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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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ED.犠牲にしても守るべきもの

誰でもシンデレラや白雪姫になりたいものです。
ただしドレスが好きな人に限ります。
女の子は誰でもドレスが好きですって?
まさか・・・そんなことありませんよ。
例えば、死神の名を持つ女性とか。

「恥ずかしい・・・見るな・・・
私はドレスなんか着慣れていないし、着たくもない。」

「似合ってるわよ、ウェディングドレス。」

「完璧ですわ。ミーティアのドレスを貸して正解でしたわ。
なんでそんなに嫌がりますの?」

「ドレスだと蹴りが出来ないからだ!!」

ドレス嫌いの言い分ですね。
蹴りをしたがる女性はそれで嫌ですが、ドレスを嫌がる女性は可愛いですね。
しかもウェディングドレス。
恥ずかしがるように見えますから。

「次はあなたって言ったじゃない?
でも旦那さんがマルチェロだなんて物好きね。
イヤミハゲで金好きだなんて・・・・・・」

「あら、弟想いのいいお兄様ではありませんか」

「「兄想い!?」」

さすがのクロノスも否定しました。
旦那さんがマルチェロなら仕方ありませんね。
でもクロノスを妻にするマルチェロも素晴らしい奴です。
何故ならクロノスは・・・・・・

「Cカップね」

「だから見るな!!」

まあ胸のサイズにこだわるのはゼシカとククールです。
放っておきましょう。
日本人平均サイズはBですからね!!
それにしても気になるのは結婚に至るまでの経緯ですが、マルチェロが積極的でした。

なんとあの生き返りの感動シーンのあとに四人がいる中、マルチェロがまさかのプロポーズ。
公開プロポーズができる奴、はじめて見た。
しかもクロノスの返事は平手打ちでした。
正直に言いますが、マルチェロはそれはそれは色気ムンムンで普通の女性ならイチコロでした。

「私と結婚してくれないか」

「「「「は?」」」」

「マルチェロ、ククールにでも焼かれ目を覚ましてこい!!」

公開プロポーズを平手打ちで始末できる女性はかなりレアです。
プロポーズなんてクロノスにはいらないんでしょう。
ククールみたいな馬鹿を見ていたから。
口先だけは嫌なんでしょう。

「だからって、薔薇の花束を持ってくる奴がいるかしら。
・・・ククールより似合いそうだけど」

「似合いすぎて引いたよ。
かっこよすぎてお嫁さんごっこしていた子が泣くレベル。」

「かっこいい旦那さんなんてうらやましいですわ」

いいのか?
かっこよすぎて自分との差を感じさせられ泣かされるような旦那さんが?
顔だけで泣かすだなんて罪作りです。
ククールが口先でいう以上に!!
口には言わなくても悩むクロノスとゼシカ。
いいんですかね。



















「オレの兄貴~!!
結婚おめでとう!!
メラガイヤー放ってもいいがマホカンタ済みだ!
その衣装が燃えちまうぜ?」

「問題ない。私もマホカンタ済みだ。


「そういう問題ではないと思いますが・・・・・・」

ククール、エイトは笑いながら勝手に控え室に入りました。
楽しそうな雰囲気がマルチェロだけブラックオーラです。
黒が似合うマルチェロが白を着ると変わってみえます。
本当は法皇の際に着た服をククールが着せようとしたのですが、法皇はお前だろククール、という鋭いツッコミから灰になりました。
ゼシカの火により服まるごと粉々です。お約束ですね。

「それにしても処女一過ぎの兄貴が花婿になるなんて・・・・・・
しかもマイエラ修道院院長のマルチェロさんが、元マイエラ修道院団員クロノスと熱愛!!
一見したらヤバいな。あ、溺愛か。」

「あぁ・・・だよね。
マルチェロさん、デキちゃった結婚しちゃったぐらいですからね」

「え?」

マルチェロが額に手を当てククールの視界から離れていきました。
しかしまぁ、デキちゃった結婚おめでとうだなんて口が裂けても言えません。
相手がマルチェロですから。

「いつ気づいた。」

「ここに来た時にマルチェロが嫌なぐらいクロノスをお姫様扱いしていたから。
それだけなら新婚さんだと思いますけど、段差の場所から小石の除去までしてましたから。
お姫様抱っこ始めるんじゃないかとドキドキしましたよ。」

「それだけか。」

「まさか、マルチェロ院長。
あなたがクロノスのお腹を擦っているのが見えましたから。」

ナイスエイト。
その通りにマルチェロとクロノスの様子から推測ができます。
マルチェロも手が早いですね。
エイトでも恐ろしいでしょうに。ゼシカに妊娠させたら・・・・・・

「なあ、兄貴。聞いていいか。
クロノスを蘇らせるのに何を犠牲にしたんだ?
何も犠牲にしないなんて出来ないだろう」

「貴様には関係無い。
それを知って何をするつもりか。真似か?」

「・・・違いますよ。
まあ言わなくてもいいですよ。予想はつきます。
彼女の本名とマルチェロさんとクロノスの魔力。
だからあれからMP技をしないんですよ。ゼシカに燃やさせて・・・・・・
対価にしては足りませんが、腐敗していない身体に魂を繋ぐだけなら足りますよね。」

「本名?なんで・・・それが大事なんだよ」

「貴様は何のために法皇をしているんだ!!
さっさとやめてしまえ!!」

「あはは!!
やっぱり楽しいな、兄弟は。
本名を教えるってね、魂の欠片を持たせるようなことなのさ。
その本名を捨てるって凄いことだろ?
ましてや彼女は本名を知らないんだ。
クロノスは本名なんかいらないだろうけど。
マルチェロ院長・・・ぐらいしか知らないんじゃないかな?」

マルチェロは冷ややかな笑みで見つめました。
誰に教えてやるものか、という笑みです。
微笑むエイトはマルチェロの口許を見てしまいましたが、それ以上何も言いませんでした。













「誰がはなしてなるものか。
アテナか・・・クロノスの方がよく似合う。」








 
 

 
後書き
かな~~~り気になるマルチェロのEDの際の職業やまだ語られていない謎など・・・
とりあえず次のあとがきで 
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