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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第24話 風の神殿

 
前書き
風の神殿 

 
少しの休息を経て、司令室に足を運んだゼロとルインは再びネオ・アルカディアに向かおうと、シエルに話し掛ける。

「シエル、私達をネオ・アルカディアに」

「ええ、ネオ・アルカディアの第三エリア…風の神殿…ここを抜ければ、最後のエリアだわ。行って…しまうのね…?」

「ああ…オペレーター。転送を頼む」

二人が司令室のトランスサーバーに乗り込むと、二人のオペレーターが作業を開始した。

「ゼロさんとルインさんが、出撃されます。各員、転送準備にかかれ」

「転送準備完了…転送!!」

転送の光に包まれたゼロとルインはネオ・アルカディアの風の神殿に向かうのだった。

「無理…しないでね」

風の神殿の入り口に転送された二人はすぐにダッシュで道を駆け抜け、こちらにバスターを向けてくるパンテオンと突撃してくるメカニロイドをゼロはZセイバーで両断し、ルインはZXバスターを構えてショットを連射して破壊した。

部屋の中には爆撃機で見た覚えのあるスイッチや電磁シャッターがあり、道を塞いでいた。

「私が先に行くから、後からついて来てね。」

HXアーマーに換装してエアダッシュを使って一気にスイッチの元まで向かい、ダブルセイバーで破壊する。

スイッチが破壊されたことで、電磁シャッターが消えた。

しかし、新たなスイッチが出現する前に通り抜けなければ、また電磁シャッターが復活してしまう。

急いで進むものの、パンテオンから狙撃されて足が止まり、後一歩のところで電磁シャッターが復活してしまう。

「チッ!!」

流石のゼロも思わず舌打ちする。

二人はどこかにスイッチはないかと、辺りを見回す。

パンテオンがいるということは複数のスイッチがあるはずなので、そのうちの一つがあればそれを破壊して突破出来る。

「…ゼロ、あれ」

ルインが指差した先にスイッチがあり、ゼロはバスターショットを引き抜いて構えると、スイッチに向けてショットを放ってスイッチを破壊すると再び電磁シャッターが消えた。

二人はすぐに駆け抜けて部屋から抜け出し、部屋から出ると複数の浮遊する足場がある広い場所に出た。

二人は足場に乗って、向かってくるメカニロイドを返り討ちにしながら、次の足場に移り、それを繰り返して建物の入り口に辿り着き、シャッターが開くと、再び複数のスイッチと電磁シャッターがある部屋に出た。

スイッチを破壊して、電磁シャッターが復活する前に急いで部屋の中を駆け抜けるが、パンテオンが妨害してくるために間に合わない。

「このっ!」

こちらに発砲してくるパンテオンをダブルセイバーで両断すると、近くにスイッチがあることに気付いたルインは電撃弾を飛ばしてスイッチを破壊した。

「急ぐぞ」

「OK!!」

そして一気に進み、壁の色が他と違う場所を発見してそこに向かうとシャッターだったようだ。

シャッターを潜ると、所々途切れた床があるが、構わずに先に進もうとしたが、メカニロイド達が道を塞ぐ。

「邪魔だよ!!」

ルインがZXアーマーに換装し、空中のメカニロイドにバスターを構えてチャージショットで対処する。

ゼロがフレイムチップを起動し、チャージセイバーで捕獲用メカニロイドを燃やしていく。

それらを繰り返して先に進み、シャッターの前に着地してそのままシャッターを潜り抜けるとそこには先客がいた。。

「ハルピュイアと…エルピス!?」

ボロボロになり、膝をついているハルピュイアと、そのハルピュイアを見下ろすベビーエルフとダークエルフの半身を伴ったエルピスの姿があった。

流石のハルピュイアもベビーエルフとダークエルフの半身の力を得たエルピスに勝てなかったようであり、ゼロとルインは急いで、ハルピュイアの元に駆け寄る。

「ハルピュイア!」

「大丈夫!?しっかりして!」

ハルピュイアに駆け寄ってくるゼロとルインに気付いたエルピスが笑みを浮かべる。

「フッフフフフ…ようやく追い付いたようだな、ゼロ、ルイン。見ろ…これが…ダークエルフ……世界を平和に導く…究極のサイバーエルフ…だ」

「これが…エックスが言っていたダークエルフ…なの…!?」

禍々しい輝きを放つダークエルフ。

あまりにも凶悪なエネルギーにルインは目を見開くが、しかもこれでまだ半身で不完全な状態なのだと言う。

「クククッ、これでもうすぐ…無駄にエネルギーを消費するゴミのような人間と…それを闇雲に守ろうとするネオ・アルカディアを…この世界から、一掃することが出来る…ダークエルフの…真の復活を邪魔するエックスさえ…破壊すれば…ね!!」

