歌集｢春雪花｣

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　人知れず

　　降りてや積もる

　　　白雪に

　君への想い

　　　　重ねたるなり

　静かだと思い外を見れば､景色を霞ませんばかりの雪が降っていた｡

　それは地へと降り積もり､溶けるとこなくその身を誇示している…｡

　冷たい雪…然れど､それは私の恋心にも似て､積もれば積もる程に…私の彼への想いも募るようで…｡

　会えない今…彼が想うのは…誰なのだろう…?

　愛すれば

　　想い忘るる

　　　こともなく

　来ぬと知りつつ

　　　けふも待つなれ

　人を愛してしまうと､その想いは簡単に忘れられず…毎日その想いを抱いて過ごすもの…｡

　私の彼への想いも変わらず…ずっと抱いて過ごしている…｡

　故に…解りきったことだが､彼が来ないことを知りながら…今日は来てくれるだろうかと待ってしまう…｡

　彼は遠く…現実は冷々し､自分の在るべき意味すら見付けられない今を…一体､どうすべきだろう?

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