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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1247話

 
前書き
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 レモン悦楽事件から数週間、俺は次の世界へと向かうべく準備を重ねていた。
 とは言っても、急いでやるべきことはない。
 既にニーズヘッグを始めとした機体も空間倉庫の中に入っているし、ゲートやマーカーの類も入っている。更にはゲイ・ボルクとルールブレイカー、天の鎖も持っているのだから、次の世界がロボットであろうが生身での戦闘であろうが、どちらでも対応は可能だ。
 俺としては、可能であればFate世界に転移出来ればいいんだけど。
 ただ、Fate世界に転移しても、聖杯戦争でサーヴァントとして召喚された時のようにゲートを取り出せなかったりすれば意味はないんだが。
 この辺、正直微妙だ。
 ともあれ、他の世界に転移するという事は当然時差がある訳で……

「ま、取りあえずそういう訳で、また暫くいなくなるだろうからよろしく頼む」
『お主……もう少し申し訳なさそうにしても、よいのではないか?』

 相変わらずの近右衛門が、髭を撫でながら告げてくる。
 視線を他の映像モニタへと向けると、そこでは同意と言いたげに皆が頷いていた。
 皆……SEED世界からはウズミ、ギアス世界からは星刻、マクロス世界からはハワードの4人が。

「そうか? 実際俺がいなくてもホワイトスターは普通に運営出来てるんだから、特に問題はないだろ? 一番危ないだろうマブラヴ世界も、敵は所詮BETA程度だろうし」

 それにシャドウミラーの下部組織でもある精霊の卵は、着実に実力を伸ばして戦果を上げている。
 シャドウミラーの運営は、エザリアがいれば基本的に問題はないだろう。
 いざという時はレモンやコーネリアといった技術班、実働班を率いる者達に相談も出来るし。

『だが、いざ何か大きな問題が起きた時、やはりシャドウミラーで一番頼りにされるのはアクセル代表なのは間違いないと思うのだが』
『うむ、ハワード殿の言う通り。仮にも一国の代表が、自国を留守にして他の世界に飛び込んでいくというのは、色々と危なすぎる。それに、そもそもアクセル代表が1年近く行方不明になってこっちに戻ってきてから数ヶ月も経っていないというのに』

 ハワードの言葉に同意するようにウズミが頷くが、俺はそれを否定するように首を横に振る。

「未知の世界の開拓……いや、開拓って言い方は相応しくないか。他の世界へと向かい、未知の技術を収集する。それが俺達シャドウミラーの国是と言ってもいい。そうである以上、未知の世界へと旅立つのは、何があっても生き残れる俺が動くのが最善だろう」

 もっとも今の俺の目標としては、未知の技術というのもあるが、それよりもFate世界だ。……より正確には、凛と綾子と言うべきか。
 俺の愛するあの2人を、何としても手元に引き寄せたい。
 その辺りはレモン達も十分に理解しているから、問題ないだろう。
 ……これで新しい世界に行った時、別の恋人を作ってくれば色々と言われそうだけど。

『確かに今のアクセルなら、何があっても生き残れるだろう。それこそ、宇宙空間に放り出されても平気なのだから、心配する必要は基本的にないと思う』

 予想外な事に、星刻が俺の言葉を認める発言をする。

「だろ?」
『しかし!』

 ……と思ったら、別にそういう訳ではなかったらしい。

『基本的にという事は、あくまでも基本でしかない。つまり、基本以外の何かイレギュラーな事態が起これば、アクセルであろうとも死ぬ可能性は否定出来ない』
「それはそうだな。けど、それは誰にだって言える事だろ? こうして俺が今いるホワイトスターがあるのは次元の狭間だが、それこそこうしている今この時、何らかの理由でこの次元の狭間そのものが破壊される可能性すらある」
『それでもだ。……もっとも、アクセルの事だ。幾ら私達が何を言っても、それを聞くとは思えなんがな』
『……うむ。アクセル代表の性格は麻帆良にいた時から変わっておらんのう』
『それを言うのであれば、オーブにいた時でしょう。彼の突拍子もない行動には何度驚かされた事か』
『ははは。その流れで行けば、私はまだ良かったのでしょうな。アクセル代表と知り合ったのは、バジュラ戦役が後半に入った頃でしたし』

