ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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一誠SOS
大運動会(1)
前書き
元は運動会でハルマゲドーン!ですが、長すぎるので前半後半に分けます。
アルバム作りが終わった数日の学校の教室。人間界ではそろそろ夏から秋へとなりかけていた所、俺らはいつも通りの放課後となり最近だと会長職を副会長に任せているソーナと一年のレイヴェルを待っていた。
アーシアとゼノヴィアはグレモリー眷属の悪魔稼業があるので、イリナも一緒にいるしオカ研では顔出し程度なので問題無し。人間界本家組である俺、ヴァーリ、シーグヴァイラ、イリナ、ソーナ、レイヴェルが来た事だしそろそろ帰ろうとした時にアザゼルが教室に入ってきた。
「一体何用だアザゼル。エリクサーに関しては再三に渡って断ったはずだぞ?それに冥界全土へ出回れば、フェニックス家の涙よりもこちらの方が体力や魔力から蘇生さえも出来るとされているけどよ」
「それについては分かってるつもりでいるさ・・・・元々一ちゃんらが秘薬とされてきたブツを三大勢力共が欲しがると、フェニックス家が可哀想に思えるからなー。俺が用なのは、エリクサーではない別件だがリハビリ感覚で体動かしたくないか?良いイベントがあるんだが」
イベント?中間試験は終わったし、体動かすイベントなら体育祭は既に終わらせたぞ。ディオドラと決着が付いた頃だがら、恐らく三大勢力関連でのイベントなのだろうけど俺らは知らん。
「アザゼル先生、駒王学園での体育祭は既に終わったはずですが?」
「その体育祭じゃなくて運動会だ、それも三大勢力関連のイベントでな」
『シーグヴァイラ、そのイベントが本当にあるか聞いてみたか?』
『既に聞いてみましたが、どうやら本当の事だそうですよ。懐から選手登録用の用紙を取り出しましたし、ソーナも何となくですが聞いてるかと』
『一応次期当主として聞いてはいましたが、もしかして一誠さんとは敵となるのでしょうか?』
駒王学園の体育祭ではなく、三大勢力関連での運動会をする事と言うのは本当であるがそれを知っているのは一部だけの様子だ。アザゼルはグリゴリが企画したイベントと言っているが、俺とヴァーリは別勢力だと知っている筈だ。なのに何故俺らをゲストとして引き抜こうとしているんだろうか?用紙を受け取ろうとしたら、魔力が飛んできた事で燃えてしまった。
「むっ!アザゼル!言ったはずだ!一誠君達はこちら側の者だと!」
物陰から紅髪の男性が飛び出してきたと思えば、何故こんな所にサーゼクスがいるのだろうか?いきなり現魔王が出現した事で、ソーナ達は黙って様子見となった。するとアザゼルが舌打ちした事で、ちょっとした厄介事になりそうだな。
「チッ!だがよ、こっちだって切羽詰ってるんだからいいだろ?こっちは一番少ないんだから」
「だからと言って、一誠君達は悪魔側だと何度言えば分かる!」
現魔王と総督がこんな所で喧嘩始めちまったが、幸いにも一般生徒がいない事だけでもいいか。シーグヴァイラ達は何となく事情を知った事で、俺に念話として来たが俺らが別勢力だと忘れているのでは?と思い始めた俺達。シーグヴァイラとソーナにレイヴェルは悪魔側だし、イリナは天使側だからな。すると俺の肩を叩く者がいるんで顔を向けたら、天界にいるはずのミカエルがいた。
「今度はミカエルか・・・・何の用だ?もしかして運動会に関してなのかな?」
「おやおや、誰から聞いたのです?『そこで喧嘩中のアザゼルから』ああ、なるほど」
「で、何で三大勢力のトップ陣であるお前らがいる訳?」
「貴方達をゲストに招き入れる為ですよ。ではこちらの用紙にサインをお願い・・・・」
『させるか!』
ミカエルがサインを求めようとして来たら、消滅の魔力と光の槍が飛んできたので用紙が燃えてミカエルは避けた。無効化によって異能の力を全て無効化させた事で、俺らに魔力が飛んで来ないようにした。
