ソードアートオンライン~戦場で舞う道化師~
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アインクラッド編
第四話突然の戦力
前書き
〜Sideをはっきりしていきます。
それでは どうぞ
第二層でキリトとアスナのウフフな写真をアルゴに売りに行った際、二人に半ごr……お叱りを受けてしまったサイガは山に籠って《体術スキル》の修行をしていた。
(これで手数が増えてキリトにも差をつけて、ソードスキルの合間に……etc……)
第二層ウルバス
樹々の生い茂る中、赤いマントに向かう三つの影。その影に気づくと的確に急所をつき、一瞬でポリゴン片に変えた。
プレイヤーネーム《アスナ》、攻略組屈指の細剣使いである。
(素材集めも順調だし、このままいけば……)
アイテムウインドから、パンを取り出し食べていると甲高い音が聞こえる。
キンッ、キィィン、カン
「トウっ」
(この音は、戦闘音?あの剣…キリト君…?)
「ハアッ!おわっ!あっ⁉︎あわわわ!」
(…にしては間合いの取り方が…モグモグ…)
「なにくそっ!」
ヒュバッ
「ギイッ」
「ふう、このボ…俺に奥の手をつかわせるとは……」
ビシッビシッ
「わっ、まだ生きてる⁉︎」
(ハア…ゴクン…)
アスナは心の中で溜息をつくと、洗礼された《リニアー》を放ち、ポリゴン片に変えた。
(やっぱり違う…)
「あ……ありがとうございました。凄いソードスキルですね……」
「別に…知り合いのソードマンが同じ位強化されたその剣を使ってたから、早とちりしただけ」
「…その人も、強いんでしょうね…」
「ええ、多分この世界で一番…」
「そうですか…」
「いつまでもここにいるわけにいかないでしょ、ほら」
差し出したアスナの手を
「す、すみません…」
スカッ
剣士はアスナの手をつかめずに空をつかんだ。
「?……あーーー!あなたそんな眼帯なんかしてっ!間合いがつかめるわけ無いじゃない!」
「いやー《隻眼の魔剣士》…「ギロッ」…すみません…でも」
「?」
「羨ましいです。…攻略組のアスナさんですよね」
「!?」
「貴方みたいに楽しそうに剣を振って、みんなの役に立てたら気持ちいいんでしょうね…」
「本当に…羨ましい…」
(私が?)
そう言うと、男は去って行った。
「……あ!忘れ物………行っちゃった」
(楽しそう?)
今まで考えたことも言われたこともなかった言葉をアスナは心の中で反芻せずにはいられなかった。
第二層:フィールドボス《ブルバス・バウ》戦
迷宮区に続く道を塞いでいるのは、巨大牛型モンスター《ブルバス・バウ》。
攻略組はこのモンスターの討伐に赴いていた。
(ステーキ何枚分かしら…?)
大きな牛を見ながらアスナは時間を潰していると、
「んん〜、ステーキ何枚分だろうなぁ〜」
「……人の思考を読まないでよ、サイガ君」
神出鬼没のサイガが現れた。
「たまたまだ、そういやキリトは?」
「……知らないわ」
「夫婦ゲンカでもしたのかっ!」
これ見よがしに食いつくサイガ。
「違います!しかも何でそんなに目を爛々としてるの…。第一私はソロだからいいの」
「ふーん、て事は今回も取り巻きか。俺もやろ「おい、ビーター」…何だよ…」
現在の攻略組最大ギルドのトップ、リンドがサイガに声をかけてきた。
(俺違うんだけどな…)
「今回は大人しく外で見てろ」
「はいはい、お前らがちゃんと相手出来てる間な」
「貴様!また減らz「この人の口の悪さは知ってるでしょ、大人しく蜂担当しとくわ」…チッ…」
アスナの仲裁のおかげで大事にならずにその場はおさまった。
(また悪い癖が)
「いや〜アスナありがと〜」
「全く、君といい彼といい問題児ね」
「悪かったよ。じゃあお礼に、あの茂み見てみ」
サイガは近くにあるうっそうとした茂みを指差した。
「?………!」
「蜂担当追加だな」
隠れていたキリトはアスナに引きずられながら
「何で言うんだよ!てか、何で《隠蔽》みやぶれた!」
などと訳のわからない供述をしていた。
「……それで?一体どこでなにをs「平均レベルはこっちが上なんや!四の五の言わずわいらにアタックを任せい!」……」
