転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
マブラヴ
1248話
「んん……あ……」
そんな声が聞こえ、目を覚ます。
声が聞こえてきたのは、俺の真横。
腕に抱きつき、柔らかな胸をひしゃげさせている円だ。
周囲を見回すと、まさに死屍累々……と呼ぶにはちょっと色っぽすぎる様子を見せている。
まぁ、しょうがない。今日リュケイオスで新しい世界に転移するという事で、昨日は朝方までこの全員で思う存分愛し合っていたのだから。
時計を見ると、午前8時過ぎ。
一応昼くらいの転移だからまだ余裕はあるが、それでもそろそろ起きた方がいい。
これから身支度をして、食事をして、軽く準備を整えて……とやっていれば、それだけで昼近くになるだろうし。
特にこの家の場合、女が9人もいるので風呂に入るには時間が掛かる。
……もっとも、その代わりって訳じゃないが、この家の風呂は広い。それこそ風呂と呼ぶよりは銭湯と呼ぶ方が正しいくらいに。
まぁ、俺を入れれば10人全員で風呂に入る事も珍しくないんだから、風呂が広いのは当然か。
更には風呂で色々とする事もあるし……
「うーん……ん……」
俺の腕に抱きついていた円が、目を覚ます。
そのまま……つまり俺の腕を抱きしめたまま身体を動かし、色々と柔らかな感触を味わっていると、やがてその視線が時計へと向けられ……
「ん? え? あれ? えっと……あああっ! ちょっ、皆起きてよ、起きなさいってば! もう8時過ぎてるわ! 遅刻よ、遅刻!」
そんな風に円が叫び、その言葉でこの広いベッドの上で極上の裸体を露わにしていた全員が目を覚ます。
この9人の寝起きの顔を見る事が出来るのは、俺だけの特権だな。
恐らく幾ら払ってでも俺の立場になりたいって奴がいるだろうけど……何があっても、俺はこの座を渡す気はない。
「何よ、円。もう少し眠らせて。まだ起きるだけの体力はないんだから」
美砂が眠気を残した気怠げな声で告げる。
「いいから、美砂。ほら起きなさいって。あー、もう。アクセル君の馬鹿。昨日は張り切り過ぎでしょ。身体中……ほら、皆、お風呂に入るわよ、お風呂!」
「……そう、ね。うん。確かにこのままだとちょっと表に出られないわね。お風呂に入る必要があるのは間違いないわ」
大きな双丘を揺らしながら、マリューが円に言葉を返す。
こうして、円とマリューという俺の恋人の中でも生真面目な2人の手によって、全員が起こされて風呂へと入る事になる。
……まぁ、その風呂の中に俺がいて、何だかんだでまた風呂場で体力を消耗したのは、色々としょうがない出来事だったんだろう。
そうして風呂での一時が過ぎ、ようやく朝食の時間となる。
もっとも、時間がないので今日は本当に簡単なものとなった。
食パン、ベーコンエッグ、野菜サラダ、キウイとパイナップル。
昨夜と先程の風呂で消耗した体力を取り戻すべく、食パン2斤を食べ、ベーコンエッグ12皿に、ボウル2杯分の野菜サラダ、キウイ10個、パイナップル5個をそれぞれ食べる。
今日は未知の世界に転移する日だ。少しでも万全の体調にしておく必要がある。
「はい、アクセル。デザートのショートケーキよ」
俺の食欲には既に慣れているのだろう。マリューは特に驚いた表情も見せずに俺の前にショートケーキ3つが入った皿を置く。
「普段ならケーキを好きなだけ食べても体型の変わらないアクセルを見て羨ましいって感じるけど、朝からショートケーキってのはそんなに羨ましくないわね」
俺の食欲に驚きはしないが、それでも朝からショートケーキを食べるってのは合わないのだろう。シェリルが何とも言えない表情を浮かべて俺の方を見ていた。
「そうか? ケーキとまではいかないけど、どこかの国は朝にチョコレートを食べるらしいぞ? 似たようなものだろ」
「うーん、あたしから見ればどっちもちょっと遠慮したいわね」
「そうだな、こうしてアクセルが食べているのを見ると、食べる量を減らさなければならないと思う時はある。何しろ、私達は時の指輪で不老にはなっているが、それは体型が変わらないという訳ではない。食べ過ぎれば当然太るのだから、アクセルの恋人として、そんな姿を見せるわけにはいかないからな」
「……スレイさんは実働班なのですから、十分身体を動かせるではないですか。私や千鶴さんの場合は基本的に政治班なのですから、身体を動かすには魔法球を使う必要があるのですけど」
「あらあら、あやかったら。そう言いつつも生身での戦闘訓練はしっかりやってるから、心配はいらないでしょ?」
そんな風にしながら食事を済ませると、既に時間が午前10時過ぎ。
その後は皆でのんびりとする。
今日は基本的にレモン達の仕事はない。
俺が転移する日だということで、こうして全員でイチャつきながら昼過ぎまで過ごして、十分に鋭気を養うのだった。
昼過ぎ、今俺は転移区画にいる。
そこには、シャドウミラーの主要な面子の殆どが揃っていた。
いつもと違って少し大袈裟なのは、リュケイオスを使った未知の世界の転移というのが数年ぶりだからだろう。
門世界、Fate世界と、ここ暫くはリュケイオスを使わない転移なり、未知の門なりを使っていたのだから。
そう考えると、確かにこれだけの人数が集まっても不思議でもないか。
「アクセルさん、もし良かったらこれを持って行って下さい。どのような世界に転移するのか分かりませんが、お腹が減った時にでも食べて貰えると嬉しいです」
エヴァと一緒に来た茶々丸が、俺へと弁当箱を渡す。
「ふんっ、感謝するのだな。茶々丸が用意したのは私が厳選した食材の数々を使った特製幕の内弁当だ。間違いなくその辺の店で売ってる弁当とは比べものにならん!」
胸を張って自慢するエヴァ。
確かにありがたいけど、もしかしてこれがフラグになって転移先は料理漫画の世界だったりしないだろうな?
