ロックマンゼロ~救世主達~
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第48話 巨大エレベーター
前書き
終盤ミッション3つ目
ゼロとルインはゼロの新技開発のためにトレーニングルームに訪れた。
ビブリーオのDNAデータを解析した結果、かなり使い勝手が良さそうなバスター系統の技が編み出された。
欠点は正面に撃てないことと、サンダーのボディチップを使わねば技が使えないところだろう。
「Vショット!!」
「バリア展開!!」
PXアーマーに換装していたルインがバスターショットの銃口からV字状にショットが放たれたのと同時にバリアを張った。
ショットはバリアに防がれるが、ルインは新技の性能に驚いた。
「凄いね、二発同時発射しているのに威力に変化がない。攻撃範囲も上がってるし、かなり使い勝手がいいんじゃない?というかズルい。私も使いたい。ラーニングシステムとか反則級だよ」
「…お前のアーマーチェンジシステムも他のレプリロイドからすれば反則級の代物だと思うがな……」
戦えば戦うほどに基礎性能を大きく向上させるラーニングシステム。
単体であらゆる状況に対応出来る特殊アーマーに換装出来るアーマーチェンジシステム。
どちらも反則級の機能だ。
「まあ、そうだね。そろそろ司令室に向かおうよ。」
トレーニングを切り上げて、二人はトレーニングルームを退室し、司令室に向かうのだった。
司令室に入り、残り二つのミッションのうち一つを選ぶ。
今回は巨大エレベーターに向かうことにした。
「ネオ・アルカディアが、巨大なエレベーターを完成させたようです。使用目的は不明…。地下深くより何かを運んでいるようです。」
「調査をお願い出来ますか」
「任せて」
二人は中央のトランスサーバーに乗り込んだ。
「ミッション発令…各員、転送準備にかかれ」
ジョーヌの指示で、司令室に警報が鳴り響き、転送準備が始まる。
「転送準備完了…」
「「転送!!」」
二人の声が司令室に響いたのと同時にゼロとルインの二人が巨大エレベーターへと転送された。
「無理しないでね…二人共。」
シエルは二人の無事を祈りながら帰りを待つ。
そして巨大エレベーターへと転送されたゼロとルインは辺りを見回し、かなり大規模な施設であるために機動力に特化した装備をする。
ゼロはダブルジャンプのフットチップ、ルインはHXアーマーに換装した。
ダブルジャンプはダッシュの後等でも使用出来るようなので、最大移動距離がHXアーマーのエアダッシュとほぼ同じらしい。
ゼロはリコイルロッドを装備し、ルインはダブルセイバーを構えながら突撃した。
「たあっ!!」
ルインが走りながら横にセイバーを振るい、パンテオンを両断する。
「フンッ!!」
リコイルロッドのチャージ攻撃を向かってくるメカニロイドに叩き込み、吹き飛ばしていく。
梯子を登り降りを繰り返しながら妨害してくるパンテオンやメカニロイドを薙ぎ払いながら先に進み、奥にある梯子を駆け降りた。
下の階は下り坂になっており、爆弾が浮遊していたが、ゼロはサンダーのボディチップを起動してバスターを構えた。
「Vショット!!」
V字状に放たれるショットが上下に動く爆弾を破壊し、そのまま坂を駆けて下に向かう。
爆弾の他にもパンテオンがいたが、ルインがダブルセイバーで斬り捨てながらそのまま下に降りていき、シャッターを抉じ開けると巨大エレベーターを発見した。
二人がエレベーターに乗り込むと下に降りていき、エレベーターの左右にある台座からメカニロイドが降りてきた。
「チッ」
両手にロッドを握り締め、メカニロイドを破壊する。
「それっ!!」
ダブルセイバーを振るい、ソニックブームを繰り出す。
小型のメカニロイドは破壊出来たが、盾を持ったメカニロイドはソニックブームの貫通力でさえも破壊出来ない。
「効かない!?」
「はあっ!!」
ゼロも同様に現れたメカニロイドにロッドの連撃を何度も叩き込むが、僅かに後退するだけだ。
「くっ!!倒せないなら…ふっ飛ばす!!」
パワー重視のFXアーマーに換装して、二丁のナックルバスターを構えた。
「メガトンクラッシュ!!」
ナックルバスターによるパンチをメカニロイドに叩きつけると、あまりの衝撃にメカニロイドが勢い良く吹き飛ばされてエレベーターから落下した。
