『最低な女』
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『不倫のはじまり』
孝史(※4話参照)との不倫がはじまる。
会社の飲み会の時、蒼が酔っているからと、蒼の携帯から孝史がかけてきた。
少し話した後、知らない番号から鳴り、いつもなら取らないけれど、また会社の人なら申し訳ないので...恐る恐る、もしもしと言う。
そしたら、さっき話していた孝史だった。
後ろから、蒼がカラオケしてるのが聞こえる。
コレが孝史との最初の接点だった。
かけることはないと思ったが、一応登録しとこうと思った。
知らない番号は取らないから、登録してないと次もし、かかってくることがあれば困ると思って...。
暫く経って、蒼が孝史を連れて来た。
仕事の勉強だ。
図面や計算など、未桜が見てもチンプンカンプンな事ばかりノートに書いてあった。
この頃の蒼は仕事にやりがいを持っていて、すごく生き生きしていた。
やれることが増えたから任して貰えることも増えたと、嬉しそうに話していた。
未桜も、其れは良いことだから、一生懸命してこれからも仕事の腕を上げて欲しいと伝えた。
その結果、うちでの勉強会が始まった。
この時、孝史にメアドを聞かれ、交換した。
メールのやりとりで、奥さんとの不仲や不満が沢山あると知った。
離婚届も書いてあると。
未桜は、どうすることも出来ず、仕事関係の人には話せないこと、未桜で良いなら聞くからと伝えた。
次、うち来るとき孝史が帰った後、未桜も出て、少し話したいと言われた。
その日が来て、会った。
車を海沿いに止め、少し話した。
蒼の前で見せない孝史の弱気な姿が其処には在った。
孝史は、会社での蒼の様子など教えてくれた。
今は本当に仕事が大好きみたいで、それは嬉しかった。
ただ稼ぐ為だけに嫌々するより、好きになれたってことで仕事が苦痛じゃなくなる。
それは素直に本当に良いことだと思った。
でも、同時にギャンブルも大好き、ハマってると聞いた。
お金の貸し借りも前とは額が違うらしく、気を付けてあげてと言われた。
それは未桜が気を付けてもどうにもならないので、極力行かせないで欲しいと孝史に頼んだ。
孝史は了解してくれた。
後日、蒼にギャンブルのことを話すと、いつも孝史からの誘いだと言う。
断ると後から何かと文句つけられるからと。
言い分が食い違う。
蒼は、こんなくだらない嘘は付かない。
頭では解っていた。
孝史を庇いたい気持ちがあるから蒼を疑う。
最低だ。
解ってる。
ズルくて汚いのは未桜だ。
気持ちが傾いているから。
孝史を大事だと想っているから。
蒼は孝史を慕っている。
未桜も違う意味で慕っている。
孝史はどちらにも良いようにしていた。
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