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一発ネタ
神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です~箱庭の絶対者~その1
前書き
・オリジナルものが衝動的に書きたくなったので書いてみました。とりあえず、プロローグだけ。
・簡単にあらすじを説明しますと、神様見習いになった主人公が、精霊システムとダンジョンによって、世界を裏から支配して、文明が進みすぎて暴走しないようにする内政?ものです。
・精霊システムとは、主人公が精霊という名の分身を作り、人間に憑依させることで、人間の行動を逐一監視するシステムです。その代り、精霊使いは、精霊魔法を使えるようになります。ただし、人間に直接干渉することは、神様条約に違反するため、シビアです。
・ダンジョンは、資源をダンジョン内のドロップアイテムで簡単に入手できるように仕向けて、経済をダンジョンに依存させる存在です。資源の供給を握ることにより、技術の盛衰を操ります。
各話の流れは、
・神様(主人公)視点
・世界の住人視点
・歴史書視点
で進みます。
勇者はがんばっているようだな。
とはいえ、人跡未踏地帯の開拓には苦労しているか。
ここでテコ入れしないと、壊滅しかねん。
彼らが善良な人物で助かった。これで、人類精霊監視計画を進められる。
「精霊を使って人類を裏から操るなんて、さすがだわ!」
よせよせ、まだ始まったばかりだ。
それに、失敗したといえお前の作った魔王が勇者を呼び寄せたんだ。
精霊システムのテスターとしてこれ以上の適任者はいないさ。
いまの状況もおあつらえ向きだしな。
しかし、ただの高校生だった俺が神様気取りとはなあ。
ま、箱庭内政は好きだし、かわいい神様のためにもがんばりますか。
「か、かわいいなんて、照れるわ」
幼女神マジかわいい。俺の仕事?
職業:神様
仕事内容:滅びゆく世界を救うだけの簡単なお仕事です。
「よし、ノームになって勇者と契約してくるわ」
「いってらっしゃい。精霊システム始動の第一歩ね!」
◆
【勇者タロウ・スズキ】
俺は、鈴木太郎、どこにでもいる平凡な男子高校生。
名前をよくからかわれるが、両親からもらった大事な名前だから気に入っている。
そして――勇者だった。
そう勇者『だった』。
高校の帰りに急に光に包まれたら可愛い王女様の前。
異世界召喚ってやつだな。
魔王を倒してくれ。って頼まれたんでほいほい勇者をやったわけさ。
で、魔王を倒しました。
途中経過? 割愛するぜ。笑いあり涙ありの一大スペクタクルだった。
楽しかったなあ……。
物語だったらさ、魔王を倒してハッピーエンドなわけじゃん。
――でも、現実は違った。
この世界『リ=アース』は、魔法が使える一部のヒューマンの特権階級が富を独占し、圧制をしいていた。
なにより許せなかったのは、ヒューマンたちが同じ人類であるはずの獣人、エルフやドワーフを亜人と蔑んで奴隷にしていたことだ。
字面だけじゃ伝わらないだろうが、本当に、本当に酷かったんだ。
魔王がいる間はまだよかった。
世界を滅ぼそうとする魔王は、人類共通の敵だったから、団結しようとしかけたんだ。
けれども、うまくいかなかった。
なぜかって? そりゃあ、俺がいたからさ。
人類が団結する前に、勇者様が共通の敵たる魔王を成敗しました。
いままでと変わらずに差別と貧困が蔓延りましたとさ。
それだけじゃない。ヒューマンの勇者が魔王を倒したもんだから、ますますヒューマン至上主義が強まったんだ。
酷すぎる現実を前に、俺は立ち上がった。
『勇者』という立場を利用して、意識改革をしようとしたんだ。
俺を召喚してくれた王女様も、次第に俺のことを理解してくれるようになった。
最初は奴隷の何がいけないの? って顔していたけれどね。
徐々に、徐々にだけれど、亜人差別もなくなっていくんじゃないかな――そう思ってたんだ。
王女様との婚約も決まって、順風満帆。
と、思ってたらヒューマン至上主義者に襲われた。
幸い王女様は無事だったけれど、あと一歩で死ぬところだった。
だというのに、周囲の人間は、天罰だというんだ。
染みついた特権意識、都合のいい一神教への強制崇拝とヒューマン至上主義は、もはやどうしようもなかった。
ありていにいって、この国は腐りすぎていた。
だから――――ぶっ壊してやった。
「勇者様、どうかしましたか?」
「あぁ、昔のことを思い出していてな。それと、勇者様はやめてくれ」
「ふふ、わかったわ。タロウ」
「なぁ、エリィ。俺は……俺たちは正しかったのだろうか」
「それは誰にもわからないわ。けれどね、あなたについてきてよかったわ。私だけじゃなく、みんながそう思ってる」
帝国はいま血で血を洗う内乱のまっさなか。だいたい、俺のせいだ。
その王女様に、許しをもらえて安堵する自分がいる。いまも大勢の人間が戦火に苦しんでいるというのに。
だから、この東方フロンティアに逃げてきたんだ。
いまは妻となった王女様のエリィ――エリザベートと、俺を信じてついてきてくれた人たちとともに。
種族も身分も関係ない理想の国をつくるために。
さて、辛気臭いのは終わり。
今日も頑張って、このフロンティアを開拓するぜ!
