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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1254話

 プロスペクターとの会談が終わり、次に俺が案内されたのは個室……ではなく、意外な事に食堂だった。

「アクセルさんも戦闘が終わったばかりでお腹が減ってますよね? ナデシコはその辺の軍艦と違って料理も非常に美味しいんですよ。腹が減っては戦は出来ぬと言いますし、是非食べてみて下さい。ああ、勿論この食事に関しては私の奢りとさせて貰いますから」

 食べ物で俺を釣れると思っている訳ではないだろうが、それでも俺に対して好印象を抱かせようとしているのは分かる。
 ……まさか、俺を毒殺してミロンガ改を奪おうとしているとかだったらちょっと面白い展開になるんだろうが、このプロスペクターと呼ばれる男がそんな単純な行動をするとは思えないしな。
 ともあれ食堂の中を見回すと、数人の客がいる。

「ったく、冗談じゃねえぜ。いきなりの停電で、しかも電気関係がトラブって……その見直しでもう暫くは掛かりそうだ」
「あー、さっきのか。こっちも似たようなもんだよ。何であんな風になったのかは分からねえが」

 整備員と思しき者達の声が聞こえてくるが、多分それはさっき俺のDNAを調べようとした時の件なんだろうな。
 俺を見ても特に何も言わないのを見ると、俺がこの艦にやって来た時には格納庫にいなかったんだろう。
 隣にいる人物に視線を向けると、その本人は特に気にした様子もなくしれっとした表情を浮かべていた。
 まるで自分は関係ありませんとでも言いたげな、そんな様子。
 もっとも、それを言うのなら直接的な原因は俺なんだが。

「さて、アクセルさん。何を頼みます? アクセルさんの好きな物を頼んでも構いませんよ? 今回は私の奢りです」
「そうか? じゃあ、カツ丼とチャーシュー麺を頼む」
「……随分食べますね? 出来れば残したりして欲しくはないのですが……」
「心配いらない。このくらいなら余裕だからな。ああ、それとついでに食後のデザートとしてソフトクリームを頼む」
「あ、あははは……あははははは……」

 俺の方を見ながら、引き攣った笑みを浮かべるプロスペクター。
 ゴートの方もどこか呆れた視線を俺の方へと送っている。
 俺よりも身体はでかいんだから、このくらいおやつ代わりにペロリと食べられるんじゃないか?
 ともあれ奢るという言葉に嘘はなかったのか、プロスペクターは俺の希望通りの料理の食券を買ってを注文する。

「あれ、プロスさん。何をしてるんですかー?」

 厨房の方へと話し掛けているプロスペクターに、不意にそんな声が掛けられる。
 そちらへと視線を向けると、そこにいたのは……何と表現するか、大中小の3人。
 今プロスペクターに声を掛けたのが、中の女。三つ編みとソバカスが強い印象に残る女だ。
 で、小はさっきの映像モニタに出て来た、ルリとかいう子供。……いや、少女。
 大はこのその言葉通りに3人の中でも最も年上に見える女。
 余程自分の身体に自信があるのだろう、胸元が大きく開いた服を着ている。
 ……その辺の男にとっては、明らかに目の毒だろう。
 事実、食堂にいた整備班と思われる男達の目の殆どがその女の方へと向けられている。
 俺も、レモン達のような極上の美女が恋人にいなければ、もしかして目が奪われていたかもしれないな。
 ハニートラップ要員として考えると、相当危険かもしれない。
 そんな風に思っているのが分かった訳でもないだろうが、ふとその女の視線が俺の方へと向けられる。
 そして何故か浮かぶのは驚きの表情。
 俺を見て何を思ったのかは分からないが、次の瞬間には面白そうな笑みを浮かべて近づいてくる。

「初めましてって言うべきかしら。アクセル・アルマーさんよね?」
「俺の名前を知ってるって事は、ブリッジ要員か?」
「そ。ナデシコの操舵士を務めているハルカ・ミナトよ。……へぇ、こうして見ると普通の人にしか見えないのにね。まさかこんな人が木星蜥蜴を1人で全部倒しちゃうなんて。それに……ほら、貴方の事、ルリルリが睨んでるわよ?」
「ルリルリ?」

 妙な名前にその視線を追うと、そこにいたのはルリとかいう女。
 ルリとルリルリ……あだ名なんだろうけど、ちょっと面白いな。
 にしても、この女……ハルカ・ミナトとか言ったか。
 テンカワ・アキトって名前の並びを考えると、多分ハルカが名字でミナトが名前……か?
 ハルカでも、ミナトでも、どっちでも名前のように思えるから、微妙なところだ。

