転生とらぶる
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マブラヴ
1225話
「ふむ、この黒酢の酢豚も中々……こちらの肉まんは……ほう? 餡のバランスが素晴らしい」
俺の目の前では、星刻がテーブルの上の料理を味わっては感嘆の言葉を出している。
「星刻、お前一体何しにここまで来たんだ? 料理を食うだけなら、お前達のテーブルの上にも色々とあっただろ?」
「……む。済まない。春巻きを味わってからすっかり料理に夢中になってしまったな。それで私がアクセルに会いに来た理由だが」
「ああ、何だ?」
「実は、そろそろ次世代のKMFを開発したいと思っているのだが、それにシャドウミラーの協力を得たいと思ってな」
「ヴィンセント・ウォードとガレスに不満があるのか?」
今日の戦いを見ている限りだと、両機種共に相応の力を発揮しているように思えた。
まぁ、敵はBETAという弱い相手だったというのもあるのだろうが、殆ど一方的と言ってもいいだけの戦果を残している。
KMFの事だから……とテーブルを見てみるが、レモンやマリューといった技術班の者達はどこか他のテーブルに行っているらしく姿が見えない。
「確かにそれは事実だ。今のKMFの性能に対して問題はない。……今はな。だが、日本やブリタニアを始めとした他の国でも、現在はKMFの新機種を開発中でもある。その辺を考えると、我々陽光としてもすぐに次世代KMFに乗り換えるというつもりはないが、研究くらいはしておいた方がいいという結論に達してな」
「なるほど。……もしかして今回ゼロが参加しなかったのは、そっちに関係があるのか?」
本来であれば、今回の火星の息吹作戦にはゼロを参加させたいと以前言っていたにも関わらず、結局ゼロの姿はこの作戦にはなかった。
まぁ、元々ゼロは色々と危険の多い男だったのは事実であり、その辺を考えると参加していなくてもおかしくはなかったんだが。
「いや、そっちは関係ない。もっとも、向こうの言い分をそのまま信じる訳にはいかないから、何とも言えないけどな。ともあれ、世界を主導する立場としてはKMFの開発競争で負ける訳にはいかないのだ」
「確かに陽光が日本やブリタニア辺りにKMFの開発競争で負けたりするなんて事になってしまえば、色々と面白くないのは事実だな」
「ああ。……そもそも、今のヴィンセント・ウォードとガレスも開発したのはブリタニアだ。別に国産に拘る訳ではないが、KMFというのはギアス世界では大きな力を持っている」
星刻の言っている事は分かる。
……まぁ、中華連邦で開発された唯一のKMFが、ガン・ルゥだしな。
物量という意味ではいいのかもしれないが、今時のガン・ルゥはマブラヴ世界の主力兵器レベルでしかない。
主力兵器レベルと考えれば、実はそんなに悪くないんだけど……そもそも、マブラヴ世界が技術的後進世界だしな。
だからこそ、陽光でガン・ルゥは既に使われなくなったんだし。
「話は分かった。ただ、こっちも色々とやるべき事が多いから、誰かを専任でKMFにって訳にはいかないけど、それでもいいか?」
今回の火星の息吹作戦で入手した大量のG元素の使い道や、門級、反応炉にくっついていた触手を使うBETAの調査、マーズゼロの反応炉の調査、金ぴかから奪った宝具の解析、そして何よりFate世界の座標の調査……と、主立っただけでもこれだけ技術班の仕事はある。
他にも個人で研究している事や、PTサイズに機体に装備する追加武装の件といった具合に、技術班は非常に忙しい。
……まぁ、技術班はその忙しさを楽しめるような奴が殆どで、魔法球という裏技もある。
寧ろ、それがあるからこそKMFの方にちょっとでも手を出せるってところか。
「構わない。こちらのコンセプトに関しての連絡は後日させて貰う。大まかに言えば、低コストでなるべく高性能、パイロットにとっても操縦がしやすく、拡張性の高い機体だ」
「無理だろ」
星刻の言葉を一瞬で斬り捨てる。
確かにそれが理想なのは事実だが、幾らなんても要求が高すぎる。
「多分、シャドウを見てそんなコンセプトを出してきたんだろうが、シャドウは俺達だからこそ運用出来る機体だぞ? 陽光であのレベルの機体を量産しようなんて思ったら、まず不可能だ」
「分かっている。だが、コンセプトに関してはあくまでもこちらの要望と考えて欲しい。出来るだけそういう機体を欲していると思ってくれ」