「成る程な…」
倒せないなら叩き落としてしまえばいい。
ならばこのロッドの性能を最大限に活かす時だ。
「はあっ!!」
ロッドのチャージ攻撃を繰り出して、先程のルイン同様にメカニロイドを吹き飛ばす。
台座に再びメカニロイドが現れたが、ルインはナックルバスターを構えた。
「墜ちろ!!」
ナックルバスターから放たれたショットは軌道を変えて、台座にいるメカニロイドを破壊した。
ゼロもエネルギーチャージを終えたロッドを上に構えた。
「ソウルランチャー!!」
ロッドから四発のエネルギー弾が放たれ、台座の上にいるメカニロイドを破壊した。
再び降りてくる盾を装備したメカニロイドはメガトンクラッシュとロッドのチャージ攻撃でエレベーターから叩き落とす。
どんどん台座に現れる敵の数が増えていくが、先程と同じように撃退していき、とうとうメカニロイドやパンテオンが全滅したのか、台座が上に上がっていく。
するとエレベーターに大型のメカニロイドが降りてきた。
「こいつは…」
「こいつは確か、1年前に戦った。ルイン、こいつは電気属性が弱点だ。一気に終わらせるぞ。」
「雷属性…ならHXアーマーのプラズマサイクロンで!!」
即座にHXアーマーに換装して、メカニロイドにプラズマサイクロンを繰り出す。
電磁竜巻を喰らったメカニロイドは感電し、ズタズタにされていく。
「サウザンドスラッシュ!!」
感電しているメカニロイドにロッドによる連撃を叩き込むことにより、反撃さえもさせずに破壊した。
再び台座が現れ、メカニロイドやパンテオン達が降りてきた。
ルインはHXアーマーからFXアーマーに再び換装してショットを連射しながらメガトンクラッシュでメカニロイドを吹き飛ばす。
ゼロもロッドのチャージ攻撃でメカニロイドとパンテオンを吹き飛ばしていく。
それを繰り返していくと台座が上に上がっていき、エレベーターが止まった。
奥に扉があるのを確認し、シャッターを潜り抜け、道を塞ぐパンテオンをルインがショットを連射して破壊する。
梯子から駆け降りて、浮遊している爆弾やメカニロイド、パンテオン、そして床に敷き詰められた鋭利なトゲに注意しながら下に降りていく。
一番下に降りると、高いエネルギー反応をシャッターの奥から感じた二人は気を引き締めると、シャッターを潜った。
しばらく進むと、二体の獣型のメカニロイドが姿を現し、そして大型のレプリロイドも現れて二体のメカニロイドがレプリロイドの両肩に収まる。
モニターで見たトレテスタ・ケルベリアンで間違い無さそうだ。
ルインはHXアーマーを起動させ、エネミーアナライジングでケルベリアンを解析する。
「(トレテスタ・ケルベリアン…バイル八審官こと、バイル・ナンバーズの一人で冥闇審官。公正な判断を下すために三つの独立した思考回路を持っていたが、戦闘用に改造された今、その殆どが兵器管制システムに回されてしまい、思考力は著しく低下。引き換えに強大な戦闘能力を手に入れた。逆らう者全てを力のみで叩き潰す、狂える弾劾裁判の長。属性は無属性か…)」
ルインはエネミーアナライジングの解析結果をゼロに送った。
ゼロはフレイムのボディチップを起動させ、バスターのエネルギーチャージを開始し、フットチップをダブルジャンプからシャドウダッシュに切り換えた。
ルインはケルベリアンをパワー型と判断してHXアーマーのままでダブルセイバーを構えた。
「ゴルルルゥ…てめえらがゼロとルインかぁ…?小さすぎてぇ、踏んづけちまうところだったぜぇ…!!俺の名はバイル・ナンバーズ、トレテスタ・ケルベリアン。その細い首…一口でぇ、噛み千切ってやるぜぇ!!ゴルルルルルルァ!!!」
咆哮しながらゼロとルインに迫るケルベリアン。
スピードが遅いため、難なくかわすことが出来た。
「はあああっ!!」
エアダッシュで上に高く飛ぶのと同時に顔面にダブルセイバーを振るった。
「グルアアッ!?」
「バーストショット!!」
怯んだケルベリアンにゼロがバスターから火炎弾を放った。
着弾した火炎弾は爆発を起こし、ケルベリアンに追加ダメージを与えた。
「喰らえ!!」
落ちていた巨大な鉄パイプを片腕で軽く拾うとL字に曲げ、ブーメランのように投げてくる。