けど、あんまうまくいってないんだよな。
降水量が少ない不毛な大地。危険がいっぱいの森。
大自然相手じゃ勇者の力なんか役にたたないし。生活にも役に立たん。
春まで食料がもつかどうか……。内心焦りが募っていく。
周囲には隠しているが、心労で眠れない日々が続いていた。
『お困りのようですね』
誰だ!?
『私は、土の精霊ノームといいます。私と契約してください。さすれば、大地に実りを約束しましょう』
これが、俺と精霊との出会いだった。
◆
【勇者と精霊 著アルバ・シュミット】
勇者と王女一行は、帝国を脱出し、東方へと向かった。
いまでこそ、フロンティアはポジティブな意味をもつが、当時の東方フロンティアは、不毛な大地と魔物がはびこる樹海がる『忘れ去られた世界』だった。(中略)
勇者と精霊が契約した日をもって精霊文明の誕生とする説が有力である。
しかし、当時は文明と呼ぶにはいささか無理があるように思われる。
なぜならば、食料こそ土の精霊魔法に依存していたものの、日常生活に加え、治水や軍事は、人力に頼っていたからだ。
しばらくの間、精霊魔法を使えるのは勇者と限られた人間だけであり、精霊は日常とは隔絶された神秘的な存在だった。
精霊が日常生活と密接にかかわるようになるのは、これより先の時代、わが国の前身たる共同体「精霊の隠れ里」の出現を待たねばならない。
隠れ里の登場をもって精霊文明が誕生したことを、私は主張したい。
【たべものの精霊 著者不明】
むかしむかし、わたしたちの国ができるずっとむかし、勇者さまがこの大地にやってきました。
勇者さまはとてもつよくて、まものからみんなを守りました。
けれども、たべるものがありません。
畑をつくろうとしても、あれはてた大地では、たべものができません。
森へ入ろうとしても、たくさんのまものがいるせいで、たべものがありません。
困りました。勇者さまでも、たべものを作ることはできませんでした。
そのとき、土の精霊さまが、あらわれました。
精霊さまは、勇者さまとけいやくし、大地をみどりに変えました。
勇者さまはよろこびました。
けれども、すぐにはたべものはできません。
しょくりょうは、いまにも底をつきそうでした。
精霊とけいやくした勇者さまは、作物を育てるまほうを使いました。
作物はぐんぐん育ち、あっというまにたべものになりました。
こうして、たべものに困らなくなった勇者さまたちは、しあわせに暮らしましたとさ。
ですからいまも、わたしたちはかんしゃを込めて、土の精霊さまを、たべものの精霊と呼んでいるのです。
【第四文明論 ~精霊文明の勃興~ 著バネッサ・ブラス】
科学が支配した第一文明
神々が統治した第二文明
魔法が力をもつ第三文明
精霊と共にある第四文明
リ=アースは、四回の文明期と暗黒期を繰り返している。
第一文明は『科学』によって栄え、世界をあまねく支配した。
しかし、その科学が生み出した大量破壊兵器によって滅んだ。
ヒューマンによる国家が分立し、世界大戦が起こったからだと言われている。
当時の遺産が時折遺跡から発掘されるが、今の我々では到底復元しえない高度な技術がつかわれていることが分かっている。
その科学文明が衰退した暗黒期に、ヒューマンだけでなく、獣人、エルフ、ドワーフ、魔族といった種族が勢力を伸ばした。
彼らがなぜ出現したのか。それは今なお論争になっている。
帝国のヒューマン至上主義者は、科学文明を築いたヒューマンの優越を唱えている。
獣人やエルフたちは亜人であり、奴隷として使役されていたというのだ。
筆者はこの意見には全くもって反対であり、帝国の野蛮人の妄想としかいいようがない。
