転生とらぶる
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マブラヴ
1207話
俺がFate世界から戻ってから、十日程が経過した。
そんな中、俺の姿はマブラヴ世界のアメリカ……その中でも最も有名な場所の1つであるホワイトハウスにあった。
「やぁ、アクセル。こうして直接会うのは随分と久しぶりだね」
ソファに座った俺に対し、このホワイトハウスの主でもあるビルが笑みを浮かべてそう告げてくる。
「そうだな。1年くらい行方不明だったからな」
呟き、空間倉庫から取り出した超包子特製の冷凍肉まんセットをテーブルの上に置く。
「これは大統領の再任祝いだ。シャドウミラーにある中華料理店で作った肉まんだから、このマブラヴ世界でもかなりいい味を出していると思う」
「ほう、シャドウミラーの。どうせならMS辺りを貰えると嬉しかったんだけどね」
そう言いながらも、ビルは笑みを浮かべている。
丁度去年……俺が行方不明になっている間にアメリカでは大統領選挙が行われ、再びビルが再任されたのだ。
オルタネイティヴ5派やら、恭順派やら、難民解放戦線の件やら、俺達シャドウミラーとの関係やらで色々とあったが、結果的にはその殆どの解決に尽力した事を評価され、更にはハイヴ攻略に関しても功績をアピールしての勝利だ。
結果的には対立候補を圧倒していたらしい。
まぁ、中にはシャドウミラーがビルに応援の姿勢を取っていたってのもあるが。
何しろ、ビルは何だかんだとシャドウミラーという存在についてよく知っているからな。
今までのやり取りで、シャドウミラーという存在がどうあっても敵対してはいけない存在だというのが、これ以上ない程身に染みている。
それが決定的になったのが、オルタネイティヴ5派が起こした宇宙船ジャック事件だろう。
そんな大統領がいるのに、わざわざ対立候補の大統領を選ぶというのは可能なら避けたかった。
何しろ、ビルと敵対している以上はどうしてもその政策にも敵対的なものになる事が多く、そうなればビルの最大の功績ともいえるシャドウミラーに関しても同様の道を辿る可能性が高い。
実際、ホワイトスターに残っていた選挙演説や論戦、互いの演説といったものを見る限りだと、ビルの対立候補だった人物は俺達にもっと積極的に兵器の類を要請するべきだと臭わせていたのだから。
もしビルの対立候補が大統領になっていた場合、シャドウミラーとの関係は悪化していただろう。
それは俺達にとっては小さなダメージでしかないが、アメリカにとっては大きな……それこそ巨大すぎる、致命傷にすらなった筈だ。
確かにアメリカはこのマブラヴ世界では国力が1位の国だ。
だが俺達との関係が深い日本やオーストラリア、イギリスといった国々が次々とその差を縮めているのも事実。
今でもアメリカが何とか国力1位の座を守る事が出来ているのは、単純に俺達との関係がある為だ。
けど俺達は、別にアメリカに拘る必要がない。
今アメリカを他の国と同様に扱っているのは、あくまでも国力が1位だからという理由でしかない。
もしこっちがその気になれば、すぐにでも他の国に乗り換える事が可能なのだから。
ビルとしても、それが理解出来ているからこそ選挙協力にシャドウミラーの名前を使ったりしたのだろう。
その結果が、ビルの圧勝。
……考えようによっては、実はビルはアメリカという国を救ったと言えるのかもしれないな。
まぁ、その功績が表に出るかどうかは微妙だが。
「MSか。お前達もそれなりに解析は進んでいるんだろう? けど、全ての解析を終えた訳じゃない。今、ここで無理をする必要があるのか?」
