戦国異伝
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第二百三十九話 伊賀攻めその八
「よいな」
「はい、では」
「戦が終わり次第皆に告げましょう」
「妖術に詳しい者は名乗りを挙げよと」
「是非共」
「そうしようぞ、では最後の最後まで攻めよ」
残っている魔界衆の者達はというのだ。
「例え傀儡や式神でもな」
「一人残らずですな」
「倒すのですな」
「そうせよ」
このことについてはだ、信長は迷わず告げた。
「一人残らずな」
「畏まりました」
「さすれば」
家臣達も応えてだった、そのうえで。
魔界衆の者達は掃討された、時間をかけて。
そうしてだ、信長は静かに告げた。
「ではな」
「はい、論功の後はですな」
「一旦安土に戻り」
「そのうえで」
「次の戦に備える」
こう言うのだった。
「よいな」
「わかりました」
「ではその様に」
「まずは安土に戻り」
「次の戦ですな」
「そうする」
こう言ってだ、そのうえで。
信長はことが済むと軍を一旦安土に戻した、だが。
安土に戻ってもだ、信長は険しい顔で言った。
「やはりな」
「妖術ですな」
「あの者達のそうした術ですな」
「それをどうするか」
「それが肝心ですな」
「そうじゃ、何度も言うが我等は妖術を知らぬ」
こう言うのだった、今も。
「だからな」
「妖術の破り方を知っている者をですな」
「探しますか」
「次の戦までに」
「そうしますか」
「そうしよう、しかしな」
ここでまた言った信長だった。
「誰もな」
「はい、申し訳ありませぬが」
「どうしてもです」
「我等はです」
「妖術の類はです」
「全く知りませぬ」
どの者も言う、それで信長もどうすべきかと困っていた。しかしここでだった。その信長に対してであった。
彼fが弓の鍛錬をしている時にだ、飛騨者達が言ってきた。
「上様、いいか?」
「我等に心当たりがあるが」
「妖術のことなら」
「そういえば」
幸村は煉獄達の言葉を聞いてだった。
矢をつがえた状態で手を止めてだ、自分の傍に控えていた彼等に言った。
「御主達の師匠はな」
「果心居士様だよ」
萌も言って来た。
「あの方は忍だけれどね」
「妖術もだな」
「うん、天下逸品でね」
「当代一の妖術使いか」
「仙人かも知れないね」
風も言う。
「あの人は」
「孤児だった御主達を引き取り育ててか」
「忍にしてくれたんだよ」
からくりも言う。
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