いきなりの怒声がフィールドにこだまする。
「いいや!ディアベルさんの意志を継ぐ俺たち《ドラゴンナイツ》が最前線に立つ!」
「なぁにがドラゴンじゃ、さぶイボたつわ!男やったら虎やろ虎!!」
「?」
「キバオウさんツッコミどころちゃいます」
「……オ、オウ……とにかくや、ディアベルはんの意志を正しく継いどるのはわいら《アインクラッド解放軍》や!」
サイガは腹を抱えて笑っているが、キリトはゲンナリしていた。
「うへえ…」
「三層に行ったらあの名前でギルド作るそうよ…」
「勘弁だなぁ…」
「いいじゃねえかキリト、愉快な奴らがいた方が面白いぞ…くっ…あはははっ」
「このゲームをクリアするためにはでっかいギルドが必要何だよ…お前、お気楽すぎだろ」
「あはははっ……はあ、確かにそうだけどよ………まあ、俺だったらエギルのギルドには入りたいかな」
「確かに、彼のギルドなら……って、あれ?今日はいないのか?」
「何かトラブルがあったって言ってたわ」
「あーあ、いないのか。…で代わりにきたのがアレか」
少し離れたところにこの層ではかなり上級な装備に身を包んだ四人組が戦闘の準備をしている。
「…彼らにも愉快な名前があるんだろ?」
アスナは答えにくそうに一言
「… レ…レジェンドブレイブス……」
「「あっはっはっはっは」」
「でも、装備はかなりの物を揃えてきているわ、レベルは高くないけど堅いしタンクにでも……」
「へえ、よく見てるな」
「まあ、形から入ろうって人たちだな、キリト」
かなりの人だかりの中にレジェンドブレイブスのリーダー《オルランド》とプレイヤーの鍛冶屋がいた。
プレイヤーの鍛冶屋というのはSAOでは初めてで、かなりの腕だと噂されている。
「貴卿名を何と申す。かなりの腕ではないか」
「うわあ、キャラ出来上がってんな」
「俺もあのひとの口調マネしよっかな」
「余計にあの二人と仲わるくなるわよ」
そりゃそうだと、納得するサイガ。
「野郎どもそろそろ行くぞ!」
「お前が仕切んな!」
「なんだと!」
「やるか?」
あの二人はいきなり喧嘩を始めた。
「あ、そう言えば二人とも」
「「んー?」」
「次の街にあるケーキの話知ってる?」
「ケーキだと!!」
「あのクソ高い奴か…」
「うまいのかっ!!」
「う、うまいよ…まさかお前がそんなに食いつくなんてな…」
「俺は甘党だからな」
「似合わねー」
「うっせ」
「「わっしょいわっしょい」」
あっという間に話し込むサイガとキリト。
「だから!二人でどんどん話を進ませないで!」
「また怒られちゃったよ」
「で、なんなの?」
「この蜂討伐で一番少なかった人が奢り、ってどう?」
「おい、俺両手剣なんだけど」
「この前のボス戦の奴をやればいいじゃない」
「そんな都合のいいもんじゃないんだよ!…ん?」
サイガはとあるアイテムを持っていることを思い出した。
(もしかしてこれって……)
「どうした?」
「いいだろうその勝負乗った!」
秘策を持ち自信満々のサイガ、慌てて止めるキリト。
「お前アスナの独壇場だぞ!」
「ふふふ、まあ見てろって」
戦闘開始
パァン、パァンとキリトとアスナが《ウインドワスプ》を散らしていくが、サイガはなかなか倒せないでいた。
(まあ、そりゃこーなるわな)
「よしっ、26」
「28」
「なぬっ」
「あれれ、サイガ君どうしたの?」
ここぞとばかりに煽りを入れるアスナ。
「お前らが早すぎんだよ…と、言いたいところだが……」
「「?」」
サイガはストレージから小瓶を数個取り出すと蓋を開け、全身に被った。
「…お前ついにおかしくなったか…」
「やめいっ!」
「なんか甘い匂いが…これって…」
「そう、ハチミツだ」
すると一瞬でサイガの周りに、10匹あまりのウインドワスプが寄ってきた。
「うおりゃーー!!」
サイガは全方位水平切りの技《サイクロン》であっという間に薙ぎ倒した。倒すとすぐにまた寄ってくる。これの繰り返しで
見事に39匹倒し細剣使いと片手剣士を唖然とさせたのだが、1匹だけプレイヤーに目もくれずボスに飛んでいくウインドワスプがいた。
(なんだあれ?)
