スカートちらり
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2部分:第二章
第二章
「そうしてそれでやりなさい」
「いいわね」
「作戦変更って」
こう言われても問題は具体的に何をするかだ。教室の中で自分の机に座りながら首を捻る。皆その彼女の周りに集まって話しているのである。
「具体的には何を」
「具体的にはあれよ。お色気よ」
「それがいいわね」
「お色気?」
そう言われるとまずは目をしばたかせた朋子だった。
「お色気っていうと」
「具体的には胸元よ」
「スカートよ」
「生足よ」
皆それぞれ言っていく。
「あとはお尻のラインとか」
「そういうものを」
「身体なの」
そう言われて今度はきょとんとした顔になっていた。
「身体を見せるの」
「言って駄目なら見せてよ」
「耳よりも目よ」
皆はまた言う。
「それでどうかしら」
「名付けてお色気告白スペシャル作戦」
一人は訳のわからない作戦名を告げる。
「いいわね、それじゃあ」
「それをしなさい」
「じゃあハイソックスは」
「それもいいけれど」
それは一旦認められた。ハイソックスのよさもわかっている彼女達であるのだ。
「それでも素足ね」
「それが一番ね」
「若しくは秘密兵器ガーター」
話が高校生から逸脱してきている。
「下着は当然黒よ、その場合はね」
「いいわね」
「黒なの」
「それも手よ」
「白と黒の威力は絶大だから」
語る女の子達の顔はかなり真剣なものであった。どうやら下着の凄まじい破壊力については身に着ける側として熟知しているらしい。
「どっちかが一番いいわよ」
「それで白だと」
また下着の色について話をしていく。
「ガーターする場合は。わかってるわね」
「白ね」
朋子もそれを聞いて頷く。彼女もわかっていた。
「それね」
「そうよ、白か黒で統一するのよ」
「わかってるじゃない」
「ええ。とにかく白なら白、黒なら黒ね」
また言う朋子だった。
「しかもあれよね。あえて見せないのよね」
「ちらりよ、ちらり」
「見えそうで見えない」
「それよ」
女の子達の朋子へのアドバイスはかなり真剣なものになっていた。
「見せないのよ、いいわね」
「最悪見せてもそれが最高の威力を見せるから」
「わかったわね」
「わかったわ」
そして朋子もまたその言葉を真剣そのものの面持ちで聞いて頷いていた。
「じゃあ」
「とにかくよ。彼は鈍感だけれど」
「男だから」
「そう、男の子よ」
とにかく潤もまた男である、このことを念頭に置きもした。
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