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宇宙人ではない

作者:ソウクイ
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試験

「今から入学試験を執り行う。受験番号75番準備は良いか?」


宣言するIS学園の試験管、試験を受けるのは自分。

内心でタメ息をつく。来てしまったIS学園の入学試験。

…自分は打鉄(ウチガネ)と言う学園で主流の第二世代型のISを纏って浮遊している。


目の前には水着みたいなISスーツに同じくISを装備した20代半ばの試験管。よくあんなの平然と着れる。

……自分も同じで際どいけど、……胸が……。


ISスーツの際どさは原作の目的は絶対にエロ、現実的には、機能の問題で身体にフィットさせないといけない。

ISスーツは一応納得がいく理由はある……納得がいかないのはIS本体が手足以外ほぼ丸出しな形状。

何でISの装甲は身体で重要な位置に無い?防弾チョッキで考えたら手足に防弾する部分があって胴体が何もない。ISスーツに防弾製が有っても薄いのに変わらない。頭なんて完全に丸だし。


理由としては絶対防御のシールドバリアが有るから必要ない。……シールド防御が有るからって装甲ないのも隠せるモノを隠さないのも可笑しい。違和感が有る


ISにもフルスキンと言って全身が装備で覆われるタイプも現存するのに、今みたいな顔が身体が出るタイプが多い。原作の性能を考えた限りフルスキンが性能が劣る事も無い。

なのに顔や身体を隠すのはダメと言う主流。

ある雑誌の情報だと……ISは兵器でなくスポーツ競技。だからフルスキンはスポンサー獲得の為に避けられるそう。……グラビア枠?……軍事転用は確か禁止されてたけど

ISの元を辿れば宇宙に出るためのスーツ。

…宇宙から兵器、兵器からスポーツ、IS本来の目的から随分とずれてる。……平和的で良い?




「では始めます。」


試験管が開始の合図と共に銃を装備、ISの銃口を向けてきて同時に発砲。
此方は腕の向きから射線を予測して銃撃を回避する。避けながら相手ISの機動パターンを観察。……回避に専念すれば当たらない。


「……素人相手に当てられない?」

苛立ってるのか熱が帯びてきてる?連射で撃ち込まれる射撃を右に左に波に揺れる様に回避。

……予想以上にISを上手く動かせてる。



何でこんな所でこんな事をしてるんだろう。

原因は…何故かあったIS学園の受験の通知。

初めて見たときは受けたくないと思った。

受けないと連絡したら……説教をされた。
何れだけの人がIS学園に入れなくて涙を流してるとか、何れだけの幸運か解ってますかとか怒られた。

最後まで粘った…けど…自分のIS適正がS。

……いつ調べたかは知らないけど…Sは…世界王者クラスの適正。……Sに認定されるのには実績も必要だった筈なのにS。もし入学しないと狙われるレベルの素質、適正だと言われたから断れなかった。


この世界の事を入ってきた知識でなく本当に情報が正しいのか実地で色々と調べた。

情報は殆ど正しかった。

女尊男卑は本当に酷い状態。男を格下や奴隷だと本気で思ってそうな本当に酷い女性を何人も目撃した。前の世界なら頭が可笑しいと思われる女性が外を出歩いただけで何人も遭遇。
 
原因はISが女性しか乗れないから。ISを使える女性は男より偉いと本気で思っている。ISを乗れるのは一部の女性だけで……自分は乗れないのに。

ISは……悪い意味で社会現象を起こしている。

ISは現行最強の兵器。最強の兵器が使える女性は偉い。だから男より優位に立てる。極端に言えば脅迫、ISと言う力で男性を脅迫してる状態。

……インターネットの有る男性専用サイトだと、ISの破壊やISを使う女性そのモノをターゲットにしてる犯罪予告が頻発。…不平不満はだいぶ多い。

今は不満で済んでる。…けど何年もしたら大きな爆発が起きるかもしれない。それだけこの世界の一部の女性が害悪。……元男としてはこんな女性を活気ずかしてるISは余り好きじゃない。


この状態で……ISが最強なんて言葉が無くなればどうなる?IS発表時だとISへの対抗戦力が無かった。

けど今なら有る。

ISに有効な兵器はISが使う兵器としてある。ISを倒すだけならIS兵器をIS抜きで使えれば良い。


今無くても元々ISは兵器用でなく宇宙用、対抗する手段はその内に出てくる筈。








けど試験は受ける。


試験を受けるのにISの知識はIS学園に入る分には問題はない。

問題はこの身体の使い方。素のスペックが高すぎる。


試験までの時間この身体を使う事を慣らしてたけど未だに万全な使い方は出来ない。自由に使えないのと目立たない二つの理由で、今は情報操作で身体能力をだいぶ下げている。

だけど身体を動かす練習をしてたのが良かったのか、ISの適正のお陰もあるのか、今はISを自分の手足の延長の様にだいぶ自由に動かせる。


開始から五分、相手の射撃は1度も当たらない。


「く、当たらない」

ハイパーセンサーの機能のお陰と相手の銃を射つタイミングが単調だから回避が容易に出来る。攻撃に移れるけどISを慣らすのにもう少し手伝って貰う。

『受験番号75番、攻撃をしろ!』
 
試合なら兎も角、試験だからか回避だけしてるのはダメみたい。……打鉄の銃を転送。

回避しながら射ち返す。銃を射つのは初めてだけど、銃の撃ち方は試験管から学んだ。自分がやり易い様に改良して実践。

相手は避けようとしてるけど動きのパターンは避けてる間に十分に観察した。機動を予測して銃弾を撃ち込む。

……相手のシールドエネルギーは順調に減少してる。

相手は機動を読まれてるのに気付いてパターンを変えてきた。けど動きを変えたせいで動きがぎこちない。攻撃に討って出るチャンスに見える。

侍風な打鉄を装備しといて射撃だけで終わらすのは勿体ない。剣を転送。PICで一気に接近。

「くぅ!」

相手は慌てた様な射撃で此方の接近を阻止、牽制してくる。

距離を詰める事を優先して相手射撃は最小限だけ避ける。当たる確率は高い。けど間合いに接近するまではシールドは持つ。ギリギリで避ける練習にもなる。


残り数メートル、流石に当たり初めてシールドエネルギーが減少した。けど計算通り十分に持つ。……可笑しい。それは経験者の試験管の方が判ってる筈、何で相手は射撃だけで……?

不味い。

銃を持ってない手にいつの間にか相手も剣を転送してある。避けるのに集中してて気づかなかった。当たる。もう勢いは止まらない。まさかこのタイミングで合わせられるのは予想以上……相手はどうやら接近した方が得意だったみたいだ。


相手は此方が間合いに入る寸前に一気に剣を振った。
……油断した。このタイミングだと防ぐのも避けるのも難しい…今のままだと当たる。 

…下げていたスペックを少しだけ上昇させる。

上がったスペックに任せて片手で剣を振り相手の不意を突いた剣を弾く。相手の剣は飛んだ。そして剣を失って唖然としてる相手に勢いのついたまま蹴りを叩き込む。相手は地面に落下した。

相手のシールドエネルギーはまだ辛うじて残ってる。…けど動かない…気絶したみたいだ。此方は被弾覚悟の接近の時に二割ぐらいエネルギーを失った。

あのまま剣の直撃受けたら四割になってた。

……人並みに抑えてた身体スペックを上昇させる羽目に為るとは思わなかっ…た……別に当たっても十分に勝てた…何で剥きになってスペック上げた?自分でも意外に負けず嫌い?

『……75番試験は終了だ』

試験は終ったみたい…降りよう。






 
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