「お待たせしました、アクセルさん。カツ丼とチャーシュー麺です」

 プロスペクターが、さっきの女と一緒にこっちに戻ってくる。
 その手のお盆には、言葉通りカツ丼とチャーシュー麺が乗っていた。
 三つ編みの女の手には、紅茶のカップが3つとクッキーの入った大きめの皿。

「ソフトクリームは食後にまだアクセルさんの余裕があったら持ってきてくれるそうですよ」
「そうか、悪いな」
「うわぁ。……その、本当にそれを全部1人で食べるんですか?」

 三つ編みの女が、カツ丼へと箸を伸ばした俺に驚きの表情を向ける。
 いや、ハルカとルリの2人も同様に俺に驚きの表情を向けていた。

「ああ。このくらいなら俺には文字通りの意味で朝飯前だしな」
「……それで朝食前なんですか? ……信じられません」

 表情を変えずに告げるルリ。
 身体が小さいのを思えば、多分小食なんだろう。

「そんなに食べて、太るんじゃない?」

 どこかからかうように告げてくるハルカだったが、俺はカツ丼を食べる前に小さく肩を竦める。

「こう見えて、いくら食べても太らない体質だからな」
「……貴方、女を敵に回したわよ」
「そうです、敵に回しましたよ」
「……敵に回したらしいです」

 実際、俺の場合は食った物が魔力として吸収されてしまう以上、一般的な意味で太るという事はない。
 そもそも、太れるのか?
 身体は10前後、10代半ば、20代といった風に大きさを変えられるけど。

「そう言われても、これは体質だからしょうがない。……で、そっちは? 俺の名前は知ってると思うから、自己紹介は省略するけど」

 羨ましげ、あるいは恨めしげな視線を向けてくる3人……いや、ルリは殆ど表情が変わってないので、残り2人の視線を受け流しながら、三つ編みの女に尋ねる。

「あ、自己紹介がまだでしたね。私はメグミ・レイナードって言います。よろしくお願いします」
「ああ。まぁ、ナデシコに雇われる事になったら、よろしく頼む」

 何だか随分と明るいな。
 素の性格なのか?

「それより……ねぇ、プロスさん。この人って結局どういう扱いになるの? 元々ネルガルで雇ってたってのは嘘なんでしょ?」
「あー、それは取りあえず現在不明ですね。この後会社の方に連絡して、それでどうするか決まると思いますから」

 俺の事をそんなに簡単に口にしてもいいのか? そうも思ったが、そもそも俺と通信をした時にブリッジにいたのであれば、それを隠す必要もないという事か。
 ……まぁ、食堂のような場所でそれを言うのはどうかと思うけど。
 いや、もしかして何らかの理由で外に通信とかが出来ないようになっているとか?
 その辺の事情に関しては、ナデシコに正式に所属する事になってから調べていけばいずれ分かるか。

「ふーん。ね、木星蜥蜴を簡単に倒してたけど、どこでそんなに強くなったの?」

 胸元を大きく開けた服で、胸の谷間を見せつけるようにして尋ねるハルカ。
 有り触れた色仕掛けではあるが、ハルカのような美人が、それも普通よりも戦闘力の高い胸を見せつけると破壊力は高い。
 事実、俺の近くにいるゴートは頬を真っ赤にしているし。
 けど……レモン達で色気に対する耐性は十分についている俺に、それは通用しない。

「さて、どうだろうな。男には色々と謎があった方がそれらしいだろ?」
「あら」

 自分でも色仕掛けが失敗したのを理解したんだろう。少し不服そうな表情を俺へと向けてくる。
 もしかして、実はプロスペクターが仕掛けさせた色仕掛けだったりしないだろうな?
 そんな風に考えながら、カツ丼とチャーシュー麺を口へと運んでいく。

「……へぇ」

 カツ丼は、出し汁で煮込んで卵とじにしているにも関わらず、まだカツにサクリとした食感が残っている。
 それでいながら、きちんと衣も出汁を吸っており、しっとりとした食感も楽しめた。
 これ、どうやってるんだ? 煮込んでいるのにサクサクの場所を残すとか、普通は出来ないだろ。
 いや、それが出来るからこそプロなんだろうな。
 つまり、このナデシコの食堂にいる料理人の技量は非常に高いって訳だ。
 ん? 技量? 実はこのカツ丼を作ったのってテンカワだったりするのか?
 そんな俺の疑問を読み取った訳ではないだろうが、プロスペクターが口を開く。

