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レインボークラウン

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第三百五話

             第三百五話  塩は
 塩を造ると決めてだ、亜美はあらためて自分の使い魔達に言った。
「塩はほんまにや」
「色々とですね」
「使い道がありますね」
 使い魔達も応えて言う。
「魔法においても」
「非常に」
「まず魔除けになる」 
 亜美はこの効果から話をはじめた。
「お塩を撒くだけでな」
「怪しい存在はそれで退治出来ます」
「その効果は絶大です」
「しかも錬金術にや」
 それにもというのだ、亜美が得意とするこの魔術についてもだ。
「何でも使える」
「はい、そう考えますと」
「これだけいいものはありません」
「これを造られる様になりますと」
「確かに大きいです」
「しかもこれは魔法とちゃうけど」
 こうも言った亜美だった。
「お料理にも使える」
「ご主人様、それを言われますと」
「どうにも」
 セレニティもアルテミスも主の今の言葉には難しい顔になって述べた。
「あまりです」
「よくありません」
「あくまで魔法のお話です」
「お料理に使えることは事実ですが」 
 それでもというのだ。
「あまりです」
「そうしたお話はよくありません」
「そやな、あくまで魔法やさかいな」
 その中で生み出すものからというのだ。
「言わん方がええな」
「あくまで魔法のことで、です」
「考えていきましょう」
「そやな」36 
 亜美も二匹のその言葉に頷いた、そのうえでこう答えた。
「魔法やし」
「はい、そこはです」
「わきまえて下さい」
「そういうこっちゃな、ほなやってこか」
「確かに難しいです」
「塩を造ることは」
 錬金術においてとだ、二匹は亜美にあらためて話した。
「黄金や宝石に比べれば遥かに簡単にしましても」
「一つの段階です」
 錬金術においてというのだ。
「ですからここは」
「気を引き締めてやっていきましょう」
「何度失敗してもな」
 それでもやっていくことをだ、亜美は決心した。それだけ塩を造るということが難しいことであることを聞いているからだ。


第三百五話   完


                         2016・1・9 
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