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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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蛇姫の猛攻

 
前書き
なぜかはよくわからないけどウェンディの身長がどんなもんなのか気になったから計算してみた。
計算するに当たって基準となる数値が欲しかったのでwikiで調べたら、ハッピーの身長だけがちゃんと数字があるみたいだったのでそれを基準に何コマか引き抜いてその平均身長を割り出してみました。
その際のウェンディの身長は・・・148.7cmのようです。
なんだかいい感じの数値が出たのでこれってことにしておこうかな?うん。
ちなみにシリルはウェンディ+1cmくらいのイメージなので150に届くか届かないかくらいのところですね。
シェリアは154.6cmだったので、レオンとソフィアもその前後ということになります。
大体みんな日本のその年齢時の平均身長に近い感じですね。え?なんでそんなことを調べようと思ったかですか?はっきり言いましょう。私にもわかりません(笑) 

 
ドゴォッ

ぶつかり合う2人の雷を帯びた拳。その力は均衡しているらしく、両者ともに影響を受けているようだ。

「フッ」

2人は相手が予想通りの強さを保有していたことに笑みを浮かべる。その次の瞬間、

ドガァァァァ

「「!?」」

ラクサスの後方を凄まじい勢いで氷の波動が突き抜けていく。

「な・・・」
「なんだ!?今のは」

驚きそちらを見るラクサスとオルガ。その冷気は自分たちが先程していた力比べの雷など悠に越えていたのだ。






















「やるじゃねぇか・・・お前」
「グレイさんこそ・・・」

こちらではグレイとタクトが交戦している。2人は互いに大きく距離を開けて現在は魔力をわずかながらな回復を目的としているようである。
すると、その2人の間をいきなり黒い衝撃波のようなものが通りすぎていく。

「「はっ!?」」

一瞬の出来事ではあった。しかし、2人の目には確かに見えていた。自分たちの間を突っ切って、地面を抉りながら進んでいく魔力の塊が。
2人はそれがレオンの1打によるものだということを見上げた魔水晶(ラクリマ)ビジョンを見て知り、驚愕する以外に何もすることができなかった。




















『レオンだぁ!!竜と神の戦いを制したのは蛇姫の鱗(ラミアスケイル)滅神魔導士(ゴッドスレイヤー)!!レオン・バスティアだぁ!!』

レオンの魔法のあまりの威力に言葉を失っていた観客たち。彼らはチャパティの実況を聞きようやく正気を取り戻し、ビジョンに映るレオンに大歓声を上げていた。

「やったぁ!!レオン!!かっこいい!!」
「さすがですわ!!レオン!!」

レオンの復活劇を受けてその友人であるラウルと彼のことを幼い頃から知っているシェリーは手を取り合っておおはしゃぎである。

「グラシアン!!」

一方剣咬の虎(セイバートゥース)の応援席ではエクシードの中で唯一残っていたグラシアンの相棒キセキが変わり果てたグラシアンの姿を見て大慌てで(エーラ)を出して飛んでいく。

「ごめん・・・キセキ・・・」

ドムス・フラウの真下で血だらけになっているグラシアンは息も絶え絶えでその場にいないキセキに謝罪する。

「あと・・・頼むわ・・・スティング・・・」

グラシアンは三大竜で唯一生き残っているスティングに想いを託し、ゆっくりと目を閉じ眠りについた。




















シリルside

グラシアンさんが倒されたことにより俺とソフィアを捕らえていた球体が消えてなくなる。その際念のため急いでソフィアから距離を取ってセクハラ対策をする。たださすがにこんな状況でそんな行動をしてくるほどソフィアも間抜けではないようで取り越し苦労に終わる。
それから俺とソフィアは勝者の勝鬨を上げているレオンに近づいていく。

「すごいな、レオン」
「これで女の子だったらソフィア惚れちゃってたかも」

それぞれ思ったことをレオンに言う俺とソフィア。ソフィアは相変わらず女の子が大好きなのは変わってないようだ。てっきりレオンの一撃で惚れちゃうかと思ったけど、そんなことはなかったみたいで少し残念。

「シリル・・・ソフィア・・・2人共今の状況わかってるの?」

掲げていた腕を下げるとレオンはこちらに体を向ける。

「次の敵はお前たちなんだぞ?」
「あ・・・」

言われてみて俺はススッと後ずさりする。さっきのパワーだけで判断するとレオンは相当すごい気がする。至近距離で受けると一撃でやられてしまうかもと思った俺は距離を少し置いておく。しかし、ソフィアはそんなことなど関係なくレオンと話をしている。