「当然だろう? EUのタイフーンはシャドウミラーの技術が一部採り入れられており、他の戦術機に比べると高い性能を誇っている。そして、日本の武御雷だ。あの機体はMSの技術を本格的に採り入れられている機体であり、現行の戦術機としてあの機体は他を隔絶していると言ってもいい。……正直、うちのF-22と比べても性能は比べものにならないよ」
「まぁ、飛鳥計画は随分と崇継も力を入れていたからな。一度は殆ど決まっていた設計を大幅に修正したせいで、結果的にここまで機体の完成が延びたってだけはある」
半サーヴァントならぬ、半MSとでも呼ぶべきその性能は、このマブラヴ世界の住人が開発したにしては非常に高い。
……まぁ、コストパフォーマンスが色々と物凄い事になってるんだけどな。
元々飛鳥計画で開発していた機体にしても、他の戦術機よりもかなり高価な代物だった。
だが、そこに更にMSからの流用技術が……つまり、このマブラヴ世界よりも高い技術で生み出されたものが流用されているのだ。
当然それを作り出すのは非常に手間が掛かり、結局は当初のTSF-TYPE00の1.7倍程のコスト増となっている。
日本の高い国力と技術力をもってしても、1年で50機作れるかどうかといったところだというのを考えれば、TSF-TYPE00がどれ程高価な代物なのかが分かるだろう。
それでも日本に提供したストライクダガーに比べると全体的な性能が劣っているのは、技術力の差を思えばしょうがないんだが。
「アメリカにだってMSは提供してるんだから、地道に技術解析を行っていけばいいんじゃないのか?」
「確かにそうなんだけどね。実際、その辺を面倒だと思う者も多いんだよ」
楽して利益を得ようってのは、色々とどうかと思うが。
そんな俺の視線に気が付いたのか、ビルは視線を逸らして口を開く。
「ところでだ。そろそろ本題に入って貰ってもいいかな? アクセルも、まさか本当に私の大統領再任祝いをしに来てくれたって訳じゃないんだろ? それなら通信でも出来る話だし」
「まぁ、確かにそれは否定しない。ただ、それもあったってのは事実だぞ」
「ああ、分かってるよ。アクセルは何だかんだで面倒見がいいから」
面倒見がいい、ねぇ。いや、確かに現在はシャドウミラーがこのマブラヴ世界の面倒を見ていると考えれば、それ程おかしい話じゃないのか?
ただ傍から見れば、ビルは俺より大分年齢が上に見える。それで面倒見がいいってのは、色々と問題があるような、ないような。
いや、まぁ、いいか。
「じゃあ、本題に入るか。……火星のハイヴ攻略の件だ。ソ連を始めとした幾つかの国が反対するようになったって聞いてるが、その辺をどうにか抑えられるか? まぁ、月じゃなくて火星を攻略するんだから、正確には地球でああだこうだと言われても全く構わないんだが、後でまた問題になったりしたら面倒だからな。一応国連の決議としてシャドウミラーが火星を攻撃するのは全く何の問題もないという風にしておきたい」
「なるほど、その件か。確かに国連としての意思を統一しておかないと、後で馬鹿な事を言う奴が出てくるかもしれないな」
俺とビルの脳裏を過ぎったのは、ソ連……以外にも色々とお騒がせな騒動を巻き起こす某国が所属している大東亜連合。
調べてみたら、俺がいない1年の間にも色々と問題を起こしていたのだから何とも言えない。
BETAによって追い詰められていればそんな馬鹿をやるような余裕もなかったんだろうが、なまじ地球ではBETAに対して人類が優勢な為にそんな馬鹿をやる余裕がある。
特に被害を被っているのが日本で、その日本と友好関係にあるシャドウミラーの方にも飛び火しそうになった事が何件かあった。
その結果、大東亜連合に所属している他の国々が毎回のように騒動を収める為に走り回っているのだが。
何と言うか、獅子身中の虫?