その個体はボスに針を刺した。次の瞬間、
「ブモオオオオオオオオオオオ!!!!」
と、エネルギーマックスになった牛が前衛を薙ぎ倒しこちらに突進し始めた。
「こりゃヤバイな…」
「お〜いキリト〜アスナ〜行くぞ〜」
「もっとシャキっとしてよ」
「 モオオオオオオオオオオオオ!!!!」
「オルランドさん、流石にあれはヤバイっすよ」
「ここは一旦引きましょう」
「ならん!持ち堪えろ、……今こそ力を見せる時ぞ!」
(かっけーーー)
「我らッ」
「「「レジェンドブレイブス也!!!」」」
「ブモッ!?」
「「「スイッチ!!」」」
ちょうど人数が合っててキレーに入り、牛のヒザ関節にソードスキルを叩き込んだ。
「かたじけない!」
「いやー凄いっすね、オルランドさん」
「今のスイッチこそ素晴らしかったぞ」
「……キリト!褒められた!」
「…わかったわかった…それより」
「…弱点のコブって……あれよね……届くわけないじゃない!」
牛の額についているのだが、高さは10メートル位。とても届くものではない。
「キリト、投擲スキルは?」
「ありゃー趣味スキルだからな……待てよ……いけるか?……やってみよう……」
ブツブツ言っているキリトを見て、サイガは何かを感じ取った。
「おいアスナ、こっち来い」
「え?なに、キャッ!」
なにも知らず来たアスナをサイガはつまみ上げ、両手剣に乗っけた。
「さあさあ、行くぞ打ち上げ花火」
「…ねえ、まさかとは思うけど…」
「俺がぶん投げる(ニッコリ)」
「嘘でしょ!?無理無理!」
「キリトにLA取られちゃうぞ」
「…………それは………………」
なにやらキリトが助走をつけているので、すぐさまサイガは発車した。
「行ってこおおおおおい!!!」
「えっ!まだ心の準備が、キャアアアアアアア!!!」
キリトは空中で突進系のソードスキルを使うことによってさらに飛距離を稼ぐという高等テクを使い、
アスナはサイガがぶん投げたので綺麗に放物円を描き、
それぞれ細剣ソードスキル《スティンガー》片手剣ソードスキル《レイジスパイク》
が綺麗に弱点に当たり体力ゲージを飛ばした。までは良かったんだが……
「キャアアアアアアア!!!」
「ちょっと待て!アスナ!」
着地を考えてなかった。
アスナがパニクってキリトにしがみつき(ほほえましい)、その二人を下で受け止めるはめになった。もちろんサイガは下敷きに
「お……お前ら……どいてくれ…………」
「あ、ごめんなさい……って、サイガ君が悪いんだからね!!」
「でも、王子様に抱きつけt「ガンッ!!」…………」
「結局最後の攻撃に参加してないのはサイガだから奢れよ」
「………………」
サイガの意識は飛んで行ってしまった。
「あれ?」
「えっ?サイガ君?……そうだ!」
「どうしたんだアスナ?」
「さっきの仕返しを思いついたの」
なにやらアスナは悪いことを思いついたようだ。
「………………あれ?俺また気絶したの?」
「もしかして、さっきのアスナさんの一撃で……」
「キリト君うるさい。さっきサイガ君自分でケーキおごってくれるって言ってたけどほんと?」
実に悪どい
「ん、そうだっけ?まあいいや、じゃあ行こうぜ」
全てを知っているキリトは、
(女子の仕返しって怖えエエエエエエエ)
恐怖を覚えた。
ビシッ
気が緩んだ瞬間、不意に現れたウインドワスプの攻撃でキリトの武器が谷底に落ちていってしまった。
「LAとって主武装無くしたんじゃな」
「ざまあみろってんだ」
ベータをよく思わない連中の戯言をよそに、
「んなことよりよ、ドラゴンなんたらさんよ!あんたらがルール守らないせいでLAとられてんねん。どないしてくれるんや!」
「君たちの回復が間に合わないからだろ!」
「なんやと!」
「やるか?」
再び喧嘩を始める二人。
「「あああああああああああ!!!」」
「あらら」
「あらら、じゃねーよキリト!」
「そうよ!どうするのよ!」
「別にスナッチされたわけじゃないし、とりあえずここじゃまずいから圏内に行こうか」
さっきの鍛冶屋の周りに数人人影があった。
「ダメだ、まだ全然足りない。フロアボスまでに5万いけるか?」
「ネズオ」
後書き
次は体術スキルの習得クエストですかね〜
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