そうは言っても……やっぱり無茶だろ。
シャドウにしたって、量産機としてはコストを度外視した高性能機で、拡張性も高い機体だ。だが、逆に言えばそれだけの高性能を活かす為には相応の操縦技術が要求される。
量産型Wの操縦技術がグラストンナイツレベルだってのが、その辺を表していると言ってもいい。
「その辺の詳しい話に関しては、後日詰めさせて貰いたい。こちらからも人材を派遣させて貰う」
「……まぁ、取りあえずレモンとエザリアには話を通しておくよ。後はそっちで頑張ってくれ」
「うむ、助かる。では、私はこの辺で失礼させて貰おう。この際だから、他にも挨拶をしておきたい者達がいるのでな」
「ああ」
短く挨拶を交わし、星刻が去って行く。
まぁ、祝勝会でもあるこのパーティだが、他の世界から大勢の人員が来ているのは事実だ。そういう意味では、社交界というか政治的なやり取りが行われても少しも不思議ではない。
いや、寧ろその類の話がなければ逆におかしく感じるだろう。
勿論全てがそういう人ばかりじゃないだろうけど、それを狙っている人が多いのも事実。
特に星刻の場合は陽光を実質的に動かしている人物だ。
表向きの代表はオデュッセウスや麗華といった者がいるのだが。
そんなギアス世界の実力者がこのパーティ会場に来ているのだから、話したいと思う者がいても当然だろう。
それ以外だと、星刻という男とお近づきになりたい女とか。
星刻は若くて権力者、さらに顔も美形と言ってもいい。
性格は天子の麗華一筋だが、それを知らない者にしてみれば最高級の獲物だ。
そんな風に、人が多く集まっている星刻を見ながらピザへと手を伸ばす。
冷えたピザってのは美味くないんだが、テーブルの方の機能のおかげでまだ上に乗っているチーズもトロトロで、かといってピザ生地が柔らかくなったりはしていない、正に出来たてのまま。
エビやイカ、貝がたっぷりのシーフードピザを食べながらスレイと話していると、再びこっちに近づいてくる気配を感じ取る。
「アクセル!」
そう言って声を掛けてきたのは、カガリ。隣にはアスランを連れている。
2人共、きちんとパーティに相応しいドレス姿をしているのだが……本気で力の入ったドレス姿だけに、寧ろこの場では目立っていた。
基本的にこのパーティは祝勝会という意味に近く、修羅のような奴等も多いので、殆どが思い思いの格好をしている。
……まぁ、そういうフォーマルな格好をしているのがカガリ達だけという訳でもないので、目立つと言ってもそこまで悪目立ちしている訳ではないのだが。
さっきの星刻にしても、ある程度この場に相応しい格好をしていたし。
恐らくこっちに戻ってきてから一旦SEED世界に戻ったか、ドレスそのものを持ってきていたのだろう。
「カガリとアスランか。どうだ? 楽しんでるか?」
「ああ、料理は美味いな。ただ、何で時間が経っても冷めないのかが不思議だ。オーブでもパーティをやる事は結構多いけど、大抵話をしている間に料理が冷めてしまうぞ。まぁ、それを見越して冷めても問題ない料理を用意するんだが」
「ローストビーフとかテリーヌとか、そういうのか。オーブだと和食とかも多そうだな。刺身とか寿司とか」
「そういう系等の料理は確かに多いな。……それで、アクセル。シャドウミラーはこれから火星をどういう風に使うのか聞いてもいいか?」
料理に関して、オーブは日本を色濃く受け継いでいる。
その証拠に、普通に寿司屋とかもあるし。
以前にSEED世界で寿司を食った事もあるので、その辺は十分に承知している。
「どうするか、か。簡単に言えばマーズゼロと、今回攻略したハイヴの両方を基地化してシャドウミラーの活動拠点にする予定だな」
「……他のハイヴを攻略する為にか?」
「どうだろうな。その辺は未だ不明だ。勿論ハイヴを取り戻そうと攻めてくれば反撃するし、周辺のハイヴにちょっかいを出す事はあるが……そのまま攻略するかと言われれば、微妙だとしか言えないな」
そんな俺の言葉に、カガリが微かに眉を顰める。
予想通りというか、予想したくなかったといった答えだったのだろう。
「何でだ? シャドウミラーの戦力があれば、火星のハイヴを攻略するのは難しくないだろ?」
