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『夢の中の現実』

作者:零那
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『零那の想い』



零那は、家に在ったもうひとつの刺身包丁を鞄に入れてる。
何にもくるまず、いざとなった時、すぐ刺せるように。

銃は入手出来なんだ。
昔のようなルートは、もう無かったから。

大丈夫。
昔は狂ったように確実に殺す為の刺し方を練習してた。
落ち着いて狙い定めて行けたら、父さんじゃなく、零那が確実に逝かす。

終わらすんや。

下らん復讐劇に父さん巻き込むんは間違ってる。
父さんは今から新たな人生を歩むべきなんやから。
其の為に父さんの貯金したんやから。

何が何でも父さんには罪を背負わしたく無い。

亀井サンにもメールで伝えた。

いざとなった時、父さんを『無事』に『無罪』で連れて帰るのが亀井サンの義務やと...。

それと、新たな人生をキチッと歩み進めてくれることを祈ってること、伝えて欲しいと。
零那は零那のやり残したことをしたまで。
他の誰も何も悪くないと。

もし、零那が死刑とか無期懲役とかに成らず、もし仮に...もし...生きてる間にまた逢うことが出来たなら、父として娘を叱って欲しい...。

単なる、ありふれた復讐殺人事件のうちの、ひとつ。
大したことはない。

零那が見てきた理不尽な世界の理不尽な殺人に比べたら、ごく平凡な殺人事件。


 
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