「ああ、悪いな。向こうの世界に行ったら食べさせて貰うよ」
そんな調子で見送りに来た他の面子とも短く言葉を交わし……
「じゃあ、アクセル。気をつけてね」
レモンと唇を交わし。
「アクセル、戻ってくるのを待っているぞ」
コーネリアと唇を交わし。
「気をつけてね」
マリューと唇を交わし。
「お前を信じているぞ」
スレイと唇を交わし。
「アクセルが帰ってきた時には、私の歌はもっと広がってるわよ。だから、なるべく早く帰ってきなさいよね」
シェリルと唇を交わし。
「アクセル君、ご武運をお祈りしてますわ」
あやかと唇を交わし。
「頑張って。アクセル君なら何があっても私達の下に帰ってきてくれると信じてるわ」
千鶴と唇を交わし。
「私をこんな風に恋愛に溺れるような女にしたんだから、責任取って貰うからね」
円と唇を交わし。
「お土産、期待してるからね」
美砂と唇を交わす。
こうして恋人達全員と唇を重ねるだけのキスを済ませ、それを見ていた他の面子からは『暑い、寧ろ熱い!』といった視線を受けながら、俺はリュケイオスの前に立つ。
「レモン、頼む。こっちはいつでもいいぞ」
「分かったわ。……行くわよ。システムXN、起動。転移座標はランダムで。転移フィールド生成開始」
その言葉と共に、俺の全身を光の繭のような転移フィールドが包み混み……
「じゃあ、アクセル。待ってるからなるべく早めに戻ってきてくれると嬉しいわ。……転移」
レモンのその言葉と共に、俺の姿はホワイトスターから消えるのだった。
レモンの姿が消えたと思った次の瞬間、俺の姿は既に別の世界にあった。
周囲には……人の気配はあるが、それでも俺の近くには誰もいない。
俺がいるのは、丁度ビルの隙間になっている袋小路ってところか?
まぁ、転移してきた瞬間を誰にも見られなかったようで何よりだ。
「……で、ここはどういう世界なんだ?」
幸い、今まで多くの世界で経験してきたように、転移した瞬間に戦闘やら襲撃やらに巻き込まれるってのはないらしいが……
ビル……ビルだよな? 実は城壁とかだったりしないよな?
ふと、ここが門世界のようにファンタジー系の世界だったらどうしようかと思いながら、ビルと思われる隙間を抜けて表通りへと出る。
そこに広がっているのは、どこかの商店街と思われる光景。
しかも看板に書かれている文字は日本語が殆どなのを見ると、少なくてもファンタジー世界ではないらしい。
ただ、見た感じではかなり寂れているというか、アーケードが破壊されたまま直される様子がないのを見ると、何らかの問題があるのは間違いないと思う。
服装に関しては特に気にする必要がないようなので、そのまま街中を歩き回る。
建物とかが寂れている割りには、人の姿や気配もかなり多い。
……さて、どんな世界なんだ? 俺が原作を知っている場所ならいいんだけど。
そう思っていると、視線の先の空の上で何かが戦っているのが見える。
黄色くて小さい……人間よりは大きく、KMFよりは小さいといった程度の何かが、戦闘機を相手に戦っている光景。
その戦闘機は、残念ながら見覚えのない戦闘機だ。
これで、実はマクロス世界でしたとかだったらちょっと面白いかもしれないと思ったんだけど、どうやら違うらしい。
そんな風に考えていると、やがてその戦闘機は黄色い何かの背中から放たれた小型ミサイルを何発も食らって撃墜される。
その割りには、この商店街にいる人々は全く気にした様子もなく、呑気にその戦闘へと視線を向けていた。
何だ? 危機感がないな。
「あー、またやられたよ。ったく、軍の兵器弱過ぎだろ? 木星蜥蜴共に、いいようにしてやられてるじゃねえか」
……木星蜥蜴? 何だ? 何か聞いた覚えが……いや、確かに覚えがある。けど、本来ならその名前から連想させる知識が全く出てこない。
知らない原作ならともかく、この木星蜥蜴という単語には聞き覚えがある。いや、機動戦艦ナデシコという名前は思い出せる。けど、それだけだ。
忘れている? いや、今までそんな事はなかった。だとすれば……
そう思った瞬間、俺の脳裏を過ぎったのはFate世界へ強制的に転移させられ、サーヴァントとして召喚された時の事。
あの時、強引に頭に知識を刷り込まれたが……その影響か?
