子供になるとかは?」
「退化ノ法!!」
続いて答えたのはタクト。だが、それも似たような魔法が今後出てくるため却下である。
「記憶喪失ネタか?」
「ジェラールでやってる!!」
グラシアンが続けざまに答えてみるが、六魔将軍の時にジェラールが単体でなっているためこれまた断念。
「朝起きたら女の子になってるとかは?」
「「「シリルだけで十分!!」」」
「いやそれ違うから!!」
ソフィアがワクワクしながら提案してみると、恐怖を感じた男性陣が素早く距離を取る。
「俺は男だから!!朝起きて女の子になってたこととかないから!!」
「生まれたら女みたいになってたけどな」
「うるさいうるさいうるさ~い!!」
ポカポカとレオンを叩くシリル。ただし本気では殴ってないので、レオンは反撃もしないし痛がる素振りも見せない。
「で、結局どうするの?」
「この中から何か一つやればいいんね?」
グラシアン、カミューニがそう言うと、突然ソフィアがシリルに抱きつく。
「ひゃっ!!」
思わず悲鳴にも似た声を出すシリル。それを聞いたソフィアは満足気な表情で彼の体をまさぐり始める。
「だったらやっぱり女の子になろうよ!!レズって絵になるし!!」
「や・・・やめ・・・」
体を密着させるソフィア。シリルは逃げようにもガッチリホールドされているため、身動きが取れない。
「お前は女が好きなだけだろ?」
「・・・バレたか」
「むしろバレないと思ってたのか!?」
普段から変態ぶりを見せているソフィア。それでも隠し通せているとでも彼女は考えていたのだろうか。カミューニは驚きを通り越して呆れてしまっている。
「記憶喪失だったら一番分かりやすいんじゃね?」
腕組みしているグラシアンが次の案を提案する。だが、ここである問題が発生。
「記憶なくしてもこの面子じゃ戻せないと思いますよ?」
個人的にではあるが、記憶喪失は誰か大切な人が何かしらの行動をすることにより戻ってくる印象がある。だが、今ここにいるのはオリキャラたちのみなため、それができない気がするのである。
「入れ替わりならチェンジリングにアレンジ加えりゃいけんじゃねぇ?」
「やだ!!」
カミューニの意見をすぐさま否定したのはシリル。その理由は・・・
「ソフィアが入った人が大変なことになりますよ」
「「「「あぁ~」」」」
ソフィアは女の子だから辛うじてセクハラしても許される。しかしソフィアがレオンやカミューニに乗り移ってしまった場合、それは完全にセクハラ行為になるため捕まってしまう。
「大丈夫!!その時はシリルちゃんにしか抱き付かないから!!」
「「「「だったらシリルに入りたくねぇよ」」」」
何が大丈夫なのか全くわからなかったソフィアの意見。むしろ入れ替わりをますます困難にする意見だったとは気付かなかった様子。
「じゃあ子供になるのが一番安全じゃない?」
手をあげて最後の意見を述べるタクト。しかし、それにあるものが真っ先に首を振っているのである。
「どうしたの?ソフィア」
首を振ってなぜか泣きそうな顔をしているのは銀髪の少女ソフィア。それに気付いたシリルは不安げな少女の顔を覗き込む。
「そ・・・ソフィアの子供の頃は見せたくない・・・」
(((((一体どんな子供だったんだ?)))))
頭を抱えてしゃがみこむソフィア。それを見た男たちは過去の彼女がどんなものだったのか、非常に気になっていた。
「じゃあソフィアだけ外して子供になってみる?」
「それだとハブられたみたいでなんかやだ」
シリルがしゃがみこんでいるソフィアに目線を合わせそんな提案をしてみるが、それはそれで嫌だと答える少女。
「わかった。なら俺にいい案がある」
「「「「「?」」」」」
すると、ここまで何も意見を述べずに黙っていた金髪の少年が、腕組みをしながら全員を見回す。
「朝起きたら女の子・・・記憶喪失・・・入れ替わり・・・子供になる・・・これならなんとかなる案があるよ」
「え?」
冷静な表情でそう言うレオン。しかし、周りにいるシリルたちにはその言葉の意味が全くわからない。
上記のベタなストーリーにはこれといった共通点もないため、全員の意見を反映することなど果たしてできるのだろうか。
「この四つならってどういうこと?」
「他の意見はダメなのか?」
ソフィアとグラシアンが問い掛けてみる。すると、レオンは軽く首を振ってから言葉を発する。
「いや・・・別になんでも大丈夫だけど、あんまり多いと面倒なことになるからね」
「おま・・・まさか・・・」
それを聞いた瞬間、カミューニが彼のしようとしていることを察した。そして、発案者である少年は口角を上げる。
「簡単だ。全部混ぜてみればいい」
「「「「えぇぇぇ!?」」」」
というわけで、彼らが提案してくれたありがちな設定をすべてまとめたものを、シリルとカミューニでやってみようと思います。
※シリルとカミューニが兄弟設定です。
二人は一緒に住んでいる設定です。
このストーリーは本編に全く関係ありません。ただ作者がやりたいだけです。
それでは、どうぞ。
――――――
「んん・・・」
朝日を浴びて目を覚ました水色の髪をした少年。彼は体をほぐすために大きく伸びをすると、フゥッと一息吐いてからベッドから立ち上がる。
少年は部屋にかけられたバスタオルを手に取ると、寝癖がついた頭を直すためなのか、お風呂場へと駆け降りていく。