「フフン♪レオンは忘れんぼうだなぁ」
「は?」
「ソフィアの魔法は返し魔法(カウンター)なんだよ」

ソフィアはなぜか胸を張りながら自分の魔法を言う。ついでに服を変える魔法もあるけどあれは戦闘には不向きだろうし、実質返し魔法(カウンター)だけだと考えていいと思う。

「だから?」

ただ、レオンは彼女の魔法など当に知っているのだから今さら改まって言われる必要はない。彼は彼女が何を言いたいのかわからずにいると、ソフィアが手に魔力を溜めながら笑みを浮かべる。

「相手の威力が強ければ強いほど、ソフィアの魔法は輝きを増すんだよ」

ソフィアの魔法は相手の放った魔法に自分の魔力を加えて跳ね返す魔法だ。手足が封じられていると返すことができずに身を守る程度しかできないこともあるが、今は何も彼女の手足を縛るものなどないので何も問題なく返せると判断していいと思う。

「なるほど。つまり俺が攻撃してもすべて跳ね返すってことだな?」
「そういうこと」
「おもしろい。やってみてくれよ」

レオンはソフィアの自信満々の発言を聞いてそう言う。そこにあるのはキズだらけで限界が近いはずなのに、表情的には余裕を感じさせるレオンの姿。それはまるで、滅神魔法を解放できたことにより、負けることなど微塵も考えていない王者のように俺は感じていた。

「いいよいいよ♪レオンを倒せばシリルちゃんと2人っきりだもん!!上がる~!!」

ソフィアは相当テンションが高いみたいで無駄に爆天しながらレオンと距離を取り、魔法を跳ね返す準備をする。
距離が近いとその分魔法を見切る時間が少なくなってしまうから、その時間を確保するために距離を開けているのだろう。

「待っててね♪シ・リ・ル・ちゃん!!」
「う・・・うん・・・」

内心一瞬で負けてしまえとか思ったけど、どっちが勝っても戦わなきゃいけないんだから俺は応援はしない。友達とはいえども一応敵だから。倒すぺき敵だから。

「ふーっ・・・よし!!」

レオンは先程までの戦いで乱れた呼吸を整える。そこから1度失敗してしまったブレスの体勢へと移行していく。

「氷神の・・・・・」

高まっていく魔力。さっきのパンチと同じように空気が冷えていく。まるで冬の山の中にでも迷い込んでしまったかのような寒さだ。それだけレオンの魔力が高いということなんだろう。

「怒号!!」

放たれた黒い冷気のブレス。それは一直線に敵であるソフィアに向かって飛んでいく。

「これだけ威力があると、返されたら一発だもんね!!」

ソフィアは手のひらに魔力を集中させ、向かってくる攻撃を跳ね返そうとする。
そしてブレスがソフィアの手のひらに当たったと思った瞬間・・・

「きゃああああああ!!」

ソフィアが一瞬のうちに黒い冷気に飲み込まれた。

『『『なーーーーーっ!!??』』』

レオンの強力なブレスを受けさっきのグラシアンさんのように建物を突き破りながら吹っ飛んでいくソフィア。ようやく止まったかと思うと、彼女はボロボロの姿でうつ伏せに倒れていた。

「ど・・・どうせなら・・・シリルちゃんにやられたかった・・・」

起き上がろうとしながらそう呟いたソフィア。しかし、彼女は力尽きてしまい、ガクッと首を落とし気絶してしまう。さらには俺の服がゴスロリから元の状態に戻ったから、完全に倒されたのだと確信を持つことかできた。