俺が覚えている原作知識全てが忘却の彼方に消えていった? と思いきや、ガンダムとかオーラバトラーとか、普通に原作知識を思い出せるのもある。
となると、ランダムに知識が失われている?
……厄介だな。これは、俺がシステムXNを使って別世界に転移させられる時に使えるアドバンテージが大幅に減ったと見てもいい。
「うん? どうしたんだ兄ちゃん。身体の具合でも悪いのか?」
そんな風に頭を悩ませていた俺を不思議に思ったのだろう。近くにいた40代くらいの男がそう尋ねてくる。
「いや、ちょっと寝不足で頭痛がしてな。それよりこの辺で大きな街ってどこになる?」
「……何だ、兄ちゃん旅人か何かか? こんなご時世に、よくもまぁ」
俺の言葉が余程意外だったのか、男は物好きな奴と言いたげな視線を俺の方へと向けてくる。
「まぁ、このご時世だからこそだから。足の向くまま、気の向くままって感じで」
「ふーん……ま、いいけど。この近くだったよな? それならサセボシティが大きい街だぞ」
「サセボシティ?」
サセボシティ……つまり、佐世保。となると、ここは長崎県か?
「ああ。連合軍の基地やネルガルの工場とかがあって、人は多いぞ」
「そっか、分かった」
男に軽く礼を言ってその場を後にする。
……さて、これからどうするか。
出来ればゲートを設置したいんだが、こんな人が多い場所に設置出来る筈もない。
かと言って、郊外とかに設置すればあの木星蜥蜴? とかいう奴等が空を飛んでいるのを見れば安心は出来ないだろう。
そもそも、連合軍とやらがこの近くに基地を持っているのなら、恐らくレーダーとかもあるだろうし。
そうなれば、間違いなくゲートを設置すれば見つかってしまう。
すると最終的には連合軍やらと戦闘になってしまう訳で……あの木星蜥蜴とかいう奴等がいるのを考えると、それもちょっと遠慮したい。
にしても連合軍……地球連合軍か。SEED世界じゃあるまいし。
出来ればゲートを設置するのは、誰も来ない離れ小島……それこそギアス世界でR2が始まる前に設置していたような場所が望ましいんだが。
まぁ、取りあえず情報を集めるか。
この世界の現金を持っていない以上、そっちもどうにかして都合を付けないといけないだろうし。
ただ、この世界を見る限りだと戸籍とかその辺はしっかりしてそうなんだよな。
宝石とかを売るのがベストなんだけど、身分証とかが必要になるとなれば難しい。
……さて、どうしたものか。
そんな風に思いながら街中を歩き回り……小さいながらも図書館を見つけ、そこでこの世界の歴史を調べる事に成功する。
そして図書館で時間を潰し、夜になると図書館を追い出される。
「さて、これでどうするべきか」
周囲は夜という事もあって人の気配が少ない。
出来ればそろそろ何かを食いたいが、それが必要な金もない。
昼食は茶々丸の弁当があったが、それだって既にもうない。
最悪、空間倉庫の中には他にも大量に食べ物は入ってるんだが。
いや、本当にどうしたらいいんだろうな。
原作知識があれば、話の流れを読んで先回りとかも出来るんだろうけど。
ただ、昼に聞いたネルガルってのは結構大きい会社らしいから、そこに行ってみるか?
そんな風に思いながら歩いていると、不意に何かの衝突音が聞こえてくる。
何かトラブルなら、それを片付けて情報やら食事やらを貰えるかもと考え、音のしてきた方へと向かうと……そこでは車が1台と自転車が1台。そして男が2人と女が1人。
そのうち、男女1人ずつがスーツケースに必死に荷物を詰め込んでいる光景が目の前に広がっていた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
ページ上へ戻る