「一応ですのでスマホ録画モードにしてますが、このデータはどうしますか?」
「証拠になるからそのまま撮っておいてくれシーグヴァイラ。後程、グレイフィアやシェムハザに提出するさ」
どうやら三人は俺らが別勢力だと言う事を忘れているようなので、しばらく様子見してからハリセンを準備した。様子見によっては三人の魔力により、この教室ごと吹っ飛ばすようならすぐに粛清でもするつもりだ。
「ミカエル!俺らが一ちゃんに交渉しようと思っていたのに、俺達を無視するんじゃねえ!」
「その通りだ。ミカエルも交渉に来たと言うなら、ここで決着を付けようではないか」
「おやおや・・・・私としては穏便に解決したいのですがね」
『やるか!この野郎!』
ここで天使長と魔王と総督が、喧嘩を始めると言う事になると自動的にこの教室や学校に被害が出る事確定となった。なので俺は止める権利を持っているので、三人の後ろからハリセンで叩き殴って止めたのだった。
「お前ら、いい加減にしろ!」
『パシィィィィン!パシィィィィィン!パシィィィィィン!』
ハリセンを振り下ろした事で喧嘩を止めさせたが、当人達は叩き殴られた事でしばらく頭をさすっていた。俺らの見本となる奴らが、目の前で子供のように喧嘩するなよなー。三人を正座させて軽く説教させたが、ヴァーリ達も通常運転として思っているので異様な光景とならなくて済んだ。
天使長に現魔王に堕天使総督の三人が、見た目人間だが中身創造神が説教と言うのは面白映像として記録していたシーグヴァイラ。
「全くお前らは何してるんだ。バカ三人組の喧嘩で、ここ一帯を吹き飛ばすつもりか?」
「いや、これはだね『黙れ、サーゼクス』はい・・・・」
「では聞くが?ここに三大勢力のトップがいるって事は、三大勢力での運動会をするのか?」
三人共頷いた事で、どうやらシーグヴァイラから聞いた情報と一致したとの事。無論ソーナとシーグヴァイラは知っていたが、レイヴェルとイリナは知らない様子だったがこれはこれで面白うだ。ずっと録画していた事で、この光景を各トップ陣に送ろうか迷っていると懇願されたので俺らだけの秘密にしといた。
「お前らは忘れているから改めて言っとくが、俺とヴァーリはCB所属となっている。シーグヴァイラとソーナにレイヴェルは悪魔側でイリナは天使側となるが、四大勢力による運動会なら参加してもいいぞ」
「あ、そう言えば忘れてたぜ。一ちゃんらはCB所属であり、正式に別勢力だと知ったからな」
「道理で一誠君達は、落ち着いていられるんだね。喧嘩は終わった所だし、私は旧校舎に行くとしよう・・・・妹達に話していないしね」
「私は天界へ帰らせてもらいますが、一誠様らと対決するのも良いと思います」
そう言う事でサーゼクスとアザゼルは、旧校舎にいるグレモリー眷属にこの事を話しに行くそうだ。ついでにシトリー眷属も参加するんで、ソーナも一緒に行ってしまったがまあいい。残った俺達は帰宅後、次元の狭間本家に連絡すると全員参加する様子だと情報が来たとの事だ。CB所属だから黒神眷属とブラック・シャーク隊も参加となる事だし、丁度試運転したい戦艦があるからな。
「そんで、ソーナは詳細を聞いたんだろ?」
「ええ。三大勢力での親睦会と言う事で、スポーツに興じようと言う話になりました。スポーツ大会ではなく、運動会として開催する事となりました。最も一誠さんとは敵となりますが、たまには良い事だと思いますよ」
「天界関係者とはいえ、イベントに関してミカエル様が来るまで知らなかったけどね」
「俺達はCB側の選手として参加するようだが、創造神黒鐵兼赤龍帝である一誠と白龍皇である俺らを始めとして天界と冥界では人気者だと聞いた」
三大勢力でこのような交流会をしても良いと思っているが、最近はテロリストが天界や冥界を狙っているようだし同盟同士でのイベント開催は関係強化にも繋がる。それにこちらには、前四大魔王と元神や夢幻と無限を象徴するドラゴンがいるからな。