 そんな風に、何故か俺の心配をして自重させるという目的の話し合いが、いつの間にか俺と初めて会った時の事へとなっていた。
 それでも結局この後1時間程話をする事になり、何とか俺がリュケイオスを使っての転移をする事を了承させる事が出来た。
 ……本来なら、リュケイオスを使っての転移ってのはあくまでもシャドウミラーでの出来事だ。幾らシャドウミラーと関係が深い世界の代表者だとしても、近右衛門達に俺を止める権利はない。 
 それでもこうして前もって話を通しておくのは、近衛右衛門達が本気で俺を心配しているというのが分かるからだ。
 それぞれの世界の代表であり、色々と腹黒いところもある者達が揃っているが、それでも俺の心配をしているのは事実。
 まぁ、中には俺がいなくなればシャドウミラーがおかしな事になるんじゃいかって心配もあるのだろうが。
 ただ、Fate世界の時も俺が1年いなくなっていたが、それでも普通にシャドウミラーは運営されていた訳で……その辺を考えれば、そこまで深刻になる必要もないと思うんだけどな。
 いや、これだと話が堂々巡りするだけか。
 ともあれ、各世界の代表との話し合いは終わったから、次は……





『アクセル、君は本気かな? あんな風に行方不明になったばかりだっていうのに』
『そうですね。せめてもう半年程はこちらにいてもいいのではないでしょうか?』

 崇継と恭子がそれぞれに苦言を口にし……

『アクセル殿、崇継殿、恭子殿の言う通りもう少しこちらの世界にいらしてはどうでしょう?』

 前回に行われたスキー旅行以降、よく通信に顔を出すようになった煌武院までもがそう告げてくる。
 ……その背後で月詠が同感だとでも言いたげに頷いているのが、妙に印象深い。
 いや、崇継と恭子の方はこの通信に参加するのに護衛を引き連れてはいないんだが、何故か煌武院だけは月詠を引き連れてるんだよな。
 この辺、まだ月詠が俺を信頼していない証か。恐らく通信で俺に変な事を教えられたりしたら困るとか、そういう事なんだろう。

「そう言われてもな。ここ数年はずっとマブラヴ世界に掛かりきりだった。勿論その中で新たな世界とも接触したが、門世界は向こうに続く門その物が消滅してしまったし、Fate世界の方は一方的に連れ去られただけで、向こうの世界の座標が分からない」

 勿論それらの世界で何の成果もなかった訳ではない。
 例えば門世界ではワイバーンをある程度生け捕りにし、牧場区画で飼い慣らす事に成功している。
 他にもオーガを初めとしたモンスターを捕獲して、量産型Wの強化に繋がった。
 そして最大の成果はエルフ達だろう。俺を慕って――正確には信仰して――ホワイトスターへと移住してきた。更に今では、シャドウミラーの下部組織として傭兵団の精霊の卵として活動している。
 Fate世界の方では、言わずと知れた各種宝具。
 俺が真名解放出来るのはゲイ・ボルクとルールブレイカーの2つだけだが、金ぴかから奪った宝具は100を超える。天の鎖のように真名解放しなくても効果を発揮する宝具もあるし、金ぴかの両腕はレモンや技術班にとっては垂涎の的だ。
 今はまだ特に結果が出ていないが、量産型Wの能力がかなり上昇する事は間違いないって話だし。
 だが……それらはあくまでも一時的な利益にしか過ぎない。
 いや、一時的っていうにはちょっと無理があるかもしれないが、それでも異世界間貿易が出来る世界を広げるという面ではいまいちなのは事実。
 そういう意味ではきちんとゲートを設置して異世界間貿易が出来る世界を……
 そこまで考えた時、ふと何かの違和感が脳裏を過ぎる。
 それは、見逃してはいけないだろう何かの違和感。
 だが、別に念動力が危険を察知している訳ではない以上、問題ないのか?
 そんな風に首を捻りながらも、取りあえず今は得体の知れない違和感よりも映像モニタに映し出されている3人――正確には月詠を入れて4人――の説得を続ける事にする。

「他の世界と正式に繋がる事が出来れば、マブラヴ世界にも利益はあるだろ?」
『利益もそうですけど、私はアクセルさんの身体が心配です。どことも知れない世界に、たった1人で転移するのですから』
「恭子の言いたい事も分かるけど、そんなに心配するな。俺を相手にどうにか出来るような存在が、そうそういると思うか? 正直、そんな相手がいたら俺が会ってみたいとすら思うぞ」

 まぁ、その存在がサーヴァントだったりしたんだが。

『アクセル、本当に大丈夫なんだろうね?』

 崇継の言葉にも頷きを返す。

『本当は、アクセルさんにもあの子の勇姿を見て貰いたかったのですけど』
「あの子?」
『はい。以前私が案内した家がありましたよね? そこで会ったと思いますけど、唯依が斯衛に正式配属となり、近いうちに重慶ハイヴで初陣を迎えるのです。あの子、アクセルさんの事を尊敬してましたから、その戦いぶりを見て欲しかったのですが』

