ソードアート・オンライン~隻腕の大剣使い~
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番外編隻腕の大剣使いと愚かなる殺戮者1
前書き
こんばんは!醤油ラーメンです!
今回は僕の作品初の大イベント!なんと・・・jade色さんの作品、「SAO愚かなる殺戮者」とのコラボ回となりました!
いや~、まさか僕の小説とコラボしたいと申される方はいらっしゃらないと思ってましたから。嬉しい限りです!
それでは!番外編コラボストーリー、スタート!
ライリュウside
2024年9月10日第35層・ミーシェ
今オレは以前シリカのピナの蘇生に協力する際に宿泊した宿にいる。その理由はーーー
「・・・美味い」
シリカにお勧めされたチーズケーキを食べるためにここへ来た。口に入れた瞬間広がる甘味、滑らかな舌触り。これはもうーーー
「・・・堪らん」
「何が堪らないの?」
「ん?」
誰だ?人のスイーツタイムを邪魔する奴は。声のする方に目を向けるとーーーピンク色の髪と茶髪のツインテールの少女が。
「ブフッ!シリカ!?リズさんまで!?・・・」
キリッ
「何が「キリッ」よ!いやー、あんたが超甘党だっていうのホントだったのね」
「だから言ったじゃないですかリズさん!ライリュウさんも大分癖になっちゃってますね」
なんでこの二人が一緒にいるんだよ。それにオレがここにいるのが解ってたみたいだなオイ。
「おかげで普段はお目にかかれないモノも手に入ったわ~」
「え?見せちゃうんですか?」
なんだ?何を手に入れたんだ?意味深なセリフを言ったリズさんが握ってるのはーーー《写真結晶》?この世界でカメラの役割を果たすアイテムだけど、何を撮ったんだ?
「激レア!!《隻腕のドラゴン》のスイーツタイムのほころんだ笑顔!!これ売ったらいくらで売れるかしら」
「やめろォーーーーーー!!」
なんつーモン撮影してんだこの人!しかももう現像してるぞ!なんかオレすごい目ぇ細めてる!頬赤らめてる!唇緩んでる!何!?オレいつもこんな顔してんの!?
「リズさん、流石に可哀想すぎますよ!」
「シリカ!」
シリカが助け船出してくれた!今ならシリカが女神に見えてくる!この金の亡者に言ってやれーーー
「第一、男性のスイーツタイムの表情の写真なんて・・・もしかしたら売れるかもですね。ライリュウさん若干女の子顔ですし・・・」
「裏切り者ォーーー!」
なんだよ、シリカまで売る気満々じゃねえか!結局オレをどうしたいんだよお前ら!オレを羞恥心という地獄に陥れたいの!?オレに味方なんていなかったのか!?あとシリカ、女顔ってなんだ!初めて言われたぞ!
******
「ハァー・・・なんとか写真データの抹消には成功したな・・・」
なんなんだよあいつら、絶対オレを見つけて尾行してたんだろ。でなけりゃ《写真結晶》なんて持ってないだろーーー
「しかし参ったなぁ~・・・」
少なくともあの二人がいると絶対スイーツなんて食えない。オレが甘い物食べてる時に絶対物陰に隠れて撮影する気だ。というか、あれ盗撮だよな?しれっと犯罪犯してるぞ。
このままログハウスに帰るかーーーと思ったけど、まだ腹が膨れない。SAOでの食事は大体現実の自分の胃袋と同じくらい入る。オレは結構大食いだと周りから言われてたし自分でもそう思う。未来の飯を食うという手もあるがーーーはっきり言ってオレの妹は料理下手である。オレも未来も本職は攻略組のトッププレイヤーであり、《料理スキル》を上げる時間も案外他のことで潰している。
とにかく、この今もなお音を鳴らしている腹に何か入れないとーーーそう考えているうちに、オレの視界にある店が入る。あれはーーー
「中華料理店・・・」
この前までここにこんな店あったっけ?ーーーそうか、誰かプレイヤーがここに店を建てたのか。少なくとも味に自信がある《料理スキル》の持ち主が。よし、ここで食べよう。中華料理なら甘い物も少ないだろうし、すぐそこの宿屋の角でオレを監視してるリズさんとシリカも撮影を諦めるだろう。それに中華料理も久し振りだし、たらふく美味い中華を食そうではないかーーー
******
と考えていた10分前のオレをぶん殴りたくなった。なぜならこの店ーーー
「ひでぇなこれ・・・」
非常にという訳ではないが不味い。特にこの餃子なんて水気がすごい。よくもまぁこれで店を持とうなんて思ったなぁ。オレはウェイトレスNPCを呼び席を立ちこう叫ぶーーー
『シェフを呼べぇぇい!!』
料理に文句がある時はこう叫ぶのは案外定番だとは思う。オレ達の叫びは店中に響き渡りーーーオレ達?
