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詩集「棘」

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アリオーソ



厚い雲に覆われた冬の空
切れた隙間から覗く蒼に
そっと…手を伸ばす…

人はどうして願ってしまう?
叶わないと知りつつ求める心
自分を焼き尽くす炎を抱いて…

どうしたら…君といられるの?
どうしたら…君に愛されるの?
答えのない押し問答…
ただ…延々と続いてく…

白雪に響くアリオーソ
切なる願いを胸に秘め
恋しい君へとどうか届いて…
祈るも虚しいこの世界
僕は一人 影を見つめる…


愛しさは淋しさへと移ろいて
振り向きもせず君は立ち去り
きっと…選ぶのは…

欲する心押さえられずに
空の星々へと想いを零す
僕はなぜ僕でしかないのだろう…

どうしたら…諦められるの?
どうしたら…哀しまなくてすむ?
出された解は苦しめる…
もう…全て忘れてしまえと…

真冬に響くアリオーソ
叶わぬ想いにこだまする
愛しい君はきっと聞こえず…
生きるも侘しいこの刹那
瞳を閉じて 溜め息をつく…


恋とは自分を傷つけてまで
追い求めるべきもの?
血塗れの魂(ココロ)は天を仰ぎ
「なぜ」を問い続けてる…

雪原に響くアリオーソ
凍れる景色を震わせて
淋しい僕を永久へと誘う
想いは儚く 風に消え…

白雪に響くアリオーソ
切なる願いを胸に秘め
恋しい君へとどうか届いて…
祈るも虚しいこの世界
僕は一人 君を愛して…



 
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