「そうだな、それくらいは楽に出来る。……けど、そう聞いてくるって事は、もう薄々気が付いてるんだろ? 俺達が火星のハイヴを攻略したのは、あくまでもG元素目当てだ。マーズゼロとその周辺にあった2つのハイヴからも多くのG元素を入手出来たが、ハイヴを攻略してG元素を奪うというのは、1度行ってしまえばそれまでだ。けどハイヴに攻め込んで反応炉を破壊せず、そのままG元素だけを奪ってくれば……」
「養殖、か」
「正確には養殖とまで言えるかどうかってのは微妙だけどな。俺達シャドウミラーとしても、G元素は色々と使い勝手がいい代物だ。ブラックホールエンジンとか、ホワイトスターとか、使うべき場所は多い。その辺を考えると、G元素は幾らあっても困るって事はない。あればある程いい」
俺の言葉に、カガリは小さく溜息を吐く。
この辺で即座に自分の不満を言わなくなっただけでも、随分と成長している。
そんなカガリの代わりなのか、アスランが口を開く。
「アクセル代表。火星に関しては分かりました。ですが、地球の方はどうなるんでしょうか? マブラヴ世界の地球はこれからもハイヴを攻略していくと思いますが、そこでの攻略にシャドウミラーは協力すると考えてもいいのでしょうか?」
「そうだな。俺としてはそのつもりだ。ハイヴがなくなれば、それだけ人間の生活圏が広がり、マブラヴ世界が異世界間取引の相手としてより多くの需要をもたらすだろうし。ただ、今のマブラヴ世界の戦力を考えると、俺達抜きでもハイヴ攻略は出来そうな気もするけどな」
そんな風に会話をしていると、不意にこちらの方に近づいてくる人物がいた。
「確かにアクセル達にはもう少し地球で協力してくれると、こちらとしても嬉しいよ」
「アクセルさん達の協力があれば、確かに地球上のハイヴはどうとでもなるでしょうね。ただ、アクセルさんが仰る通り、出来れば私達の世界の問題は私達で解決する事が出来ればいいんですけど」
護衛というか、お付きの近衛を引き付けた崇継と恭子の2人だ。
いや、それだけではない。
「……また、珍しい。どんな組み合わせだよ、これは」
崇継と恭子の2人と一緒にいたのは、オズマとキャサリン。
意外な組み合わせと呼ぶのに相応しい。
「ちょっとマブラヴ世界についての軍事を話していたんだよ」
そう告げるオズマだったが、果たして実際にはどんな話をしていたのやら。
まぁ、元々外交の場というのもあるんだし、ここでその辺を追求する気はないが。
恐らく、マブラヴ世界に関する輸出について話していたんだろう。
SEED世界からはリニアガン・タンクや戦術機が使う各種武器、ギアス世界からはガン・ルゥの輸出とライセンス生産。それに比べると、マクロス世界は細々とした武器がメインだ。
それでもテラフォーミング技術に関しては一手に引き受けているし、合成食の類もマクロス世界のシェアは高いので、決してマクロス世界だけが損をしているという訳ではないんだが。
そういう意味で最も取引の規模が小さいのは、ネギま世界だろうな。
食料品とか日用雑貨とかは麻帆良と雪広財閥、那波重工でかなりの金額を稼ぎ出してはいるが、所詮は国ではなく企業規模だ。
どうしても他の世界に比べて規模が小さくなってしまうのは避けられない。
「ま、とにかくだ。火星のハイヴは生かさず殺さずといった感じでこっちの好きにさせて貰うが、地球のハイヴ攻略に関しては、協力を求められればきちんと対応するつもりだから安心してくれ」
「……そちらはそれでいいのか?」
確認するようなカガリの言葉に、崇継は頷きを返す。
「勿論ですよ、カガリ殿。寧ろ私達としては火星にシャドウミラーがいる方が妙な心配をしなくてもいいので、助かるというものです。……地球のハイヴ攻略も終わりが見えてきてますし、いずれは月のハイヴも攻略するでしょう。その時にはまたシャドウミラーが大きな力となるでしょう」
「そう言いつつも、自分達の戦術機で攻略してやろうとか思ってるんだろ?」
「ふふっ、アクセルにはお見通しか。そうだね、このままMSの技術や他の世界の技術を採り入れ、戦術機の性能が上がっていけば……いずれ私達の戦力だけでハイヴ攻略を出来たらいいとは思っているよ」
にこやかに笑みを浮かべる崇継。
俺もそれに笑みを返し……こうして、祝勝会は賑やかに続いていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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