「なんだ?お前もここの店主に文句があるのか?」
「え?あ、ああ・・・」
誰かがオレに声を掛ける。その声のする方を見るとーーーボサボサの茶髪で、少し鋭い目付き、赤いシャツの上に灰色のパーカー、黒のグローブにゆったりとした深緑のズボンを着た、身長がキリトと同じくらいの少年がいた。
「久し振りの中華料理だと思ったのに・・・酷いモンだよ。特にこの餃子が」
「奇遇だな。俺もだ」
どうやらお互いーーー目の前にいるこの店のシェフのおっさんへのクレームの内容は同じらしい。
******
結局あの不味い餃子を客に出す店はしばらく休業になり、しっかりと《料理スキル》を上げるように言いつけておいた。
「あんなセリフ言ったの人生で初めてだぜ」
「俺も滅多に言わないな」
滅多にって、少なくともオレの隣に立っている偶然出会った少年は何回か言ったことあるのか?すげぇなソレ。にしてもーーー
「はぁ~、食欲失せた。ストレス発散に狩りにでもいくか・・・」
オレは消え失せた食欲の代わりに沸き上がったストレスを放出するためにモンスターを狩りに行くことにした。システムウィンドウを操作し、アイテムストレージから愛剣《ドラゴンビート》を取り出し、転移門に足を向けるーーー
「ちょっと待て」
突然、オレと同じクレーマーの少年がオレを呼び止める。
「それ・・・《両手剣》か?」
「え?・・・《ドラゴンビート》のことか?《刀》みたいだけど一応《両手剣》だぜ」
この《ドラゴンビート》は形状がドラゴンの横顔みたいな鍔から海賊の刀のような刃が角のように生えているため、他人には「西洋風な刀」と間違われることが多い。おまけに「防具と武器がミスマッチ」と言われることも少なくない。
「竜を模した《両手剣》、赤い忍者装束、鱗模様の籠手、・・・《隻腕のドラゴン》ライリュウってお前か?」
「・・・そうだ」
こいつーーーオレが名乗ってもなかったのに、オレの正体を的確に言い当てた。ーーーいや、オレは攻略組のトッププレイヤーで、キリトやアスナさんより外見の特徴は強い。街中で見掛けたらよく見れば多分大体の人は解ると思う。
「お前のバトルに少し興味がある・・・」
「ッ!?」
目の前のこの少年はシステムウィンドウを操作してオレにメッセージを送りつける。その内容はーーー
「デュエル申請・・・?」
オレはこの少年のデュエル申請に少し驚いている。こいつはーーーオレとデュエルしたいのか?それは別に構わないけどーーーなんだろう。他のプレイヤーとは少し雰囲気が違う気がする。
「ところで、お前名前は?」
「そうだったな、俺の名は・・・」
この時初めて知った。これがーーー
「・・・スイだ」
殺戮者スイとの出会いだった。
後書き
いや~、初めてのコラボ回緊張した~・・・。jade色さん、スイさんのキャラってこんな感じですかね?メッセージでキャラデータを頂きましたがやっぱり難しいですね。あっ、今度ライリュウのキャラデータもまとめて送っておきます!そちらでライリュウを出すときに役にたつと嬉しいです。
ご観覧ありがとうございました!次回もお楽しみに!
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