全員合せて三百から四百人だけど、俺らには神滅具所有者が五人いる事も関連して色々とルールによる支障が出そうだ。
「それとアザゼルが最初に勧誘して来たのは、俺らが持っている神器や技術による競技に影響が出るからだろうな。何せ一番少ない勢力とも言える」
「納得出来るが、俺らには黒の駒が入っている以上力を封印しなければならない」
「それなら大丈夫だろうよ・・・・何せ相手が天使・悪魔・堕天使が相手なのだから」
「それと私達は何で行くの?あちらは転移だけど・・・・」
「丁度試運転したい戦艦があるのでな・・・・超大型新艦スメラギで行くとする。大きさで例えるならアグニが龍化した程だな」
次元の狭間本家にて全トレミーが収納されているが、新たな船が必要になるかもしれないと思って創った。超大型なので次元の狭間本家よりも後方にて、専用ドッグで創られたが基本的な事は創造だが細かい部分は人間の手によって完成させた。天使・悪魔・堕天使との交流は余り無いが、俺達は異種族チームとして参加するが神・ドラゴン・前四大魔王・元神・人間としてな。
「運動会の日となったが、まさか我達を乗せて行く戦艦があるとはな」
「試運転を何時にしようとしていた所だったんだが、今回の運動会にてとりあえずゲートとちゃんと動くかをしてみたいのでね」
「イアンの言う通りで、俺も何時試運転しようと思っていたが大きさ的に宇宙以外無いと思っていたが三大勢力でのイベントに見せるのは丁度良いタイミングだった」
「シーグヴァイラとソーナは先に行ったようだが、俺達もそろそろ行かないか?」
「ちょいと待っててくれ・・・・試運転って言っても動かす事もそうだが装備や起動するかどうかもだからな。俺はブリッジに行くが、イアン達整備士は格納庫で待機としてアグニ達もな」
シーグヴァイラとソーナらはそれぞれの眷属悪魔を連れているのだが、会場はレーティングゲーム用のゲームフィールドでかなり広めな空間とされている。私達は一誠さんより先に来てましたが、CB側は少し遅れて来ると言ってましたが何時来るのでしょうか。イリナ同様、頭に輪っかと背中に真っ白い翼を生やした天使と黒い翼の堕天使の方々が沢山いました。
「一誠様達は少し遅れて来るそうですわ・・・・何でも新艦スメラギの試運転がしたいと言ってました」
「悪魔も大勢いるけど、こんなに多くの天使と堕天使に会う事何て余りない事だからか新鮮がありますね」
「天使が白、堕天使が黒、悪魔が赤のジャージ姿であるけど、一誠さん達は何色のジャージとなるのか楽しみですね」
三人共赤いジャージを着ていたが、特にグレモリー眷属が歩いただけで好奇の視線が向いているようですね。『黒衣の神皇帝』に出演しているからなのか、時々私達にも視線がありましたけどね。三大勢力の中でも結構な認知度とされていますが、一番は黒神眷属でありCBですから。グレモリー眷属と合流後、シトリーとアガレスとで話していたけどイリナがこちらに気付いた事でミカエルと共に来た。
「リアスさん達もだけど、ソーナとシーグヴァイラとレイヴェルも来たのね。ところで一誠君は?」
「少々遅れるそうですよ・・・・私達以外はミカエル様とお会いしている事に幸運だと思ってますね。主にロスヴァイセさんが」
「皆さん全員と会うのは実に久しぶりですが、お初の方がいるので改めて挨拶を。天使長のミカエルです」
グレモリーの面々だとロスヴァイセぐらいだろうけど、ミカエルと面識を得られた事を幸運だと言っていた。一方俺達の服装はバラバラだが、情報によると白・黒・赤のジャージを着ている天使・堕天使・悪魔何だとよ。
なので俺達のジャージ色を黒鐵改の色にしてみたので、黒・銀として所々にオレンジが入っている。全員着替え終わった所でゲート解放と共に向かった事で、三大勢力共は驚いてこちらを見ていた。そりゃそうだろうよ、こっちは超大型戦艦スメラギで来たのだから。
『こちらブリッジにいる艦長だが、ブラック・シャーク隊は各自の乗り物にて移動を開始し黒神は翼やらで飛んで行くように』