『またしてもレオンだぁ!!シリルたんの“雲竜水”さえも跳ね返した返し魔法(カウンター)をものともせず、一瞬のうちにソフィアを倒してしまったぁ!!』

あまりの光景に呆然としていると、レオンは大きく息を吐き俺の方を向く。

「やっとここまで来れたよ・・・シリル」

彼は不敵な笑みを浮かべ、次のターゲットである俺を見据えていた。



















第三者side

レオンの勝利、さらには氷の神の復活を受け、1人の男が立ち上がりある場所へと向かっていた。

「さすがだなレオン。それならば俺も負けてはいられないな」

そう言う彼の前に2人の男が見えてくる。ただ、2人の魔導士は自分たちに出来ている抉り出された地面を見て呆けていた。彼らは完全に、何が起きたのかわからずにいるのだ。

「ウソだろ?」
「こんなパワー・・・今まで見たことがない」

戦うことすら忘れ、ある人物の前からドムス・フラウまで続くその地面を見つめていた。

「驚いただろ?グレイ、タクト」
「「!!」」

いきなり声をかけられ呆けていた2人はそちらに視線を向ける。そこにいたのは銀髪の髪をしたつり目の美青年・・・リオンがいた。

「無理もない。俺もこれを見たとき度肝を抜かれたよ。これだけの攻撃力を秘めた魔法を俺は今まで見たことがなかった」

リオンもレオンのこの力には驚いていたらしい。それだけレオンのパワーは凄まじいのである。

「グレイ。約束を覚えているか?」
「約束?」
「そうだ。俺たちが勝ったらジュビアを蛇姫の鱗(ラミアスケイル)が頂くというな」
「あぁ・・・」

どこかめんどくさそうな顔をするグレイ。彼はそんな約束などしたことは一回もない。リオンが勝手にけしかけて、その挑発に乗ったせいで睨み合った際にいつの間にかその賭けが成立してしまったのである。

「レオンが覚醒した今、俺たちに負けはない。そこでお前にチャンスをやろう」
「チャンス?」
「ここで俺に勝てたらジュビアをお前たちに返してやる」
「元々うちのギルドだよ!!」

リオンの言葉に突っ込まずにはいられなかったグレイ。そんな中、蚊帳の外にされていたこの男が割ってはいる。

「リオンさん。なんか2人で戦うみたいな雰囲気でしたけど・・・俺もいるんですよ?」
「もちろんわかっているさ。だが、貴様など今の俺の敵にはならん」

それを聞いたタクトの顔に欠陥が大きく浮かび上がる。

「だったらグレイさんの前に俺を倒してみてくださいよ。3対1から引き分けに持ち込むのが精一杯だったラミアのエースさん」
「いいだろう。やってやるよ」

互いに挑発した直後、タクトは先手必勝とすぐさま動き始める。

青い山脈(ブルーマウンテンチェーン)!!」

地面に手をつけて自分の足場を大きく盛り上げるタクト。彼はその力も使い高く高くジャンプする。

「新・音楽魔法(ミュージックマジック)・・・」

両手を合わせて魔力を高めていくタクト。すると、次第にその背中に光の羽根が見えてくる。

「なんだありゃ?」
「ほぅ」

リオンは何をやろうとしているのかわかったらしく、すぐさま造形魔法の体勢に移行する。そしてタクトは魔力が完全に溜まった瞬間、すべてを放出した。

「ウィングバード!!」

彼が誇る最高の魔法ウィング。今回放ったのはそのウィングの威力をさらに上げ地上に降らせる魔法。だが、リオンはそれを見ると冷静に対処する。

「確かに大した力だ。だが」

リオンは一瞬のうちに大量の鷲を作るとタクトの放った無数の魔力の塊にぶつけて相殺していく。

「レオンの力に比べれば全く問題ない」
「なっ!?」

タクトは地上に降りると攻撃をすべて防いだリオンを驚きながら見ている。リオンはそんな彼に対し隙を見せないようにすぐに造形の構えに入る。

「レオンに比べたらどんな魔導士の魔法も力不足に見えてしまう。何も落ち込むことはないぞ、タクト」
「くっ・・・」

タクトはかなり動揺している。エルザにも防がれ、グレイにも防がれ、リオンにはその進化系の魔法を防がれた。もっとも、グレイの時は様子見として弱めに放っていたからそこまで気にしているようには見えないが。

「1つおもしろい造形を見せてやろう。アイスメイク・・・(バク)!!」

現れたのは熊のような胴体をし、虎のような四つ足を持ち、牛のような尻尾、そして象のような長めの鼻が特徴の動物だった。

「な・・・なにそれ?」
「ある書物に出てくる空想上の動物。こいつは古来より、人の夢を食らうとされている」

獏は長い鼻を2、3度振った後、タクトに向かって全速力で走り出す。

「こいつが喰らうのは・・・青い天馬(お前たち)の優勝という夢だ!!」
「がはっ!!」

目にも止まらぬ速さで突進してきた獏をタクトは避けることができず、地面に倒れる。

「すみません・・・一夜さん・・・」

力尽き白目を向いて倒れるタクト。その瞬殺劇に目の前で見ていたグレイは唖然とし、身動きを取れずにいた。

「これでお前とやっと戦うことができるな、グレイ」
「あ・・・あぁ・・・」

いつかこの大会で当たるとは思っていたが、こんなものを見せられた後にぶつかるとは思ってなかったグレイ。そんな彼は少し、目の前の敵に恐怖を抱いているようだった。




















「なんだったんだ?さっきのは」
「さぁな。だが、とてつもねぇパワーだったのは間違いねぇ」

ラクサスの後方を通った黒い氷の波動。彼と対峙していたオルガもなぜそんなものが通ったのかわからずにいた。それにその氷の波動は2人の雷の力を楽に越えていた。誰がそれを放ったのか2人はわからずにいたので呆然としてしまう。

