レインボークラウン
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第三百六話
第三百六話 失敗続き
亜美は塩を造ることをはじめた、フラスコ等理科の授業で使う器具を幾つも出して錬金術を行っていく。だが。
一回目も二回目もだった、そして三回目も。
亜美は失敗した、十回目でこんなことを言った。
「うちこんなに失敗したんはな」
「はじめてですね」
「ご主人も」
「そや、錬金術には自信があるんや」
こうも言った。
「魔法の中で一番好きで得意や」
「はい、その通りです」
「ご主人は錬金術の方です」
セレニティとアルテミスもだ、主の言葉に答えた。
「他の魔法も出来ますが」
「第一はやはり錬金術ですね」
「私達にしてもです」
「ご主人がそこまで失敗されたのを見たのははじめてです」
「錬金術において塩を造ることは難しいと聞いていますが」
「実際にそうなのですね」
「ほんまやな」
あらためて言った亜美だった。
「うちそのこと今実感してるわ」
「そうですね、確かに」
「やはり難しいものですね」
「しかし塩を造ることが出来れば」
「かなりのものです」
「そや、お塩を造られれば」
また言った亜美だった。
「そのお塩をから色々な錬金術を行えるさかいな」
「まさに錬金術の基本です」
「備えるべきものです」
「ですから何としても」
「お塩を造られる様になりましょう」
「ほんまは中学生からの話やけど」
塩を造るそれはだ、実は魔法の錬金術の中では中学生から身に着けてもいいものだとされているものだ。
「やろか」
「そう決めたからにはです」
「やりましょう」
使い魔達も主に強い声で言った。
「早いにしても」
「中学生位のものですしいいかと」
「何度も何度も失敗して」
「そうして身に着けましょう」
「失敗にはめげへんことやな」
自分で言った亜美だった。
「それで絶対にやな」
「身に着ける」
「その心意気ですね」
二匹の使い魔達は主を励ましもした、そして。
実際に亜美はまた失敗した、そしてその次も。しかしそのことにめげることなく実験をひたすら続けていってその日を過ごしたのだった。
第三百六話 完
2016・1・9
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