脱衣所についた彼は扉を閉めると、着ていたパジャマを上から順に脱いでいく。そしてズボンを脱ぎかけたところで、あることに気付いてしまった。そう・・・あるべきものがないことに。
「ぎゃああああああ!!」
何が起きたのかわからず叫ぶシリル。その声を聞いた赤髪の青年が、ドタドタと脱衣所へとやって来て勢いよく扉を開ける。
「どうした!?何かあったのか!?」
「ひゃっ!!」
突然扉を開けられ驚いたシリルは咄嗟にタオルで体を隠す。その不自然な動作にカミューニは首をかしげ訝しげな表情を浮かべている。
「なんで体隠した?」
そっちょくな疑問。二人はこの話では兄弟であるため、同性である相手に体を見られても何ら問題はない。なのに、今のシリルはバスタオルで懸命に体を隠しており、明らかに不審な態度を取っている。
「お・・・起きたら女の子になってたの!!」
「何!?」
ベタなストーリーその一『朝起きたら女の子になっている』
「服脱いだらあるべきものがなかったんだよ!!」
「そんなことがあるわけねぇだろぉ!!」
恥ずかしそうにしているシリル。カミューニは彼が冗談を言っているのだと思い確認しようとも考えたが、もし本当だったらそれはそれでまずいと思い、なんとか思い止まる。
「ん?」
すると、次にある違和感を覚えたカミューニは、少年の姿がじっと見つめている。
「な・・・何?」
なぜこんなにジロジロと見られているのかわからないシリルは、ススッと後ずさりしつつ青年の反応を待つことにした。
「お前・・・なんか今日小さくないか?」
「え?」
言われてみて、全身を確認軽く見回してみる。確かに心なしかいつもより全身が細く、小さいように感じる。さらには周りのものも普段の位置よりも高くあるように感じる。つまり・・・
「まさか俺・・・子供の姿になってるのか!?」
ベタなストーリーその二『子供になる』
「お前一晩で一体何したんだよ!!」
「し・・・知らないよ!!こっちが聞きたいんだけど!!」
ギャーギャーと言い争っている二人。しかし、少年は自分の体を見ていると、どんどん青ざめていく。
「大丈夫か?寒いのか?」
朝シャンするために服を脱いでいたシリル。そのせいで体温が下がっていると考えたがカミューニが心配して声をかける。しかし、少年が青ざめている理由は別のことだった。
「こ・・・これは俺の体じゃない!!」
「はぁぁぁぁ!?」
ベタなストーリーその三『中身が入れ替わる』
「いやそれ女の子になってるからじゃねぇのか!?」
「違う!!それを差し引いてもこれは俺の体じゃないよ!!」
女の子になり、さらには子供になっている状態のシリル。そのせいで普段とは別の体と感じているのではないかと確認してみるが、少年は首をブンブンと振ってそれを否定する。
「じゃあお前は一体誰なんだよ!!」
中身が違うならシリルはその入れ替わっている人物の中にいるはず。ならば何かアクシデントが起きる前に二人を元に戻さなければならない。そう考えたカミューニはシリルの中の人物の名前を聞いてみる。
「えっと・・・えっと・・・」
顎に手を当て考え込んでいるシリルの中の人物。しかし、なぜこの状況で自分の名前を名乗らないのか青年は全く理由がわからず、眉間にシワを寄せている。
「おい!!なんで名乗らねぇんだよ!!」
しびれを切らして怒声を上げる深紅の髪の男。少年はそれを聞き、呆然としながら答える。
「俺・・・誰だ?てかここどこ?」
「カオス!!」
ベタなストーリーその四『記憶喪失』
ということで、終了。
「レオンお前ふざけんなよ!!」
「入れ替わりと記憶喪失混ぜたら大変なことになんだろうが!!」
ベタでも何でもない話をやらされたシリルとカミューニ。二人は掴みかかるのではないかというほどの勢いでレオンへと迫る。
「混ぜるな危険」
しかし、レオンは至って冷静そのもの。普段通りの飄々とした佇まいで目の前に迫ってきている二人を押し返している。
「いいなぁ・・・シリルちゃんの裸見れて」
「お前は妙なことを口走るな」
指を食わえてカミューニを見つめているソフィアとその隣で彼女の頭をこつくグラシアン。
「てかこれ・・・遊びすぎじゃないですか?」
このやり取りを見てさすがに度が過ぎていると感じたタクト。
「いいじゃんか一話くらい遊んだって。200話記念だし」
「そ・・・そう言うことにしておくか・・・」
ニヤッと笑みを溢すレオン。周りのメンバーもなんだかどうでもよくなったみたいで、呆れながらも納得していた。
「ではこういうことで今回はお開きです。作者の遊びに付き合っていただいた方、ありがとうございました」
「最後の締めは主人公の俺だろ!?普通!!」
ペコリと一礼したレオンの横で納得いかない表情を浮かべているシリル。もうどっちが主人公なのか、ソフィアたちもどうでもよくなっていたのだった。
後書き
いかがだったでしょうか?
本当はACMAGAMEみたいな感じにしようかと思いましたけど、シリルにどんな恥ずかしい言葉言わせればいいか思い付かずにやめました。でもどこかのタイミングでやれればと狙ってたりしますが(笑)
次回は普通に日常編に戻ります。
FAIRYGIRLSから一話抜粋してやらせていただきます。
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