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宇宙人ではない

作者:ソウクイ
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入学

 




現在地IS学園、四組の教室、今日初めてこの教室に入った。周りには女子だけ…他はクラスでの友人作りを始めてる。
女子生徒特有のキャイキャイしてる周りに合わせられず一人。元男にこの空気は辛い。


少しミスを犯したけど学園の合格通知は来た。

それは予測できた。

同時に家に……代表候補への打診の連絡が有るとは予想外。打診は数ヵ国から有った。切っ掛けはあの時の試験しか思い浮かばない。思いだせばあの時の試験に見学者が異様に多かった気がする。

試験管でなくあれはスカウト。

試験官には勝利した…けど其だけで打診が有るもの?
…………そう言えば原作では代表候補のヒロインの一人と相手が自爆した主人公以外には、試験官に勝利した受験者は居ないとうい話が……?あれは主人公の組だけ?試験管への勝利が予想より大きい?適正の事もある?


けど代表候補の地位には興味はない。興味ないと言うより本当に要らない。将来的に戦争に駆り出されそうな地位なんて欲しくない。それに操縦者でなく……この学園で目指すのは整備科。……試してみたい事がある。

……アニメだと気にならないけど、女子高生が殺傷兵器を造るのはどうなんだろう。それを言えば乗ってる段階で可笑しい?



「皆さん席について下さい」

教師らしき人が来た。ワイワイと席につくクラスメイト。

「皆さん席につきましたね?私はこの四組の担任に成ります。レワン・セルティナと言います。皆さんどうぞ宜しく。それでは自己紹介から始めましょう。藍田知世さん」

金髪グラマー。

「はい、私は藍田知世と言います。皆さんとこのIS学園で切磋琢磨しIS操縦者として大成したいと思っています。夢は国家代表と成る事です。宜しくお願いします」

ア行から始まった自己紹介。……代表、何人かライバル心むき出しに見てる


ス行で宇宙人とか言い出す生徒が居なくて良かった。

…変わりにサ行で更識簪。

自分見たいに姿が同じだけの紛い物でなく本物。
…と言うことは…原作の時期、一組に主人公勢力が存在する?

だったら男性初のIS適合者として騒ぎが起きてたのが判った筈。……もしかしてこの世界のアニメを見るのに夢中に成ってた時に騒ぎが起きてた?



内気な性格設定なのに二門の荷電粒子砲に山嵐(計48発のミサイルの雨)なんて装備を造る恐い娘。

原作キャラが居た。一番好きな原作キャラ。……男の時に会いたかった。自己紹介は普通だった。名前と出身校だけの原作主人公と同じレベル。

……自分は何て自己紹介をする?……無難に行くか恥は書き捨てで行くか…

「私は戸部手志那ッス!友達に成ってくれるならテシッて呼んでほしいッス!希望は整備科!自分だけのオリジナル武器を造るのが夢ッス!宜しくお願いするッス!」 

トの人、タ行がもうすぐ終わる。

「次、……長門由妃さん」

呼ばれた。容姿に合わせた何の捻りもない名前。……漢字は違う。

それよりまだ自己紹介を決めてない。……前のを真似する。

「……私は長門由妃、友人と成る人物にはユキちゃん又はユキッちと呼ばれる事を望む。専行は整備科希望。目標、魔改造したIS」

上手く言えた。……視線と空気が変な風に感じるのは気のせい?気のせいだと思う。思いたい。

何故かクラスに少しの沈黙が落ちた。

「つ、次の人、の、野間恵さん」
「え、はい」

空気を読んだ…読まれたのか…自己紹介は続いた。






「渡里瀬菜…宜しくお願いする」

ワ行、最後かな?

「はい、最後まで行きましたね。其では皆さん。皆さんはこれからIS学園の生徒と成る…そのつもりで来たのですよね?
ですがその前に聞いて貰いたい事が有ります。
…皆さんは此れからISについて学ぶことに成ります。皆さんはそのつもりで来たのですよね?だったら此だけは自覚して下さい。ISはスポーツの側面も有りますが、私達が扱うのは兵器であり人の命も奪えるモノ何です。ISは使う人次第では危険物と成ります。誰でも扱って言い訳じゃ有りません。

皆さん例えば拳銃を持ってる人をどう思いますか?

もし拳銃をオモチャの様に扱う人物が持ってるならどうなりますか?相手を殺せると自覚なく発砲すればどうなりますか?

拳銃を扱うのには資格と覚悟が要ります。当然ですが拳銃が凶器だと武器だと理解しない人には扱う資格は有りません。資格もなく持つ人間はただの犯罪者です。

そしてISは拳銃より遥かに強大な兵器です。拳銃より多くの人の命を奪える兵器です。

もしISを兵器だと自覚せずに使えばどうなりますか?ISの兵装を使えば何十人、何百人の人を殺せます。人を殺す覚悟はありますか?」

……人を殺す覚悟?……無い。

元から其が嫌で代表候補等には最初から成るつもりは無い……整備科でも間接的には殺人の手伝いをすることになる?IS学園を卒業したらISと関係ない所に就職したい。

……周りの反応は恐れてるのか暗い顔をした生徒も居るけど大半は反応が薄い。元から自覚してたかどうでも良いと思ってるかのどちらか。顔をしてめてるのは後者なのだろう。


「自覚出来ない人も要るようですね…余り話したく無いことですが……有る屑のIS操縦者の話をします。」

「く、屑ですか」

「ええ屑です。…これは世間には隠されてますがその屑の実話です。
……有る軍に入った軍に入ったのに関わらず兵器だと自覚をしてない屑のIS操縦者の話です。そのIS操縦者は女性至上主義者で男性等要らないと言う考えの持ち主でした。軍隊は基本的に男が多いのにですよ?彼女は年若く入隊したばかりなのに、自分より上の階級の人間をただ男だと言う理由で敬わず怒られてもIS操縦者だと威張り散らしました。最終的にどうなったと思いますか?」

「出世して男に文句を言えなくしたとかですか?」

……話の流れ的に絶対に違う。わざと?
 