「そう言えば、艦長とテンカワさんはどうしました?」
「あ、艦長なら……ねぇ?」
「ふふっ、テンカワさんも大変そうですよね」
「……バカばっか」

 何だか嬉しそうなハルカとメグミ。どこか呆れたようなルリ。
 そう言えばさっきも名前で疑問に思ったが、このナデシコ世界の名前のルールで考えると、メグミが名字でレイナードが名前になるのか? 改めて考えると、色々な意味でこの世界って奇妙だよな。
 もしかして俺が原作知識を忘れているのも、その辺が関係しているのか? ……まさか。

「テンカワがどうなってるって?」
「あら、知りたいの?」

 俺の言葉が意外だったのだろう。ハルカが少し驚きの表情を浮かべて尋ねてくる。

「まぁ、そうだな。一応戦友って奴に入るんだろうし」
「……戦友、ねぇ。彼が倒したバッタやジョロって、0じゃなかったっけ?」
「はい」

 ルリがハルカの言葉に即座に頷く。
 ナデシコの専用機だけに、どうやらその辺はきちんとチェックしていたらしい。

「だって。なのに戦友なの?」
「あいつが囮をやって敵を引き付けてくれたってのは事実だし……」
「事実だし?」
「いや、他にも俺がこのサセボシティに来る事になったのは、あのテンカワって奴と艦長がぶつかったのを見て、何となく来る気になっただけだしな」
「どういう理由よ、それ」

 どこか呆れた表情を浮かべるハルカだが、勿論それ以外にも理由はある。
 恐らく……本当に恐らくだが、あのテンカワがこのナデシコという原作の主人公なのだ。
 だとすれば、気にしておいた方がいいだろう。
 俺が転移してきた影響で、何らかのフラグを立て損なって死んでしまう……なんて事になったら、ちょっと洒落にならないし。

「ふーん。……ま、いいか。ルリルリお願い」
「はい」

 ハルカの言葉にルリが頷くと、次の瞬間には映像モニタが空中に浮かび上がる。

『ねー、待ってよアキト! アキトーッ!』
『ええいっ、今の俺はそれどころじゃないんだって。プロスさんから報告書を出すように言われてるんだから』
『私も協力するってばぁっ!』

 ……うん。1つ言いたいのは、これだ。
 俺の心配を返せ。
 何がフラグ不足で死ぬかもしれないだ。
 単純にイチャついているだけじゃないか。
 正直、俺は他人がイチャついているのを見て喜ぶような趣味は持っていない。
 いや、これがおれの知ってる奴だったら話は別かもしれない。
 例えば、イザークとオウカとか。
 けど、殆ど見ず知らずのテンカワと艦長がこの有様じゃな。

「あの2人、バカップルって奴か?」
「うーん、どうでしょうね。私から見ると、艦長が一方的にテンカワさんに熱を上げているように見えますけど」

 メグミの言葉に、他の全員……ハルカ、ルリ、プロスペクター、ゴート。……それ以外にも、食堂にいる者達全員が頷いている。
 色々と団結力が強いのは確からしいな。
 そんな風に会話をしているうちに、カツ丼を全部食い終わり、チャーシュー麺もスープまで飲み干す。
 すると、それを見越していたかのように……いや、実際に見越していたんだろうが、ソフトクリームが持ってこられた。

「はいよ、お待ち」

 20代後半の女。
 恐らくこの女が食堂を仕切っているんだろう。
 そういう意味では、どこか四葉に似た雰囲気を感じる。
 性格は正反対のように見えるけど。

「……ちなみに、本当にちなみに聞くんだけど、もしかしてゴーヤクレープとかないよな?」

 あの恐怖の食べ物が、この世界にも存在するのか? そんな思いで尋ねてみたのだが……

「は? ゴーヤクレープ? そんなのはないよ」
「そうか」

 ふぅ、どうやらゴーヤクレープの魔の手はここまでは伸びていなかったらしい。
 だが、それが俺の致命的なミスだったと気が付くのは、次の瞬間。

「けど、ゴーヤクレープか。なるほど。ちょっと試してみようかね」

 女が、いきなりそんな事を言い出したのだ。
 それに慌てたのか、プロスペクターが口を開く。

「ちょっ、ホウメイさん!?」

 なるほど、この女はホウメイというのか。

「なんだい? 美味い食べ物を作るのは料理人の勤め! ゴーヤだろうが、クレープだろうが、それを成し遂げてこそさね」
「アクセルさん!?」
「あー……悪い。ちょっとした冗談だったんだよ。ホウメイだったか。ゴーヤクレープの事は忘れてくれ」

 取りあえず……何だかんだとグダグダだったが、不思議と賑やかな時間は過ぎていく。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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