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戦国異伝

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第二百四十七話 待つ者達その八

「そういうことじゃ、ではな」
「はい、それではですな」
「我等はそれぞれ為すべきことをしよう」
「これからは」
 こうしたことを話してだった、そのうえで。
 今川家の父子は共に茶と菓子も楽しんだ、そうしたのだった。
 一ノ谷で勝った信長は祝いの宴をさせた後でだった、その四十万の兵をさらに移した。その場所はというと。
 岡山だった、改築し大きくさせた岡山城に入ってだった。
 そうしてだ、信長は城内で幕臣達に言った。
「ではこれより幕府はな」
「はい、魔界衆をですな」
「さらに追い詰め」
「そして倒す」
「そうされますな」
「そうじゃ、次の戦でじゃ」
 まさにというのだ。
「あの者達を完全に倒すぞ」
「わかりました」
「はい、それでは」
「次こそはです」
「魔界衆を完全に滅ぼしましょう」
「何があろうとも」
「そうする、しかしじゃ」
 ここでだ、信長はこうも言った。
「全ては魔界衆を見付けてからじゃ」
「ですな、まずはです」
「何処に逃れたか」
「そしてそこでどうしておるか」
「そこからですな」
「おそらくこの瀬戸内の島の何処かに隠れてじゃ」
 そうしてというのだ。
「傷を癒しておる」
「次の戦の為に」
「そうしていますな」
「そしてそのうえで」
「奴等もですな」
「戦いを挑んできますな」
「そうする為にじゃ」
 まさにというのだ。
「傷を癒しておるわ」
「では我等は」
「あの者達を早く見つけ出して」
「そして、ですな」
「討つ」
「そうしますか」
「十勇士と飛騨者とじゃ」
 信長は忍の者達の名も出した。
「孫八も出しておるが」
「それがしもです」
 滝川も言って来た。
「甲賀者を出しています」
「そうしておるな」
「はい、拙者もまた」
 今度は徳川家の中から服部が言って来た。
「手の者達をです」
「そうじゃな」
「そうしております」
「ではじゃ」
 ここまで聞いてだ、信長は言った。
「見付かる」
「必ず、ですな」
「あの者達の居場所が」
「何処におるのか」
「わかる、安心して待とう」
「それでなのですが」
 ここで言って来たのは鶴姫だった。
「瀬戸内のことですが」
「島が多いな」
「はい、ですから」
「一つ一つをじゃな」
「しっかりと調べていかねばなりませんが」
 瀬戸内の島々をというのだ。 
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