転生とらぶる
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マブラヴ
1199話
Fate世界で行われた聖杯戦争が終わり、もうお前は用無しとばかりにホワイトスターに戻された俺が姿を現したのは、転移区画だった。
リュケイオスが目の前にあるのを考えれば、転移という意味では正しいんだが……
それはともあれ、俺がホワイトスターに戻ってきて最初に出会ったのは、ある意味当然と言えるだろうがレモン。
確か俺がFate世界に強制的に転移させられた時も、近くにはレモンがいたな。
そう言えば恭子も画面越しにいたと思うが……かなり驚かれたのは間違いないだろう。
そんな風に考えている間に、こっちに近づいてきたレモンが俺の前へとやってくる。
幸い、今は夜なのか転移区画に誰の姿もない。
そんな状況で何でレモンが転移区画にいるのかは分からないが……そう思っていると、俺の目の前にまで来たレモンが、笑みを浮かべながら俺の方を見て……
パチンッ、と頬に衝撃が走る。
何が起こったのかというのは、レモンの振り切った手を見れば考えるまでもない。
平手打ちを食らったのだ。
「全く、いきなり目の前で消えて……どれだけ心配したと思う? それっきり1年近くも音沙汰がないんだから」
「そう言われてもな。向こうでこっちに連絡を取ろうとしても取れない状況だったんだよ」
……にしても、1年近く、か。
あっちの世界では半月にも満たない時間だったんだが、こっちでは既に1月末。……また、随分と時差が出たものだな。
「分かってるわよ、アクセルが意図的にこっちに連絡しなかったなんて最初から思ってないわ」
「……なら、何で俺が殴られたんだ?」
「恋人が目の前でいきなり消えたのよ? それでも心配しないとでも思った? その心配分よ、心配分」
そう言われると、俺としてもこれ以上文句は言えない。
確かにレモンは俺がどのような存在なのかを知っており、ちょっとやそっとでどうにかなるような事はないというのも知っている。
だがそれを知っているからといって、恋人でもある俺を心配しない訳がないのだ。
それも、いつものようにリュケイオスで未知の世界に転移したのならまだしも、今回は聖杯戦争に引っ張り込まれるという、色々な意味で緊急事態だったのだからしょうがない。
「でも……無事で良かった」
大輪の薔薇の如き笑みを浮かべ、レモンはそのまま俺を抱きしめて潤んだ瞳を俺の方へと向けてくる。
レモンの特徴的な桃色の髪をそっと撫で……俺はそのままレモンの唇に自分の唇を重ねた。
そのまま1分程してレモンは俺からそっと身体を離す。
レモンの目に浮かんでいるのは嬉しさと……そして、苦笑?
「あのね、アクセル。……どんな世界に行ってたのかってのは後でしっかりと聞かせて貰うけど、1つだけ言わせて頂戴」
「うん? どうしたんだ?」
「貴方、また外で女を作ってきたわね?」
「……よく分かったな」
これも女の勘って奴か?
俺の認識では、つい数分前に別れたばかりの凛と綾子の顔を思い出し、小さく息を吐く。
確かにFate世界ではゲートを設置する事も、マーカーを置く事も出来なかった。ニーズヘッグも、システムXN関係は軒並みダウンしている状態だった。
だが……それでも、俺にはレモンがいる、マリューがいる、極めて優秀な……いや、優秀過ぎる技術班がいる。
今は無理でも、必ずいつかFate世界に行ってみせる。そして、凛と綾子を再びこの手に抱きしめて見せる。
これは誓い。俺の、絶対に果たすべき誓い。
「ふふっ、どうやら新しい恋人もいい女みたいね」
「女の勘ってのは鋭いな」
優しそうな笑みを浮かべて呟くレモンにそう返すと、その笑みは苦笑へと変わる。
「あのね、アクセルの身体に私の知らない女の匂いがこれでもかって染みついてるのよ。多分ホワイトスターに戻ってくるまで、しっかりと抱きしめてたんでしょ」
「……なるほど」
レモンの口から出たのは確かに事実であり、凛は俺が光の粒として消えていく最後の最後まで抱きつき、唇を重ね合わせていた。
あそこまでしっかりと密着している状態であれば、確かに匂いのの1つや2つ移ってもおかしくはないか。
「それで、その新しい恋人はいつ来るの?」
「……いや、あの2人は……凛と綾子は、来ない。少なくても、今連れてくる事は出来ない」
その言葉に、レモンの表情が変わる。
今までは苦笑にしろ笑みを浮かべていたのだが、今レモンの表情に浮かんでいるのは真剣な表情だ。
「どういう事?」
「元々俺が向こうの世界……Fate世界に転移したのは、俺の意思じゃなかった。これは分かるな?」
「ええ、でしょうね。何しろ私の目の前で消えたんだから」
「その結果、何らかの縛りのようなものが出来ていたらしくてな。向こうの世界でゲートやマーカーを空間倉庫から取り出せなくなっていた。ニーズヘッグも使用は出来たが、システムXN関係は軒並み使用不可といった状態だったな。で、向こうの方で俺が巻き込まれた事件が終わったら、そのまま用済みとばかりにこの世界に送り返された訳だ。それこそ、凛と綾子の2人を連れてくる事も出来ないままにな」