「何か警戒されているがそりゃそうか・・・・ここまでデカい戦艦は見た事ないからな」
「スメラギを着陸ではなく、各自の乗り物にて着陸と言う事か。カタパルトデッキから次々と行くから、俺らも行くとしよう」
ブラック・シャーク隊は大型ヘリで降りるが、黒神はそれぞれの翼で降りてきた。最後に降りてきたのが黒神眷属『王』の俺だが、禁手化して飛んでいる者もいるので赤龍帝と白龍皇と聖槍が一時的に禁手化して降りたら禁手解除して点呼を取る。全員揃った所で、先頭は俺だがそろそろ開会式がやるのでな。
「おい。あれは人間だぞ!それも軍隊だ」
「赤龍帝と白龍皇、それにシャルロット様もいるぞ!」
「前四大魔王様に神様に真龍と龍神までいるぞ!」
俺達は三大勢力が出揃っている場所に行くと、トップである天使長ミカエル・現魔王サーゼクス・堕天使総督アザゼルとその他大勢がいた。
「遅れるとは聞いたが、まさか戦艦で来るとはなー。にしてもアレはデカすぎなのでは?」
「こちらも戦力増強として創ったまでだ・・・・アレならどこでも行けるからな」
「なるほど・・・・ジャージ色が黒鐵改のようですね。シャルロット様もお元気そうで」
「今日は正々堂々と楽しむとしようかね。主に俺達の力を見せつけるチャンスだからな」
初対面のロスヴァイセは天使長ミカエルとの出会いに感動していたようだが、俺らにとっては普通に出会っているんで普通に接した。ミカエルの笑顔もそうだが、熾天使トップの微笑みはご利益があると噂で聞いた。グレモリー眷属と合流した俺達だが、今回もだが正々堂々と戦える等滅多に無い。
「ミカエル様ーっ。開会式が始まりそうですわよー」
突然の声で皆はそちらへ目を向けるが、俺的には月一で天界にて会っているウェーブのかかったブロンドで天界一の美人と言われているガブリエルだ。スタイルも抜群でボンキュボンなのか、特に悪魔と堕天使の男共全員ガン見していた。
「おやおや、要人との挨拶だけで時間が過ぎてしまいましたが一誠様とシャルロット様以外の方にはご紹介が遅れました。こちら私と同じ四大セラフの一人で・・・・」
「ごきげんよう、私、四大セラフのガブリエルと申します。それとシャルロット様、ご挨拶が遅れましたがお元気そうで何よりです」
「天界一の美女にして、天界最強の女性天使であるガブリエルです。冥界でも人気だそうですが、お久しぶりですねガブリエル」
「ミカエル様だけじゃなく、あのガブリエル様まで・・・・」
「うん、今日は素晴らしい日だ・・・・」
アーシアとゼノヴィアは目が爛々と輝かせ、手を合わせて恍惚とした表情になっていたな。元教会関係者の二人からするとセラフのミカエルとガブリエルは、天上の存在のようだけど俺を忘れられては困るな。
「セラフォルーが密かにライバル視されていたんじゃなかったのか?それとガブリエル、久しぶりだが相変わらずだな」
「今回は非常に楽しみにしておりましたが、天界にある『システム』に関してこの運動会が終わり次第見てもらいたいのですよ」
「ちょっとしたバグでもあったのか?終わったら大天使化した俺と共に行くとしよう」
「本来なら私がやる事なのですが、修復作業をお願いしたいのですよ」
ミカエルとガブリエルとの会話を聞いていたシャルロットだったが、いくら元神であっても『システム』がある第七天もだが天界には二度と行けない訳ではない。黒神眷属入りなので、次元の狭間本家と人間界本家以外だと俺の許可がないと外には行けない。ま、表舞台に立てるようになったけどシャルロットが戻りたいと言う事がなければだな。
「一ちゃんもそうだが、ミカエルやサーゼクスには負けられないぜ」
「ハハハ、私もそうだが天使長と総督に一誠君には負けられないよ」
「アザゼルとサーゼクスとの決着もですが、一誠さんとの対決も非常に楽しみにしてましたからね」
「俺ら黒神もそうだが、ブラック・シャーク隊の連中共も鬱憤が溜まっているのでね。俺らが全勝させてもらうぜ」