 唯依……ああ、確かにいたな。斯衛の学校でも会った。
 それに恭子に案内された家では、肉じゃがが美味かった記憶がある。

「そうか、あの時の学生がもう卒業して斯衛になったのか」
『はい。もっとも、本人はミンスクハイヴの戦いに出たかったようですけど』

 斯衛であり、恭子と親しいという事は、恐らく機体は新型のTSF-TYPE00か。
 何度か恭子から聞いた限りだと、腕自体は悪くないらしい。
 それに、今のマブラヴ世界の戦力は俺がこの世界に来た時に比べると大幅に上がっている。
 そうなれば、死の八分に関しては心配いらないだろう。
 特に乗っている機体がTSF-TYPE00であれば、その辺の戦術機とはちょっと比べものにならない程の性能を持っているしな。

「悪いな。ただ、こっちに戻ってきたら会わせて貰うよ。いつになるか分からないけど」
『……そうですね。あの子にもそう伝えておきます』
『あら、アクセル殿。斯衛に知り合いでもいるのですか?』

 俺と恭子の話を聞いていた煌武院が、興味深そうな視線を俺へと向けてくる。

「ああ。前に斯衛の学校で教鞭を執る……いや、そこまではいかないな。ちょっと話をする機会があってな」
『なるほど。……月詠、其方は知ってましたか?』
『いえ、残念ながら』

 そう言いつつも、月詠の視線は何故か俺を責めるような色合いがあるように思える。
 もしかして、斯衛の学校に顔を出すのはお気に召さなかったのか?

『それを言うのなら、私としても征夷大将軍の式典にはアクセルに参加して欲しかったな』
「あー……それは悪い」

 五摂家として生きている崇継にとっても、征夷大将軍の式典は一世一代のものだろう。
 出来ればそっちに顔を出したかったという思いはあるんだが……それを考えると、次はこれ、次はこれ、といった具合になってしまうからな。
 ともあれ、崇継、恭子、煌武院、ついでに月詠との通信はそれから30分程続くのだった。





『へぇ、新しい世界にねぇ。それはちょっと興味深いわ。もっとも、一緒に行きたいとは思わないけど』

 夕呼が興味深そうに告げてくる。
 まぁ、夕呼ならそうだよな。
 他の面子なら止めるようにと結構言ってくるんだけど。
 別に俺がどうなってもいいと考えている訳じゃなく、俺の能力を考えればその辺は問題ないからと思っている……筈。うん、多分。

「ま、転移した先が必ずしも人間が住める場所とも限らないしな。下手をすれば宇宙空間にそのまま姿を現さなきゃいけなくなる可能性もある。そう考えれば、どうしても人を連れてはいけないんだよ」
『あら、残念』
「……ちっとも残念そうじゃないぞ」

 夕呼の口元に浮かんでいるのは笑み以外の何ものでもない。

『アクセルさん、また暫くいなくなるんですか? ……寂しいです』

 夕呼の隣で話を聞いていた霞が呟く。
 ウサギの耳がシュンと下に垂れているその様子は、言葉通り霞の寂しさを表しているのだろう。
 まぁ、霞にとっては俺は兄的な存在だからな。……娘とかいう意見もあったが、俺はそんな年齢じゃない。多分。

「心配するなって。すぐに帰ってくるって訳にはいかないけど、それでもある程度は何とかなるから」
『そうなんですか? 約束、してくれますか?』
「……そうだな、出来るだけ早く帰ってくるって事で納得してくれないか?」
『……はい』

 多少残念そうではあったが、それでも霞が頷きを返す。

『あらあら、お父さんは大変ね』
「誰がお父さんだ、誰が。そこはせめて兄にしてくれ」
『そう? でも今のやり取りを聞く限りだと、出稼ぎに行く父親と別れたくないって言ってる娘みたいよ?』

 ぬぅ。確かにそう言われれば……いや、けどこのままだと。
 少しは仕返しをしてやらないとな。

「へぇ。じゃあ夕呼は霞の母親代わりなんだから、俺の妻だな」

 そう言葉を返した時の夕呼の反応は劇的と言ってもいいものだった。

『……え?』

 俺の言葉を聞いた夕呼は、頬を薄らと赤く染めて視線を逸らす。

『お父さん、お母さん。知らない響き、です』

 そんな夕呼の隣で、霞が小さく呟く声が聞こえてきた。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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