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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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21.死への恐怖

 
前書き
魔法はねかえすのはマホカンタ?
今更間違えに気づきました。
マルチェロキャラ崩壊注意 

 
パルミドに降りたマルチェロたちから不穏な空気です。
いや、正確には単数でしょうか。
ルーラで降りてすぐ、二人にラリホーマをかけた奴がいるのです。
クロノス、かしこさが低めなだけあり(?)寝ています。
マルチェロがそれを抱き抱えるはめになりました。

「いきなり魔法とは礼儀がないな。
私は侵入者に正々堂々挨拶をしてから戦ったが」

別に武士を目指してないならいいのでは?
まあ、複数の勇者を魔物一匹で倒すようなゲームみたくしなくていいですよ。
ドラゴンが勇者をかみこ・・・・・・
マルチェロは魔物ではなく、魔法をかけた本人を見つめました。
綺麗な女性のようです。

(クロノスが女らしくしたらあんな感じになるのか?)

マルチェロが余裕ぶっこいてます。
某動画サイトでLv.71のククール一匹になられていたマルチェロが・・・
出世したな!!

「ねぇ、その子、ちょうだい?
貴方はいらないから。むしろ貴方には育毛剤が・・・」

敵に同情される頭ってなんですかね。
ククールもクロノスもあんな頭は嫌ですかね。
ククールは将来あぁなるのかな?
お父様やお祖父様がハゲだと禿げるとか。

「薄らハゲになる前に潔く剃るわ!!」

「誰も坊主宣言しろなんて言ってないわ・・・・・・」

「バーコードのように残す気などない!!」

「だ・か・ら!!ハゲハゲうるさいわよ!!
その娘を寄越せばいいの!!」

作者はハゲネタが好き。そう、ハゲは正義だ。
それにマルチェロは若いときからM字で、それを維持している正義ハゲだ。
敵にハゲハゲ言われる筋合いはない。

「礼儀のない奴に命令される趣味はない!!」

「あら・・・・・・残念。
仕方ないわね。貴方は関係無いけど、早いか遅いかの差だから。」

女の笑みがマルチェロに恐怖を植え付けることに成功しました。
あのマルチェロに、恐怖です。
彼は気づきたくもないことに気づいていたのです。

(この女、死ぬことが怖くないのか!?)

さすがのマルチェロも死ぬことが怖くないわけありません。
しかし、女から生への執着を感じることは不可能でした。
その恐怖が行動を鈍らせました。
マルチェロの足元に魔法陣が浮かび上がったのです。
その魔法陣は例の調べていた魔法陣でした。

「こ、これは!?
き、貴様、まさか・・・!?」

マルチェロは女が大口を開け笑うのを見ました。
次第に増す恐怖の中、女の口の中にあるものが見えます。
舌に同じ魔法陣が彫られていました。
逃げようと奮闘するマルチェロは、増幅しかしない恐怖に身動きができなくなりました。

(これは・・・死への恐怖を増大させている!!)

魔法陣が本気を出す前に動かなくては、本当に死ぬと悟るマルチェロ。
ラプソーンの支配に抵抗した彼が、やられるわけありません。
敵の情報不足です。魔法陣の本領をさっさと発揮すれば良かったものを。
マルチェロはふくろからあるものを出し、クロノスを連れて飛んでいきました。

「あら、キメラのつばさかしら。
よくあの魔法陣から逃げれたわね。
まさか、あのM字ハゲは噂のマルチェロ!?
あぁ・・・やらかしたわ。クロノスが一緒だなんて。」

と、同時に計画に変更はないことに喜んでいるようです。
グルグルそこで回りながら、高笑いなんてしてます。
よくある悪役みたいに。

「オディロ院長の最後の手がかりに気づいていないのかしら・・・
それとも気づいていながら、そうしているの!?
あはは・・・マルチェロか~次にあるとき、どこで会うかしら。それとも先に死ぬのかな」
















「ククール、これが僕らの仮説だってこと?」

「そうだろうな。兄貴の話を結びつけるなら。」

今から一時間前。
エイトを煉獄島に連れていこうと馬車を走らせていた時、トロデーン国から緊急連絡が来たのだった。
ククールとエイトは顔を見合わせた。
トロデーン国にはすでに法皇がククールであることは伝わっているらしいですが、法皇を呼び出すとは嫌な予感がします。
いや、ククールを呼び出すとは嫌な予感がします。

キメラのつばさを使ったマルチェロは、行き先を定めないままトロデーン国に落ちたのです。
衰弱するマルチェロと魘されるクロノスを発見したのは、偶然にもミーティア姫でした。
異常事態を感知したミーティアとトロデ王は、ククールを呼び出したのです。
ククールが駆けつける少し前に目を覚ましたマルチェロは、法皇がククールであると聞き・・・・・・

「この世界は血迷ったか!!」

と、叫んだようです。
たらしを法皇にしたんですから血迷ったも同然です。

「あんな女のことしか考えていない野郎人物が法皇なぞ、飾り以外のなにものでもないではないか!!」

「法皇は祈るのが仕事なんだから元から飾りだろうが!!
あんたの演説は王か何かの電波演説だ!!」

勢いよく来るなククール、去れ弱き僧侶よ。
しかし、スルースキル習得済みのマルチェロはククールを気にしません。
空気にもしていません。
と、言うより正気ではないようにみえますが。

「クロノスはどこだ!!」

「ちょっと、兄貴・・・・・・?」

「クロノスを私の傍から離すな!!」

「ミーティア姫下がって。マルチェロさん、落ち着いてください!!」

エイトとククールが落ち着かなくなったマルチェロを押さえながら、クロノスの眠る部屋に連れ込みました。
寝顔を見て一気に正気になるマルチェロが、ちょっと楽しかったのはククールぐらいですかね。

(とうとう、マルチェロがクロノスに恋心を・・・)

今、そんな場面ではありませんが。
エイトはマルチェロの異常な精神状態の理由を聞かずにはいられませんでした。

「何があったんですか・・・マルチェロさん。」

マルチェロは見えない何かを威嚇する声で言いました。

「クロノスをマイエラ修道院から出してはいけない。」
 
 
 

 
後書き
できれば多くのキャラクターが名前ぐらい出てきてほしい。 
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