俺らが笑顔で告げるけど、異様なプレッシャーを周辺一帯に放ったのか。俺らの間の空間が迫力だけで歪んでいるようだし、ラスボス級四人だからなのかフィールドが消し飛びそうになるので止めた。目には見えない組織同士の意地の張り合いが既に展開しているが、熾天使・現魔王・堕天使総督・CB総司令官。
バラキエルと朱乃は変な空気が発生せずとなるし、本来なら嫌われているが朱璃さんが生きている事でそのような事はない。
「バラキエルと朱乃、お前らにサプライズを用意させたぞ」
「私らにですか?『サプライズは私よ、貴方に朱乃』朱、朱璃!?」
「お母様!何故ここにいるのですか?」
「一誠さんに頼んだら、快く引き受けてくれましたの。人間界駒王学園での体育祭は見れましたが、娘と父親が対立すると聞きましてね。有給休暇を貰って、お弁当を作って来ましたから昼食の時には一緒に食べましょうね」
「なるほど、普通ならここには来れないからな。堕天使組織の幹部であるバラキエルと悪魔サイドである朱乃が戦う所は、中々ない見所でもある」
と言う事なので、朱璃さんはこちら側にいさせるのでバラキエルと朱乃は安心していた。悪魔側と堕天使側にいたら、何時厄介事になるので桜花達が居る所で応援するようだ。それと昼食の時だけ姫島家としての時間も必要だろうし、作ってきた弁当もそうだが俺らの記録係として桜花達と一緒にやるそうで。
『各勢力選手の皆様、中央グラウンドにて開会式を開始致しますので、集合して下さい。繰り返します。各勢力の・・・・』
そろそろ運動会が始まるそうなので、俺らCBを引き連れて一塊となった勢力として向かう。天使・悪魔・堕天使と俺達ソレスタルビーイングと四つのチームに分かれた事なのか、ソーナ達とイリナ達と敵となるが楽しみつつCB側の列に入る。
『えー、スポーツマンシップに乗っ取り、正々堂々と競い合う事を誓います』
選手代表の者が選手宣誓をして開会式も閉じようとしていたが、今回の運動会は日本式を倣っていると聞いた。各種競技もそれに合せてプログラムされたようだが、手元の本を見ると駒王学園でやったのと同じ事を二度やるのか。それぞれ指定席に行くが、俺らの陣地はテントを張った軍隊式となった。基本的に出場する者は黒神と男性隊員らだが、恐らくアグニらは手加減せずにやるだろう。
「日本の運動会競技が面白そうだから採用したそうで、駒王学園体育祭にいた各勢力の関係者をお忍びで見学に来ていましたね。見ていて大層楽しんでいたと」
「俺ら蒼い翼もな・・・・ま、朱璃さんの休暇を許可したのは俺だ。仕事もそうだが、息抜きも必要性があるものな」
「主人と娘が対決する場面は見ないと思いますし、これを見ない訳にはいきませんので」
「そうだろうと思っての招待だからな。各勢力の攻撃が来ないように、俺らの陣地は守護結界が張ってあるから問題ない。アグニらも楽しみにしてたし、俺のリハビリになるか分からんさ」
CBの数は多いが、種目も多いので特に団体戦は勝たせてもらおうか。ちなみに俺が出る種目は、個人戦だと徒競走と障害物競争と借り物競争だ。団体戦は玉入れと騎馬戦と綱引きだが、主に男性隊員には頑張ってもらいたいね。
ラストはチーム対抗リレーだが、俺としては禁手化よりも別にて出場してやろうかな。するとアザゼル達がいる堕天使チームが集合していたが、何やら檄なのか演説かは知らんが気合を込めてた。
「いいか、お前達!・・・・これは交流会と言う名の戦争だ、今日だけは暴れても文句は言わねえ。協力姿勢を敷いたとは言え、常日頃から天使や悪魔に言いたい事も沢山あるだろう。やれ天界アイテムの価格が高すぎるとか、やれ悪魔の持つ等価交換の意識がウゼーとか。溜まるもんも溜まっているだろうが、今日は存分に暴れまくれ。俺が許す!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
戦争ね、確かに三大勢力だけなら運動会という名の戦争。気合と共に怒号が巻き起こっているが、堕天使諸君は怪しい眼光を放ってる。ま、日頃から天界や悪魔に対して思う所があるようだしな。堕天使決起集会の横にいた白いジャージの天使軍団と総括しているミカエルは、相変わらずの微笑みだった。