鉄パイプはゼロに向かって飛んでいくが、シャドウダッシュで鉄パイプをかわすと、ロッドのチャージ攻撃でケルベリアンを吹き飛ばす。
「野郎おっ!ブレスガス!!」
ゼロとルインに向けてケルベリアン本体と両肩のユニットの口から紫の弾が吐き出された。
「くっ!!」
「危な…っ」
シャドウダッシュでは回避しきれないと判断したゼロはダブルジャンプで回避し、ルインはエアダッシュとホバーでやり過ごす。
「やっちまえぃ!!」
ケルベリアンの両肩のユニットが射出され、メカニロイド形態となって襲い掛かる。
「くっ!?」
メカニロイドの突進をダブルセイバーで受け止める。
勢いが弱くなったところをルインはセイバーでメカニロイドを斬りつけた。
「ぐっ!?」
「ん?」
メカニロイドがダメージを受けた時、ケルベリアンが痛みに顔を顰めたのをゼロは見逃さなかった。
「(どうやらあのメカニロイドがダメージを受けると、ケルベリアン本体もダメージを受けるようだな。)」
ならばタイミングを見計らい、メカニロイドとケルベリアンが一カ所に固まったところを叩く。
ルインに視線を遣ると、ルインも気付いていたようで、視線が合うのと同時に頷いた。
「そおらっ!こっちだよ!私を捕まえられるものなら捕まえてみなよ!!このノロマ~!!」
挑発しながらエアダッシュで縦横無尽に飛び回るルイン。
「ゴルアアアアアアアッ!!」
挑発されたことで怒り狂ったのか咆哮しながらルインを捉えようとするケルベリアンだが、既にメカニロイドの動きを見切っているルインには当たらない。
コンテナを投げつけるが、ルインはエアダッシュで上昇してかわす。
メカニロイドがケルベリアンに近付いた直後にエネルギーチャージを終えたダブルセイバーを振るった。
「ダブルプラズマサイクロン!!」
二つの電磁竜巻を繰り出し、ケルベリアンとメカニロイドを一カ所に纏める。
電磁竜巻により、ケルベリアンとメカニロイドはズタズタにされていく。
「グルアアアアアアアアッッ!!」
感覚機能がリンクしているためか、メカニロイドが受けているダメージもケルベリアンに行くために凄まじいダメージがケルベリアンを襲う。
「バーストショット!!」
駄目押しとばかりに火炎弾を炸裂させるゼロ。
火炎弾が爆弾し、ケルベリアンとメカニロイドが爆炎に飲まれた。
「やった…?」
「いや…まだだ」
「ゴルルルルルルァ!!!」
爆炎からボロボロのケルベリアンが紫のレーザー刃を構えながら突撃してきた。
レーザー刃はゼロに迫るが、レーザー刃はゼロをすり抜けてしまう。
「!?」
「これで終わりだ」
シャドウダッシュでレーザー刃をかわし、背後を取った瞬間にフットチップをダブルジャンプに切り換え、ダブルジャンプからの回転斬りでケルベリアンを真っ二つにした。
「あ…れぇ…?ゼロォ…どこ行きやがったぁ…?見えねえぞぉ…?それに…体も痛え…痛え…痛えぞおおおっ!!ゴアアアアアアッ!!!」
断末魔の叫び声を上げながらケルベリアンは爆散した。
ゼロはDNAデータを回収すると、オペレーターに通信を繋げる。
「ミッション終了、転送してくれ」
『了解、転送します』
転送の光にゼロとルインは包まれ、レジスタンスベースに転送された。
「転送終了まで…2…1…転送!!」
ゼロとルインが司令室のトランスサーバーに出現した。
「お疲れ様でした」
ゼロとルインがトランスサーバーから出ると、シエルが駆け寄ってくる。
「ありがとう…二人共…あのエレベーターは、エネルゲン水晶を大量に運んでいたみたい…。でも、一体……あんなにエネルギーを集めてバイルは何するつもりだったのかしら」
「さあ…バイルの技術力ならダークエルフとベビーエルフ達がいればしばらくの間はエネルギー不足を何とか出来そうな気もするのに、何で今更大量のエネルゲン水晶を集めてたんだろ?」
「…さあな、考えていても仕方がない。ルイン、トレーニングルームに向かうぞ」
「あ、うん」
「その前に…メンテナンスを受けてきてね…?」
トレーニングルームに行く前にメンテナンスルームに向かうようにシエルに促されたゼロとルインであった。
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