「っ、ふざけないでよ!エックスを絶対に破壊なんてさせないんだから!!」

「黙れ!!」

エルピスが掌を翳すと、凄まじい衝撃がルインを襲う。

「うあ…っ!?」

まともに衝撃を喰らったルインが吹き飛んで、床に強く叩き付けられた。

「ルイン!!」

「私の邪魔はさせん…エックスを破壊し、ダークエルフを復活させる。」

「さ…させんぞ…」

ベビーエルフとダークエルフの半身の力の前に敗れたかと思われたハルピュイアが顔を上げ、凄まじい憤怒の表情でエルピスを見上げる。

「まっ、まだ口が利けるかっ…!!」

その気迫には、流石のエルピスも一瞬怯んだ。

しかし、エルピスが掌をハルピュイアに向けると、全身が金縛りにあったかのように動けなくなってしまう。

「ハルピュイア…っ」

まだダメージがあるのか、ルインはよろめきながら立ち上がる。

「これでどうだあ、もう、動けまい。フッ…フフフフフ……いいザマだな、ハルピュイア…。昔は、よく…ゴミを見るような目で…私のことを見てくれたが…私はもう…昔の私じゃない……私は、もう少しで最強の力を手に入れる…私は…神にも等しい存在に…なるのだ。クーックック、それではさっそく…このダークエルフを真に…目覚めさせるとするか…新しい歴史は、ここから始まるのだ!!」

次の瞬間、ベビーエルフがハルピュイアの体内に侵入していく。

「あ…っ!!」

急いでバスターを構えてベビーエルフに向けてショットを放つが、ベビーエルフのエネルギーに弾かれてしまう。

「お前の相手は後でたーっぷりしてやる。しばらくそいつらと遊んでおれ。では、二人共。ご機嫌よーう。」

ベビーエルフでハルピュイアを操って、ゼロとルインの足止めをさせようとするエルピスはこの場を去っていく。

「ま、待て!!」

エルピスを追い掛けようとするが、ハルピュイアの雷で動きを止められる。

「ウ…、ウウッ…ゼ、ゼロ…ルイン…俺…を…倒…せ……」

「…………」

「ハルピュイア…でも…」

「遠慮は、要らん…。もうすぐ…俺は…ベビーエルフに…完全に乗っ取られる…急いで俺を倒し…早くあいつを…止めて…く…れ……!!」

ハルピュイアにとって、エックスは全てにおいて守るべき存在。

例え自分の命を失うことになってもだ。

ハルピュイアが宙に浮かんだのと同時に凄まじいエネルギーが迸った。

この現象はアームドフェノメノンの物で光が収まった時には鳥脚がついた戦闘機のような外見に変化しており、ハルピュイアの空戦能力が極限まで引き出されているのは間違いない。

ルインはハルピュイアの弱点属性のLXアーマーに換装し、ゼロもアイスチップを起動してハルピュイアを迎え撃つ。

「止メロオオオオ!!」

叫びながらミサイルを乱射してくる。

ゼロはミサイルを巧みにかわし、ハルピュイアの近くまで行くと、チャージセイバーを叩き込むとルインも氷龍を繰り出し、ハルピュイアに喰らわせた。

「グアアア!!」

痛みに絶叫しながらこちらに突っ込んでくる。

どうやら意識はベビーエルフに体を乗っ取られていてもまだ僅かに残っているようだ。

破壊衝動のままに攻撃してくるハルピュイアだが、いくらスピードがあり、攻撃力は格段に上がっても、がむしゃらな攻撃が当たるはずもなく、距離を取られればバスター等による攻撃で対処出来るため、少しずつゼロとルインが優勢になっていく。

「オーバードライブ!!」

攻撃力を増加させ、武器に氷属性を付加させて一気にダッシュジャンプで距離を詰めてのハルバードによる一撃を叩き込む。

「ウワアアア……!!」

ハルピュイアが電撃を二つ垂らして個々に振り子運動をさせながら突進してくる。

咄嗟にHXアーマーに換装し、ゼロの腕を掴んでエアダッシュを使って空中に引っ張り上げた。

「ゼロ、今だよ!!」

「分かっている」

チェーンロッドの鎖をハルピュイアの翼に巻き付け、ハルピュイアの背部に着地すると、セイバーを翼に突き刺し、勢いよく斬り裂き、片翼を失ったハルピュイアは地面に勢いよく激突した。

元々、エルピスとの戦いで消耗していたので、これ以上の戦闘は不可能だろう。

ベビーエルフもハルピュイアの体の限界を悟ったのか、ハルピュイアの体から出て行く。

まるで使えなくなった玩具を捨てるかのようにベビーエルフが体からいなくなったことでアームドフェノメノンが解除され、いつもの人型に戻る。

「い…急げ、ゼロ…あの男からエックス様を………世界を…守ってくれ……」

エックスを守ってくれるよう、ゼロに頼み込むハルピュイア。

「分かった…後は任せろ」

四天王の中でプライドの高いハルピュイアが、こんなことを言うのも、余程ハルピュイアにとって、エックスは大切な存在だというのが分かる。

「大丈夫、絶対にエックスを守るから……ハルピュイアは早くここから脱出して」

「……お願い…します…」

ハルピュイアは転送の光に包まれ、この場を去った。

『座標軸セット完了…。これでいつでも、ここへ戻れるようになったわ…一度ベースに戻ってきて…お願い…二人共』

シエルの声が聞こえたが、今回ばかりは聞けなかった。

ファーブニルとレヴィアタンを自分達が倒したことでエックスのいる場所の守りが薄くなってしまっている。

エルピスがエックスの元に向かった以上、パンテオンやメカニロイドでエルピスを長時間食い止められるはずがない。

「ごめん、シエル。私達戻れない」

『え?でも…』

「エネルギーなら敵から奪えばいいから!だから…ごめんね!!」

「シエル…すまない」

それだけ言うと、ルインとゼロは通信を切り、エックスのいるユグドラシルに向かうのだった。 
 

 
後書き
このままユグドラシルに直行 
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