「はははっ、堕天使の方々は元気ですねぇ」
堕天使の集会を見てた天使達は不満の声が上がるようだが、それについては俺も不満に関して理解出来るがこちらは異種族チームなので余り気にしてない。
「奴らのペースに合わせると我々は堕天するかもしれないのにな」
「一度堕ちたら天使として終わり何だから、その辺り堕天使と悪魔も理解してほしい」
「それにしてもシャルロット様が敵となってしまうが、その辺も考慮してると思うぞ」
天使側も堕天使や悪魔に思う事もあるそうだが、あちらはあちらでのペースと言うのがあるから余り気にしていない様子のミカエル。金色オーラを全身から迸らせていた様子だが、俺らには無害だから気にする所ではないな。
「いいですか、皆さん。普段の教え通りですが、異端者には天の罰を与えなさい。もちろんCB側にいるシャルロット様の代行を果たす役目がありましたが、今回表舞台に立つようですので主に悪魔と堕天使らに光を」
『はっ!終末を悪魔と堕天使に!』
やはりと言うか、予測通りとなったが今回シャルロットも参加するので出来るだけ我らを怒らせないようにしているな。光に終末とか怖いが、この運動会が組織同士の代理戦争に発展しそうな勢いとなっている。
一方で悪魔側であるサーゼクスも演説を始めるが、グレモリーとシトリーとアガレスの次期当主同士の挨拶していたが、有名な御家の者は運動会にかなりの数が参加しているとアスモデウスから聞いた。
「天界もグリゴリも元気一杯のようだ!我々も負けぬよう精一杯競い合おう。交流会の競技とはいえ、決して手を抜かないように本気でやりたまえ!無論一誠君達CB側も手加減抜きで全勝するつもりでいるそうだが、それを阻止するべく全力でやるのだ!」
『ハルマゲドーンッ!』
サーゼクスはあくまで爽やか笑顔満載で言っていたが、手抜き無しとは俺らも手を抜く訳にはいかないな。それとハルマゲドンって何だよ?それが悪魔の掛け声なのか知らんが、皆の視線が俺に集中しているので演説を始めた。
「我らは異種族チームとしてここにいるが、ほとんどが人間である。人間の限界はあるが、我らはそれさえも超える力と知識を持っている。三大勢力に名乗ったが、我らソレスタルビーイングの名を賭けた戦いであるからには諸君らに全勝してもらいたい!無論何しても構わんが、アグニらも手を抜かずに正々堂々とやるのだ!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
こちらの士気を挙げた事で、各勢力がこちらを見た事で人間の底力を見せつける時だ。徒競走は軽く全勝した俺だったが、次は障害物競争に出場する為にテントから出たが意外にも運動会は平和的にスムーズに進んでいた。
何かの切っ掛けで戦争が起こるのでは?と見守っていた事が馬鹿馬鹿しくなってきた。各勢力はグラウンドを駆ける選手らの応援を送っていたが、CB側の医療班と一緒にいたアーシアは回復の力を持つ為なのか専用テントにて待機していた。
「意外と楽しいものだな、運動会と言うのは」
「アグニも競う相手が違うからか、ルシファー達も楽しそうにしているなアグニ」
「悪魔側を見てよ一誠君・・・・セラフォルーが応援パフォーマンスしているけど魔法少女の格好でお付きの女性達とダンスしているよー」
「レヴィアタンから見ると説教したい気持ちは理解出来るが、今だけでもいいのではないかと思うぞ」
『障害物競争に参加選手は指定された場所に集合して下さい』
俺が参加する障害物競争に出場する為、陣地を出た俺であったがアグニとレヴィアタンから激励をもらってから指定ポイントへ向かった。集合場所に移動した俺は列に並ぶが、一番最初の列だからどうやら最初に走るようだな。
『障害物競争をスタートします・・・・位置について、よーい・・・・・ドン!』