「あれはレオンの魔法だ」
「!!」

オルガとラクサスがそちらに視線を向けていると、横から聞き覚えのある声がしたので彼らはそれに反応しそちらを見据える。そこにいたのは長いアゴヒゲを生やしたスキンヘッドの男。まるで僧のような格好をしたその男を見て2人は目を見開く。

『み・・・みなさん!!こちらをご覧ください!!』
『カボー!!来た来た!!』

チャパティは魔水晶(ラクリマ)ビジョンに映ったその男に注目を集める。マトー君のその男の登場を待ちわびていたようで興奮している。

「聖十のジュラ・・・」
「出やがったな。怪物め」

今大会最強候補筆頭のジュラ。しかし、その男の登場以上にラクサスとオルガはある一言が気になった。

「レオンの魔法・・・だと?」
「うむ」

ラクサスの問いに頷くジュラ。彼は視線を一度オルガに向ける。

「“氷の神”を知っておるな?」
「1年前に出回ったあの噂のか?」
「うむ。実はその正体はうちのレオンだったのだ」
「!!」

オルガは1年前に大陸にその名を轟かせた“氷の神”の正体に言葉を失う。ラクサスは1年前は凍結封印されていたため、何がなんだかわからずにいる。

「レオンは魔力を溜めるのが決して上手くはない。むしろ下手な分類に入るとワシらは思っておる。だが、奴はそのすべてを覆すパワーを秘めておる。恐らく、ワシのパワーの倍近くは出せるだろうのぉ」
「あんたの・・・倍?」

ジュラの力は誰の目から見ても高いことはわかる。それに3日目のMPF(マジックパワーファインダー)の数値8544は驚異のパワーと判断していいだろう。それなのに、彼は自分より仲間であるレオンの方が強いというのだ。

「フッ。そりゃあおもしれぇじゃねぇか」

オルガはジュラの発言を聞き笑みを浮かべる。すると彼は両手を体の前に持ってきて黒雷を溜めていく。

「氷の神・・・奴は氷の滅神魔導士(ゴッドスレイヤー)って話だったな」
「そうだ」
「俺は雷の滅神魔導士(ゴッドスレイヤー)だ。俺と氷の神、どっちが強いか、あんたに比べてほしいね」

オルガはジュラに放出するための魔力を高めていく。しかし、ジュラはそれを見ても全く動じていない。

「どうだい聖十の魔導士。防ぎきれるかな?それとも、氷の神なら防げるが、俺の方は防げねぇっていうのか?」
「いいだろう」

オルガはジュラの承認がもらえると笑みを浮かべる。

(こいつ・・・おっさんを罠にはめた)

ラクサスはオルガが自分の魔法を喰らわせるために挑発したのだと分かり、そう思っている。オルガはこの一撃でジュラを沈めようと考え、自分の持てる限りの力を両手の平に集中させる。

「いくぜ!!雷神の・・・荷電粒子砲!!」

オルガの強烈な一撃。その威力は高く周囲に電流が走る。そしてそれが放たれたジュラの真後ろにあった時計台は綺麗に撃ち抜かれていた。

ドゴォン

だが、それはジュラを倒すには至らなかった。

「なっ!!」
『『『かぁーーーーっ!!??』』』

オルガの雷をものともせずに、逆に彼を地面にめり込むほどに叩きつけるジュラ。その光景を見たチャパティ、ヤジマ、マトー君の3人は目玉が飛び出るほどに驚愕したようです

「確かに力はある。だが」

ゆっくりと降り下ろした手刀を上げていくジュラ。そこから見えたオルガの顔は完全に白目を向いており、戦闘の続行不能を物語っていた。

「レオンは主の数倍強いぞ」

「「「「「オオオオオッ!!」」」」」

あまりの出来事に観客たちは本日何度目かわからない沈黙に包まれていたが、正気を取り戻しジュラの勝利を祝うように大歓声を上げる。

『なんということだぁ!!蛇姫の鱗(ラミアスケイル)怒濤の4連続ポイント!!さらには3人連続一撃で粉砕してしまったぁ!!』

レオンがソフィア、リオンがタクト、そしてジュラがオルガを瞬く間に倒したことに他のギルドの面々は言葉を失う。

『レオンが剣咬の虎(セイバートゥース)のサブリーダーグラシアン、さらには人魚の踵(マーメイドヒール)のサブリーダーソフィアを倒したことにより6ポイント加算!!』
『リオンくんが青い天馬(ブルーペガサス)のサブリーダーのタクトくんを破ったことで3ポイント加算だね』
『そして聖十のジュラが剣咬の虎(セイバートゥース)のオルガを倒したことにより1ポイント追加』

