『愛花-アイカ-』
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『本心』
後日また行った時、サムライが薬買いに行ってて居らんかった。
愛花サンは壊れてなかった。
普通にボーッとしてるだけに見えた。
薬してた時とは明らかに違って見えた。
でも、零に気付いた途端、壊れてるフリを始めた。
数日の期間が空いてたから、何かあったんかもしれん。
愛花サンに聞いた。
『何があった?何が変わった?愛花サンは薬抜けてんの?』
『......』
『もしかしてサムライの方が愛花サンに...?』
『ちゃうっ!サムライは悪ぅ無いっ!あたしが、あん時ヤメれんかったけん!!やけんサムライが興味本位で打ってしもたんよ...』
『ほなサムライが見事にハマッたんやな...』
『サムライがハマッたゆうか逆にあたしが冷静なってしもて...』
『何やってんの!なんでそん時すぐヤメささんのん!!』
『殴られたんよ。あたし喧嘩以外で誰かに一方的に殴られたとか無いけん、逆らうんが怖かったんよ...アンタからみたら、あたしはアホなんやろね。もっともっと痛くて酷い事毎日されよんやけん...』
『ホンマやな。殴られてもスグにヤメさすべきやったわ。ホンマに大事なん?サムライの事』
『大事やけど怖い。心底好きか言われたら自信ない』
『ほな通報したらええやん。縛られてるワケちゃうし』
『そんなん出来ん』
『なんで?』
『大事やけんやんか!!』
『ほな意地でもヤメさせぇや!!殴られてナンボだろが!!ホンマに大事ちゃうから自分犠牲に出来ひんねやろが!!』
愛花サンが泣いてしもた。
イジメてるワケちゃうのに...。
悔しいとかなら行動せぇや。
『泣く暇あんねやったら何をせなあかんのんか考えたら?悪いけど愛花サン幻滅やわ。茉莉花先輩に対する裏切りは許せん』
『あたしも辛かった!!泣きたかった!!罪悪感でいっぱいなんよ...あたしが死にたかった...あ゛――――――――――っ!!』
なんか知らんけどワザとらしく思えて異様にムカついた。
『...ふ~ん。そんな風に見えた事1回も無いけど』
『ホンマやしっ!信じてや!』
『ほなサムライと手ぇ切れや。茉莉花先輩がどんな想いでアンタの事許して、どんな想いで死ぬことを選んだか解るやんなぁっ!!
零は辛くて辛くて耐えれんのよ!!茉莉花先輩が居ったから生きてこれたんや!!茉莉花先輩が戻ってきてくれるなら命やかくれてやる!!何でもやる!!何でも出来る!!
逢いたいんよ!!
茉莉花先輩に!!
逢いたい...逢わせてや...』
くそーっ...泣いてしもた。
怒りと悔しさと情けなさと悲しさ...
『ホンマごめん...ごめん...零...ごめんなホンマに...』
愛花サンも泣き崩れた。
~♪
暫くして愛花サンの携帯が鳴った。
『もしもし...........................今すぐ行きます!!』
沈黙が長かった。
愛花サンは固まってる。
いや、今すぐ行きます言うてたし...緊急事態やんな?普通。
『...何?誰?』
『サムライが...警察で...事故してて...』
パニクってた。
でもそれだけ聞いたら誰でも解る。
とりあえず警察行かなあかんねやんな...。
『愛花サン!!とにかく冷静に運転して!!零は後ろ乗るけん警察向かって!!落ち着いて!!』
愛花サンの後ろ乗ったこと無いし、冷静ちゃうし若干怖かった。
事件起こしたか、殺したか、死んだか...どれであってもおかしくない。
捕まっただけなら、愛花サンの様子がここまでになるワケがない。
それに、普通に捕まっただけなら警察の動きこんなに早くないやろ...。
解らんけど、妙に鼓動が早くなってく。
嫌な予感しかせん。
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