「……そう。でも、その様子を見る限りだと諦める気は全くないんでしょ?」
「当然だ。俺が愛した女と引き離されて、そのまま放っておくと思うか?」
「そんな事は有り得ないわね」
即座に断言するレモン。
一番俺とのつき合いが長い女だ。俺がどんな行動をするのかというのを、理解しているのだろう。
「まぁ、Fate世界に転移する為には技術班の力が必要になるけどな」
「ふふっ、それはそうでしょ。アクセルが自分の恋人を諦めるなんて言ったら、それこそ私は貴方がアクセルかどうかを本当に心配するわよ。……で、アクセルが転移したFate世界? そこがどういう場所か聞かせて頂戴……と言いたいんだけど、ここで私だけがアクセルを独占していると、他の皆にも怒られるわね。まずは家に移動して皆にアクセルの帰還を報せましょうか。それに、明日には他のシャドウミラーのメンバーや、他の世界にも知らせる必要があるでしょうし」
そう告げ、レモンに促されて俺は影のゲートを使って居住区画にある家へと転移する。
「っ!? アクセル!?」
影のゲートで俺達の家のリビングに姿を現すと、まず真っ先に反応したのは実働班の隊長でもあるコーネリア。続いてあやか、ちづる、円、美砂といった生身の戦闘が得意な4人が反応し、スレイ、マリューが、そして最後に戦闘訓練は受けているものの、基本的には広告塔の役割の為にそこまで戦闘力は高くないシェリルが反応する。
……もっとも、一番遅かったシェリルの反応だが、それでも一流の兵士くらいのレベルではある。
別にシェリルのレベルが低いのではなく、周囲にいる他の者の反応速度が早すぎるのだ。
それでも全員が影のゲートで姿を現した俺へと視線を向け、驚愕の表情を浮かべた後はそれぞれに態度は違うものの、俺の帰還を歓迎する。
「……心配掛けて悪いな、今戻った」
そう告げ、スレイを含めた全員を順番に抱きしめ、深く口付けを交わしていく。
一人当たり数分なので、30分近い再会の喜びを全員と交わすと、ようやく全員が落ち着く。
特にあやか辺りはその性格もあって物凄く心配していたから、落ち着かせるのに一苦労だった。
同じように心配しそうなマリューと千鶴の2人は、あやか程ではないにしろこっちを心配していたが、それでも俺なら大丈夫だろうという思いが感じられたし。
そうして一段落すると、マリューが淹れてくれた紅茶を手に、全員がテーブルに着く。
「さて、取りあえず私達としてはこれでようやく落ち着いた訳だけど、まず何から話すべきかしら」
一先ず俺がいない間の情報を擦り合わせる為にそう告げるレモンの言葉。
リビングを見回すと、帰ってきた……と思わせるものがある。
そんな思いを感じながら、俺は口を開く。
「そうだな、まずは俺が転移した……させられたFate世界について話そうと思うんだが、それでいいか?」
その言葉に全員が頷くのを見て、俺は話し始める。
聖杯戦争、サーヴァント、汚染された大聖杯。記憶を失ってサーヴァントとして活動する俺、他のサーヴァントとの戦い、本来はいない筈の7人目、8人目のサーヴァント。 サーヴァントの真名でもある神話の世界の英霊達。
一時的に手を組み、反発し、敵対し、記憶を取り戻し、最終的にはお互いに手を組む事になり、汚染された大聖杯を破壊する為に行われた、その戦いの全てを。
そして、凛と綾子の関係も、全てを。
『……』
俺が話し終わっても、暫く誰も口を開く事はなく、沈黙が部屋に広がる。
それも当然だろう。何しろ、今までの世界とは色々な意味で大きく違う。
敢えて似た世界を上げるとすればネギま世界かもしれないが、それでもネギま世界では神話の存在が姿を現すような事もなかったのだから。
そんな沈黙を最初に破ったのは、ある意味予想通りではあったがレモンだった。
「アクセル、その……貴方が入手したという宝具、幾つか見せて貰えるかしら?」
「きちんと俺が使いこなせる宝具は、この2つ、ルールブレイカーとゲイ・ボルクだけしかないけどな」
空間倉庫のリストから取り出した、ルールブレイカーとゲイ・ボルクをテーブルの上へと置く。
ゴトリ、と音を立てたその2つは、ここがFate世界ではないのにきちんと宝具としての雰囲気を発していた。
……それを見ながら、ふと気が付きFateのステータスを表示しようとするも……こちらは残念ながら表示されない。
まぁ、それは大体予想していたけどな。
何しろ、あのステータスはあくまでもサーヴァントという括りがあってこそのものだ。
そして、今の俺は既にサーヴァントではない。
だからこそ、今の俺にはFateのステータスは存在していないのだろう。
そうして、何となく……本当に何となく近くにいたコーネリアのステータスを見ようとして……そこで相手のステータスが表示出来ない事に気が付く。
何だ? 慌てて自分のステータスを閲覧しようとするものの、そちらは普通に見る事が出来る。
……となると、他人のステータス閲覧能力だけが消えた? 何で? いや、理由は考えるまでもない。Fate世界に行った……正確にはこの身体がサーヴァント化した事が原因だろう。
もしくは、システムXNとかなしで、特殊な方法を使って世界を超えた事か?
