黒を纏う聖堂騎士団員
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22.クロノスのペンダント
「オディロ院長、その子は・・・・・・」
「マルチェロよ・・・この子の名はクロノスじゃよ。
これからここで過ごすことになる。」
「えっ・・・あの、その子は女の子ですが。」
オディロ院長は微笑みました。
腕の中で眠る少女は、これから先を知らぬままに。
「大丈夫じゃよ。ククールとなかよくできるはずじゃ。
それにクロノス・・・意味は・・・」
長かったようで短い夢から覚め、クロノスは辺りを見回しました。
パルミドに飛んでからしばらく、記憶がないため情報収集を始めようとする点がマルチェロ似です。
まあ、誰でもしますか。
冷静な点が、に言い換えます。
クロノスはいきなりミーティア姫が見えたため、驚いて叫びました。
「馬姫さま!?ってもう馬じゃない。
ミーティア姫?まさかここはトロデーン国・・・」
優雅なベッドに納得したクロノスでしたが、それもつかの間。
マルチェロが心配になりました。
一応指名手配中の犯罪者です。
「マルチェロ様なら大丈夫ですわ。
部屋の前で警備中ですから」
クロノスが寝ているなか男を入れることに反対したエイトが、マルチェロを追い出しミーティア姫に頭を下げたようです。
そのため、マルチェロが門番になりました。
「城の兵は?」
「今は治安維持のため、あらくれを討伐中ですわ。」
クロノスはミーティア姫に驚いた顔を見せました。
(トロデ王がわざわざ兵を追い出したのか。
あの王は相変わらず凄いな。)
どこぞの丸い王子とエロ王に比べたら断然いい男ですよ、トロデ王は。
まあ、多分ですが。
クロノスはミーティア姫にマルチェロを部屋に入れるように頼みました。
するとミーティア姫はマルチェロ以外の人物まで部屋に入れました。
「エイトにククールまで・・・ゼシカ!!」
「もー、連絡聞いて慌てて来たのよ!!
エイトは捕まるし、ククールは誇大妄想教に成り果てたし」
「なってないさ。
ちょっと信者の女性の心を一気に手にしただけで」
「あはは、クロノスが全然理解してないよ。
聞いてよ、クロノス。
ククールが法皇になりやがった~はげあがった~」
「あぁ・・・世も末だな。貴様なんぞめでたくもない」
状況を整理すると、ククールがヤバくなった。
クロノスはそれだけにおさめておきました。
法皇だなんて誰も信じません。ククールだから。
「クロノス、悪いけど至急話があるんだ。
マルチェロと君がいたときの話と、僕らの話。」
あぁ・・・煉獄島フラグを立たせておきながら、このまま行きそうにありませんね。
とりあえず、順番にあった出来事や手にした情報を話していきます。
エイトとゼシカが手にした情報、マルチェロと女とのやり取り、そしてククールが法皇になるまでの話。
「なるほど。一番の謎はククールが法皇になったことだな。」
「なぁ!?だからニノをちょっと脅しただけだってば!!」
「卑怯なやつめ。まあいい手段ではある。
自らは汚さない。基本はそこにある。」
「ちょっと、イヤミが言うとリアル過ぎるわ」
シリアスシーンもギャグにしたがるこのメンツですが、やるときはやりますから。
エイトが仕切り始め、マルチェロが意見役になるそうな話し合いが始まりました。
マルチェロがやっとクロノスに切り出しました。
「クロノス、見せてなかったな。
この魔法陣について我々は調べていたんだ。」
「これは・・・」
クロノスは黙ったまま陣を眺めました。
クロノスが持つペンダントと一致しています。
エイトの情報通りなら謎の宗教団体のマークのはずです。
「僕はその魔法陣が死を与える魔法だと考えているんだ。
ザオリクの効かない死を与える・・・・・・
でも死をまつるってことは、何か神をまつるかな。
だから封印を解くものだと思う。
マルチェロさんは?」
エイトは、先程マルチェロが『マイエラ修道院から出してはいけない』と言ったことが気になっていました。
「エイトといったな。
その魔法陣はその両方だ。
それと魔法陣についての推測はそれが正しい。裏に返すもの、資料以外でだ。
ククールも気づいたんだろ。空の頭で」
「・・・・・・その両方。
絶対の死で解放される神。死神だね。まさに。
そして、その神がエリス?」
クロノスはしばらく宙を見つめていました。
何もない天井は答えをくれません。
「だろうな。そのエリスが死の神なら死をもって復活する。」
マルチェロはその先を言えずに黙りました。
言えば前に進むしかなくなり、後悔することが恐ろしく感じられました。
女の行動がマルチェロに答えを与えていました。
その答えを言い出したのはクロノスでした。
ただただ冷たく自分に言うように。
「私を寄越せと言いながら、殺そうとした女。
死の魔法陣のペンダントを持つ私。
死をもって復活するなら、
私の中にエリスがいる。」
後書き
EDに近づきつつあるが、恋愛要素どうしたんだろう。
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