種族間戦争が絶えず起こり、科学文明は破壊されつくした。
これを見かねた創造神は、従属神を遣わし、神々の統治により、世界に安寧がもたらされた。
これが、第二文明、通称神聖文明である。
しかし、職業、民族や種族によってバラバラの神を崇めた結果、信者同士で確執が起こる。
始まりは、どの神が優れているかという神学論争だった。
それは従属神の間にも波及し、改宗を迫って戦争が勃発した。
大戦によって世界は崩壊し、神々も去り第二文明は衰退した。
この時期に、現代まで続く人類の脅威である『魔物』が誕生したといわれている。
創造神の怒りに触れた人類への天罰こそが魔物だと主張する者もいる。
筆者もこの見解を支持するが、いまだかつて創造神が降臨したことはなく、証明が困難である。
結果として、強力な魔物の出現は、人類の生存領域を著しく縮小させた。
宗教戦争で滅びた第二文明の後の暗黒期、唯一神を崇めるヒューマンの帝国が世界を統一した。
彼らは、『魔法』という超常の技術を用いて、魔物を駆逐し、瞬く間に世界を征服してのけた。
第三文明こと魔法文明の成立である。
しかし、魔法の優劣は血統と才能に依存し、魔法の力をもつ特権階級を生み出した。貴族の始まりである。
帝国の貴族は魔法の力を独占し、平民や他種族を虐げた。
あるとき、『魔王』が誕生し、文明を脅かした。
圧制を敷く帝国に対する創造神の天罰ともいわれたが、真偽は定かではない。
しかしながら、帝国が召喚した勇者によって、魔王は速やかに退治された。
腐敗や矛盾を抱えつつも帝国の支配は、盤石にみえた。
ところが、その勇者の反乱によって、国が割れることになる。
これはのちに、宗教戦争、解放戦争と呼ばれ、一神教、ヒューマン至上主義との戦いだったといわれる。
だが、時が経つにすれ当初の理想は忘れ去られ、単なる権力闘争へと変じていった。
血で血を洗う凄惨な内乱は、魔法文明を衰退させた。
帝国は、暗黒期を迎えることとなる。
一方、勇者は失意のうちに王女とともに帝国を去り、人跡未踏の地、東方フロンティアへと向かった。
未知の強大な魔物が住み着く大森林とそこにたどり着くまでの不毛な大地。
大地は農地に適さず、大森林は危険が大きい。
開拓は困難に思われた。――が、驚くほど順調に進んだ。
その原動力となったのが、『精霊魔法』である。
記録によると、勇者が世界最初の精霊契約者であった。
我々精霊国人にとって、記念すべき日であり、精霊記念日として祝っているのは周知の事実であろう。
精霊魔法はすぐに開拓民へと広まった。
精霊の力によって、開拓団は大きくなり、精霊国の礎となった。
人の善意を司る精霊は、我々に大きな恩恵をもたらした。
種族差別も奴隷もない。精霊の前に人は平等なのである。
衰退する一方の野蛮な帝国人とは好対照だ。
もはや精霊魔法抜きには、現代世界を語ることはできないだろう。
――――そう、第四文明の幕開けである。
後書き
・エルフたちや魔物の世界設定は神様視点で徐々に明らかになっていきます。実は科学文明の実験体の生き残りだったり……
・歴史書は世界の住人視点であり、神様視点の真実とは必ずしも一致していません。精霊は世界を操る黒幕ですが、この世界の住人は、自然と人間の味方であり、善意を集め世界を支えている存在だと思っています。悪意がたまると、精霊魔法は使えなくなるからです。
・期待の新人神様の主人公ですが、全知全能ではありませんので、いろいろと工夫して世界を操っていきます。その根幹が「精霊システム」と「ダンジョン」でした。
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