合図と共に走り出すが、リハビリの割には余裕のダッシュとなった。各勢力の選手が二名ずつ計八名でゴール目掛けて走って行くが、俺ら側の選手はISを纏った女性選手だった。障害物とは言っても、人間界と同じ障害物な訳がないと思ったのでCB側だけの武装を使う許可をもらった。
「兵藤様、今の所は私達の勝ちに見えますね」
「そのようだが、もしモンスターが出てきても殺して構わんからな」
「モンスターですか・・・・三大勢力としてのイベントにはあるかもですね」
「平均台に上がり、ネットを潜ってそれぞれ異なる球技のボールを突いたり蹴る事まではな。最後の障害物が見えてきたぞ」
俺らの目の前に見えてきたのは、如何にもモンスターですよと言う代物である。首が九つある大蛇に首が三つある巨大な犬のような化け物、両翼を大きく広げる怪鳥だったので俺らはモンスターの見本市か?と思っていた。すると他の選手も仰天していた事で一時停止していたが、良く見ると三つ首の犬はケルベロスと言う地獄の犬でかつてコカビエルが人間界に連れてきたな。
『最後の障害物に各モンスターを配置しちゃいました☆天使や悪魔も余裕で殺せる猛毒の大蛇ヒュドラ!地獄の番犬ケルベロス!それに謎の怪鳥ジズも参戦です!モンスター相手を見事退けて下さい!』
配置しちゃいました、じゃねえだろうが!他の選手もやられそうになるが、俺ら側の方は安心してISの武装にて牽制している。
『おー、一誠じゃないか』
「お前タンニーンか、こんな所で何してんだお前?」
『いやな、三大勢力の運動会に協力してくれと言うので出てみたんだが・・・・どうやら俺はこのような役目だったらしい』
モンスターに知り合いはいないが、タンニーンだと分かると頭をポリポリ掻きながら言っていた。ドラゴンはデカいし見た目からしてモンスターとも言うかもしれんが、俺らとしてはドラゴンがこのような雑用を押し付けるとは何してるんだか。元龍王で最上級悪魔でもこちらには現役の龍王もいるし、赤い龍と白い龍もおるから別に驚きはしない。
「ぎゃあああっ!」
「うわぁああっ!」
「助けてくれぇぇぇぇっ!」
「兵藤様、如何しますか?」
俺と部下の響子が止まっていると聞こえてくる声は、悲鳴であり蛇にグルグル巻きされた堕天使や怪鳥に連れてかれそうになっている天使とケルベロスに頭から食われている悪魔の選手らを見ていた。俺は思わず頭を抱えるが、タンニーンも流石にここまでとは思ってなかったようだ。
『おーっと!選手の皆さん、早速モンスター達と楽しく戯れています!平和な光景ですねー』
「やかましいと言いたいが、このままでは選手が瀕死状態となってしまう。響子、今のIS武装でモンスターを倒して来い」
「そのようですわ・・・・と言う事なのでしばしお待ちを」
『俺としては一誠と相手したとしても瞬殺されてしまうから、道を開けるつもりだが一誠ら以外の選手には妨害させてもらうがな』
と言う事で響子による瞬殺ショーとして、我らの武装により倒された後に俺と響子は見事ゴールした。二位の者らはタンニーン相手なのか、時間掛かったが何とかゴールしてきた選手らだった。俺らはテントに戻るが、まさかモンスターが出るとは思わなかった。
「隊長の言う通りとなりましたが、ISの武装なら余裕で倒す姿を見た三大勢力の皆さんは驚愕していましたよ」
「俺ら以外の者らは、タンニーンの巨大な火炎を喰らったが隕石の衝動に匹敵する火炎のようだな」
俺ら以外の者らはアーシアとCB側の医療班によって回復されたが、それ以降の選手はCB以外が途中リタイアとなっていく。各陣営の応援席もピリピリと緊張感が張り詰めていたが、障害物競争を堺に各チームは殺伐としていたので目付きが鋭くなってた。障害物のモンスターと戦って闘争心が湧き上がってしまい、何時か一波乱がありそうなので警戒態勢を取った。
『借り物競争に参加の選手は指定の場所に・・・・』
「この先も争い事がありそうな気がするから、各員共に警戒態勢をな」
「はっ!了解しました兵藤隊長」
「一誠さんの予想は当たると思いますが、我らも臨戦態勢となったら考えます」
