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Moreもっと恋して

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第三章

「また今度になったわ」
「そうだったのね」
「そう、けれどお母さんは誘ってるから」
 今もだ。
「何時かはね」
「コンサートにも行くのね」
「そうするわ、あとファンレターも書いてるから」
「あら、そっちもなの」
「まだ一通目を書いてる途中だけれどね」
 これからも書くつもりだ、そちらも。
「それでファンクラブも入ったわ」
「徹底してるわね」
「いや、親衛隊の人と比べたら」 
 それこそだ。
「こんなものじゃないから」
「あの人達はね」
「そう、だからね」
「まだまだなのね」
「もっともっと燃えるわ」
 実際に燃えていた、私は。
「それで親衛隊にも入るわ」
「何か凄いことになってきたわね」
「だって好きだから」
 マッチをだ。
「こんなものじゃないわよ」
「本気ね」
「そうよ、本気よ」
 それこそだ。
「私やってやるわ」
「それでコンサートにも行くのね」
「そうするわ」
 お母さんと一緒にだ、そうしたことを話してだった。
 私はマッチの応援を続けた、もうマッチが好きで仕方がなかった。けれどこうしたことをしていってだった。
 気付けば私は周りをマッチのグッズで支配していた、学校でもマッチの話ばかりしていた。
 その私にだ、先生が笑って言って来た。
「本当にマッチ好きだな」
「大好きです」
 先生にもはっきりと答えた。
「本当に」
「そうだな、いいことだ」
「いいことですか」
「そうして好きになってな」
 それでというのだ。
「人は大きくなるんだよ」
「あの、そう言いますけれど」
 私はその目をむっとさせてだ、先生に返した。
「先生達って」
「俺達は?」
「私達が付き合ったりしたら怒りますよね」
 あえてこのことをだ、先生に問い返した。
「そうですよね」
「当たり前だ、御前等まだ中学生だぞ」
「そうしたことは早いっていうんですね」
「そんなことは大人になったら幾らでも出来るんだ」
「中学を卒業したらですか」
「まあ高校になれば幾分緩やかになるか」
 そうした交際のことはというのだ。
「学校によるけれどな」
「そうなんですね」
「けれど中学の時はな」
 つまり今はというのだ。
「早いからな」
「それでなんですか」
「俺達も止めてるんだよ」
「有り難迷惑です」
「今は恋愛を勉強しろ」
 ここでだ、この先生はこんなことを言って来た。
「マッチを応援してもいいからな」
「マッチの応援はいいんですか」
「アイドルの応援はどんどんやれ」
 それはいいというのだ。
「マッチは幾らでも好きになっていいぞ」
「それはどうしてですか?」
「実際には付き合わないからな」
 だからだというのだ。
「だからいいんだよ」
「付き合わないから」
「それでいいんだよ、しかしな」
「しかし?」
「実際に誰かと付き合う様になるにはな」
 それにはというのだ。 
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