ご苦労さんってことで、支援物資を送りたくなる。
……もしかして、最初からそれを狙っているのか? だとすれば、意外と侮れない。
「ま、ともあれ近い内に火星の攻略は行う予定だから、それまでに国連の意見を纏めておいてくれると助かるな」
「ああ、その辺は任せておいて欲しい。こちらの世界としても利益のある事だから、十分にやらせて貰うよ」
ビルがそう確約し、それで本題は終わって世間話へと移っていく。
「それで、この1年アクセルが行っていた世界というのは、どういう世界なのか聞いてもいいかな? やはりBETAはいなかったと?」
「そうだな。……そもそも、BETAがいるのは多分この世界だけだぞ。まぁ、その代わり他の世界にはBETAよりも厄介な敵だったり、宇宙生物だったりがいるし。特にマクロス世界のバジュラなんて、BETAの上位互換的な存在だ」
その言葉に、心底嫌そうな表情を浮かべるビル。
実際バジュラがこのマブラヴ世界の地球に向かって襲い掛かってきていれば、ろくな抵抗も出来ないままに人類は滅んでいただろうしな。
もっとも、バジュラの場合は意思疎通さえ出来ればそれなりに友好的な存在だ。
それは、マクロス世界のランカが証明している。
……まぁ、意思疎通するのが難しいというのもあるんだが。
普通はバジュラの外見を考えると、宇宙怪獣って認識する。
「それはともかくとしてだ。俺が行っていた世界に関しては……そうだな、どちらかと言えばファンタジー系と言ってもいいだろうな。アーサー王の伝説とか、クー・フーリンとか知ってるだろ? そいつらと戦うような世界だった」
「……それは、凄いな」
「だろう? 中にはヘラクレスとかもいたぞ。勿論その戦いで俺が勝ったんだけどな。ちなみに、これが戦利品のようなものだ」
このマブラヴ世界でアメリカという国の大統領をやっているビルの驚く表情が面白く、ついついサービスしたくなって、空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。
いきなり俺が槍を手にしたからだろう。扉の側にいたSPが緊張した表情を浮かべる。
まぁ、普通護衛対象の側に槍を手にしている人物がいればそうなるか。
「この赤い槍は?」
「ゲイ・ボルク。クー・フーリンの持っている槍と言えば分かりやすいか?」
「これが……ゲイ・ボルク。アクセル、ちょっと触ってもいいかい?」
意外とこういうのが好きなのか、ビルの視線が俺の持っているゲイ・ボルクに釘付けになっていた。
「まぁ、触るくらいなら構わないけど、宝具って言われているだけあって刃はかなり鋭い。手を切らないようにな」
そう告げ、手に持っていたゲイ・ボルクをテーブルの上へと置く。
ビルが最初に手を伸ばしたのは、俺の言葉を聞いていたのか穂先ではなく柄の部分。
そっと手を伸ばし、赤い柄へと触れる。
そのまま持ち上げるが、槍というのは当然それなりの重量がある。
更に言えば、ゲイ・ボルクの場合は普通の金属ではなく何らかの不思議金属で出来ている筈であり、その重量もなかなかのものだ。
それだけに、持ち上げる事は出来たが、それを自由に振り回させるかと言われれば……答えは否だった。
「ぬぅ、これが伝説の武器の重み、か」
「さっきも言ったけど、宝具な」
「宝具?」
「ああ。その英雄を象徴する武器だ。例えばさっきの例で言うと、アーサー王だとエクスカリバーとかな」
「ほう」
まぁ、アーサー王が実は女で腹ぺこ王だったなんて事は全く想像出来ないんだろうが。
そもそも、アーサー王が女というのはFate世界だけだろうし。
「ちなみに、アメリカの英雄だとすればどういう人がいるのかな?」
ゲイ・ボルクから手を離して尋ねてくるビル。
SPの方も、何故か興味津々な様子で俺の方へと視線を向けている。
おい、SP……いいのか、それで。
そうも思ったが、まぁ、俺がいる時点で刃を突きつけられているのと同じような状態だしな。
そんな風に考えながら、首を横に振る。
「俺が知ってる限りだと、アメリカの英雄……サーヴァントってのはいないな。そもそも、アーサー王、クー・フーリン、ヘラクレスのように、伝説的な人物がサーヴァントになる。そういう意味だと、アメリカは厳しいだろうな」
移民して出来たのがアメリカである以上、どうしてもそっち系は弱い。
インディアンとかの先住民族とかで有名な人物がいれば、あるいは?
そうも思うが、俺自身がそっち方面にはそれ程詳しくないしな。
あ、でも佐々木小次郎がアサシンとして呼ばれたって事は、その時代のアメリカの有名人がサーヴァントとして呼び出される可能性はあるのか。
「むぅ、そうか。……残念だ」
SPの方もビルの言葉に残念そうに頷く。
有名人としては、ビリー・ザ・キッドとか? いや、あれは空想上の人物だったか?
それとも実在の人物だったか……
銃を使うとなると、アーチャーか。
ただ、銃が英霊に効果があるとは思えないんだが。
いや、サーヴァントになっているとなると、銃弾にも魔力が宿るのか?
宝具と化したニーズヘッグが魔力を纏ったかのように。
そんな感じで、ああでもない、こうでもないと、俺とビル、それとSPの面々はサーヴァントやアメリカの英雄についての話を重ねていた。
この日から数日後、国連会議の場でシャドウミラーが火星のハイヴ攻略をする事を改めて認める決議がされる。
俺が帰ってきた以上、ソ連も反対はしないし、出来なかったらしい。
それでも某国はごねようとしたらしいが……大東亜連合の他の国に抑えこまれたとか何とか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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