「いえ、屑はISで殺人を行った事が発覚し秘密裏に処刑されました」

息を飲んだ音が聞こえた。

「な、何で処刑なんて」

さっきわざと変な事を言った生徒。
……殺人をしたからと聞いてなかった?

「言いましたよね殺人をしたからです。それも屑が使ったのはISの兵装、ISの兵装を無断に使ってです。殺害されたのは何度も注意してた上官に近くにいた士官、計四人だったそうです。殺害した屑のIS操縦者は何と言ったと思います?殺す気は無かったですよ?ISの兵装を使っておいてそんな事を言ったんです。殺した動機は怒られたからです。本人は事故だと主張してましたよ。自分はISで少し脅そうとしただけなのに抵抗されて誤射してしまった。自分でなく抵抗した相手が悪いと言ったんです。皆さん拳銃を向けられて抵抗した人が悪いとバカな事を思いますか?いえ、ISの兵装ですからバズーカや戦車砲を向けられた様なモノですね。殺された人達はバラバラに成ってたそうですよ。」 

「な、何でそんな話を」

「何故ですか?これからISに乗ろうと思っている貴女達は知らないといけない話です。
これが自覚しなかった女性の末路の一つです。最後は柱に括られて目隠しされた銃殺刑。歳はまだ二十歳にも成ってなかったそうです。あ、この話は隠された事情も有るので話を広めないで下さいね。」
  
柱に括られて銃殺刑、日本でない?

「あ、あの銃殺刑って、そ、それは何処の国の話ですか?」

「国は……特定される可能性が高まるので流石に言えません。まぁ此処までやればどの国でも罰は違いますが自由な人生は確実に終わりますので、国を気にしても意味はないですよ。

さて、もう一つ小さな例を上げればISを使い男性を脅迫をした有る国の代表候補が居ました。実際にISを展開してませんがISが使えると脅しただけです。
この場合はどうなると思いますか?……ああ、その有る国は国家代表の品格を気にする国で、更に代表候補を追い落とそうと嫉妬した女性が脅された男性を擁護してたので、変に守られる何て事は無いですよ。

答えは代表候補の地位没収に懲役、苦労も水の泡で更に前科者の汚名が付けられました。

……社会に出て女性が絶対に強者何て事は無いですよ。同じ女性も敵に回る事も良く有りますから。」

ざわめいてる生徒は女性が強者だと考えてた様。

「私が何を言いたいか判って貰えましたか?ISを兵器だと自覚出来ない人はハッキリ言って危険です。他人にとっても本人にとってもです。牢獄で過ごしたり処刑されるなんて嫌でしょう?

自分達が扱うISが兵器だと自覚できない人はISを学ぶ資格も有りませんし、私は犯罪者を育て上げたいとは思いません。ISを使うなら最低限の自覚を持ってください」

……少し厳しいけど普通な話だと思う。
女子高生の授業としては恐いけど……当たり前の話、教えられずにいた方が酷い事になる。 
けど当たり前の話にショックを受けてる生徒が多い。

1度だけ見たアレのせい?

TVでしていたIS対IS。

武器の威力は画面からでも解るぐらいに凄かった。
けど血の一滴も出ない。ハデなだけでどちらも死んだりしないISの勝負ばかり見てるからISを兵器だと自覚しにくい?

「ああ、あとこれは個人的な忠告ですが女性至上主義には成らない方が良いですよ。女性だけの社会は何かと大変ですから……それに男性が避けますよ。

……嫁ぎ遅れとか…売れ残りとか言われたく無いでしょう。……お見合いの失敗回数が二桁とか嫌でしょう?」

最後の言葉が元男の自分でも妙に心に刺さった。先生が女性至上主義が嫌いなのは判った。

「……もし女性至上主義で良いなら……相当キツい性癖の男性か、女に走るしかないと言う状態になりますよ?まぁ女性至上主義者ならお相手は沢山居ますが……女性至上主義者って恋愛関係も女性なのが多いですから…………ホント」


何故か実感を持ったレワン先生の最後の呟き。聞いてはいけないそう感じた。本能?

なのに一人の無神け、勇気有る女生徒が聞いた。  
レワン先生は普通に男性が好き。なのに某所で働いてた時の同僚、とある女性至上主義者は女の子(性的に)大好き…………二人きりになってしまった。

話はとてもエグかった。

……多分このクラスから女性至上主義者が激減した。


それから特に何事もなく初日の授業が終わった。








今は寮の部屋に向かっている。部屋番号は167号室。160番代はこの辺り。部屋は近くの筈……あった。
同居者は誰だろう……変な予感は気のせい?こう言う時はアニメとかではテンプレ、御約束、運命が起きる。

167号室、一応ノック。

返事が聞こえた……ドアを開けると……予測通り。

「……ヨロシク」

簪さん。

……微妙にキャラが被ってる気がする。











 
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