副長劉零に指示出した後、ルフェイと黒歌とジャンヌからの応援をもらってから行く事となった。列に並び、俺の番になったのでスタート位置に立つ。
『位置について、よーい・・・・ドン!』
スタートと共にダッシュして、心眼を発動させた俺は最も難易度の高い封筒を拾う事になった。何せ俺が拾った封筒には三大勢力の奴らには非常に勇気がいると思ったからな、何せ俺が拾った封筒には『三大勢力の首脳』だからだ。
「ヤキ○リ先生って誰だよ!?」
「黄○色の詠使いってどなたですか!?」
他の選手が拾った内容はどれも難易度高いが、恐らく俺のが一番高レベルだろうなと思った事だ。だから心眼を発動結果として、こうなった訳だが三大勢力のトップ陣と言う事はミカエルとサーゼクスとアザゼルとなるが小さい文字で書いてあったのに気が付いた俺は読むとこう書いてあった。
『三大勢力の首脳(幹部と同レベルの者らも対象です)』
と書いてあったので、こりゃ人数多すぎだと思いながらもまずは天界側の陣地に行く事となった。俺以外の者なら、勇気がいるし敵側の者を一緒に引き連れる事となるからな。ま、俺には関係ないから問題無し。
「天使側のトップである熾天使四人、全員俺と来い!」
「私らが借り物なのですか?『詳細は後程なので、今は念力で浮かすんでな』分かりましたが、そっち側は悪魔側の陣営ですよー!」
四大熾天使であるミカエルとガブリエルとラファエルとウリエルを念力で浮かしてから走る俺だが、ミカエルは何か言っているが無視してからサーゼクスら現四大魔王を念力で浮かした。応援していたセラフォルーも一瞬何事?と思ったようだ。
「お前ら四大魔王も来い、説明は後程するが暴れるなよ?」
「おや、ミカエルら四大熾天使を浮かしているが私ら現四大魔王が借り物なのかい?」
全員を浮かす事に関して力を使うので、暴れる事はなかったが一緒にいたミカエルらと話していたサーゼクスらだった。堕天使陣営に行くと目当ての人物がいた事で、シェムハザとバラキエルを浮かすが肝心のアザゼルがいないので俺はシェムハザに聞くとテント内で寝ているらしい。なのでハリセンで起こした。
「いってえな、誰だ!って一ちゃんか・・・・四大熾天使に四大魔王とウチの幹部と副総督が浮いているが一体何事だ?」
「詳細はゴールしてから言うが、コイツらも借り物なのでね。さっさと来い」
合計十一人浮かしながらだったが、重さを感じないままゴールまで走り切った。
『ソレスタルビーイングの選手が一位でーす!』
一位を取れた事で皆を解放したが、皆の疑問は一緒だったので代表としてミカエルとサーゼクスとアザゼルが残った。
「ところで一誠さん。何故我々が借り物だったのですか?」
「私としても不思議だが、書いてある封筒にあったようだね」
「ホントだぜ・・・・俺は寝ていたが一ちゃん以外から起こされたら光の槍で攻撃している所だ」
流石に天使・悪魔・堕天使のトップ陣営らを念力で浮かしたので、リハビリ以上の体力を使ったのか少々息切れしていた。そして息を整えてから俺は封筒に入れてあった紙を見せると全員納得する顔であった。
「三大勢力の首脳までは納得出来ますが、小さい文字で幹部と同レベルの者らも対象とは」
「なるほど、だから一誠君は四大熾天使と四大魔王と総督と副総督と幹部を引き連れた訳か。それにしてもこれに関しては、一誠君以外の者には無理な借り物だね」
「だなぁー。一ちゃんだから良かったもんだが、それ以外の者らは勇気とそれなりの者じゃないと無理があるな」
「全く誰だ、こんなのを書いたバカな輩は。各勢力の者らにとっては敵みたいなもんだ」
本来ならシスコンなのだが、難易度マックスのを選んだ事で何とかなった。個人競技は全勝しているので、このまま勝てば総合優勝頂きだぜ。玉入れ競技まで休む事となったが、リハビリ以上に使ったのでフェニックスの涙改を使ったので体力全回復となった。
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