歌集「春雪花」
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在りしことの
意味もなかりき
我が身ほど
虚しく思ふ
隠せ白雪
彼にとって…私はきっと意味を持たない…。
性別が違ったら、まだ意味はあったのかも知れないが…。
こんな私など、虚しいだけだ…。
なぜ生きなくてはならないのか…?人はそう思うことさえ我が儘だと言うのかも知れないが、それさえ他人事ではないか…。
降り頻る雪…世界を無垢に染める…。
なぁ…雪よ、こんな私も隠してしまえ…。
この世界から…永遠に消してしまえ…。
儚くも
降りてやつもる
淡雪に
想いつのりて
夜も更けにける
はらはらと空から降ってはつもるものの、所詮…春には消え去る雪…。
そんな降り頻る雪を見ていると、彼ばかり思い出して…自分が虚しくなるばかり…。
届かない想いはつのるばかりで…決して受け入れてはもらえないのだから…。
冬の凍てつく夜…ただ静かに更けてゆくだけ…。
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