これらの点数が蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の現在の得点に追加されていく。

『これにより蛇姫の鱗(ラミアスケイル)に10ポイントが追加!!つまり・・・』

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の先程までの得点は51ポイント。それに10ポイントが足されるということはトータル61ポイントとなる。よって、

『逆転!!逆転!!蛇姫の鱗(ラミアスケイル)が最強ギルド剣咬の虎(セイバートゥース)!!さらには4日目を1位で折り返した妖精の尻尾(フェアリーテイル)を抜き去り、単独首位に躍り出たぁ!!』

万年2位と言われ続けてきた蛇姫の鱗(ラミアスケイル)。今年はジュラとリオンという二大エースを投入し優勝をもぎ取りに来たが予想外の苦戦を強いられてきた。さらには巻き返しを図ろうとしたトリプルバトルでレオンの思わぬ弱点の露呈。完全に優勝の芽が潰えたかと思われてきた彼ら。
しかし、最終日にメンバーたちが次々に敵に遭遇することに成功しポイントを連続ダッシュで同点1位に一時なった。その後妖精の尻尾(フェアリー)剣咬の虎(セイバートゥース)に加算され3位に転落していた。
そして今、レオンの復活。リオンのジュラの連続ポイントダッシュでこの大会で初めてとなる単独首位に出たのである。

『リオンもジュラもすごい力です!!4日目までよりもさらに技のキレが高まっているように見えます!!』
『待っていたのかも知れないね』

大興奮のチャパティの横で冷静にそう呟いたのは解説者のヤジマ。チャパティとマトー君は彼の方を訝しげに見る。

『待っていたとは?ヤジマさん』
『リオンくんとジュラくんはレオンくんが滅神魔法を元通りに使えるようになるまで、力を抑えていたんだよ。その方が効果的だからねぇ』

ヤジマの見解はこうだ。蛇姫の鱗(ラミアスケイル)が単独で首位を走り続けていればレオンは自分の力がなくても優勝できると思い目覚めることができない。かといって下の順位をさ迷っているとどのギルドもレオンの正体に気づいても確実にトラウマを突いて潰そうとは思わなくなってしまう。
必要なのは優勝できそうではあるが微妙な順位。これだとレオン自身も勝たなければと責任能力が駆り立てられるだろうし、他のギルドもレオンの正体に気づけば全力で潰しにかかってくる。

『まさかリオンがレオンの弱点を露呈させたのも・・・』
『このための伏線だったんだろうね』
『なんということでしょう!!ここまですべて!!リオン・バスティアの思惑通りにことは進んでいるというのか!?』

観客たちもざわつく。あえて他チームに得点を加算させたりすることでレオンが滅神魔法を扱えるようにする条件を整えていたのだ。

「レオンの覚醒。そして俺たちにはギリギリまで点差を整えるために溜めた力がある」


「レオンがあの魔法を取り戻した今、ワシらは最強のギルドになったと言っても過言ではないだろう」


「ユウカとトビーが俺とジュラさんがいるからラミアに負けはないと言った。だが、俺たちからしたらそれは違う」


「レオンがいる限り、ワシらに負けはない」


グレイとラクサスに勝利宣言をするリオンとジュラ。最強の男の復活により『万年2位(エターナルセカンド)蛇姫の鱗(ラミアスケイル)がひた走る!!








 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
オルガ対ジュラが下手くそでした、すみません・・・
それと突っ込まれる前に言いますがリオンが出した漠。あれは本来は目標などの夢ではなく眠っている時の夢を食べるとされています。
言い伝えだと悪夢を見た後に「この夢を漠にあげます」と言うとその夢は2度と見なくて済むそうです。是非やってみよう!!
さて、今回は蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の大逆襲劇となりました。
それに伴い頭の中にあったいくつかの構想のうちの2つが姿を消しました。どうせだからここでやらなくなった構想を発表しようかな。
1つはソフィアが何とか生き残りシリル対レオン対ソフィアの本格的なチビッ子バトル大会!!この場合グレイがリオンと戦いながらジュビアと合流して原作の形になります。
もう1つはタクトが生き残りグレイ対リオン対タクトのイケメン魔導士対決です。
この場合はシリルがジュビアに合流する予定でした。
ですが結局ソフィアもタクトもやられたためシリル対レオンとグレイ対リオンの対決です。
勢いのある蛇姫の鱗(ラミアスケイル)をシリルたちは止めることができるのか?
次回もよろしくお願いします。 
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