せめてもの救いは、他人のステータス閲覧能力は殆ど使っていなかったので、俺に取っては特に不具合がないって事か。
今度、他の能力もきちんと確認しておく必要があるんだろうな。
そんな風に思っている間にも、他の皆はテーブルの上にある宝具へと意識を奪われていた。
そのおかげで、今の俺の一瞬の混乱を見られなかったのは運が良かったと言ってもいいだろう。
「これは……凄い……魔法関係に関してはそんなに詳しくないけど、そんな私が見ても明らかにその辺の武器とは一線を画しているわ」
「……ああ。武を尊ぶ者として、これ程の武器をこの目で見る事が出来るとは……」
レモンの言葉に同意するように呟くのはコーネリア。
他の者もまた、その言葉には無言で同意していた。
「あやか、千鶴、円、美砂。生身での戦いはお前達の専門分野だと思うが、そのお前達から見て、どう思う?」
コーネリアに尋ねられたあやか達だったが、最初に首を横に振ったのは円。
「どう思うって言われても、ただ凄いとしか言えないわ。とてもじゃないけど、私達が持ってもいいような武器には思えないわ」
「私も円に同感。分不相応って言葉があるけど、まさにそんな感じ。こんなに凄い存在感を発揮している武器を持つのなんて、それこそアクセル君とかエヴァちゃん……そこからぐっと落ちて桜咲さんとかじゃない?」
「この赤い槍がゲイ・ボルク……かのクー・フーリンが使っていたという槍ですか。凄いですわね。確かに見ただけでこう、魂までも引き込まれるような感じがしますわ」
「ええ。確かにあやかの言う通り、これは芸術品としても一級品ね」
あやかと千鶴の感嘆の声を聞きつつ、もう1つのゲイ・ボルクを……金ぴかから奪った方のゲイ・ボルクを机の上に出す。
「これも一応ゲイ・ボルクだ。ただし、こっちはどういう訳か俺の力では真名解放出来ない。まぁ、それでも宝具というだけあって一級品だが、純粋に武器として優れているだけだな」
「……確かに同じような武器には見えるけど、槍から感じられる迫力は最初の方が強いわね。これが、ギルガメッシュから奪ったって宝具?」
2本の槍を見比べるシェリルの言葉に頷きを返す。
そんなに生身での戦闘を得意としていないシェリルであっても、明確に違いが分かる程の差がこの2本にはある。
まぁ、金ぴかから奪った方のゲイ・ボルクが格下なのは明らかだけど、それでも金ぴか曰く本物と言うだけあってこの槍は一級品……いや、あるいはそれ以上の品だ。
寧ろ、それでも見て分かるだけの差があるようなランサーから受け取ったゲイ・ボルクの方が圧倒的過ぎるんだよな。
担い手がいるかいないかで、こうも差が出てくるとは思わなかった。
あるいは、これもFate世界から出て来た影響か?
「……それにしても、クー・フーリン、メディア、佐々木小次郎、ヘラクレス、メデューサ、アーサー王。……聞くだけでも英傑と呼んで差し支えのない人々がいたのだな。そのような者達と直接会えたアクセルが、少し羨ましい。まぁ、話を聞いた限りだと、ギルガメッシュは色々と問題があったようだが」
感心したように呟きつつも、最後には苦笑を浮かべるスレイ。
本来ならラスボスでもおかしくないギルガメッシュだったが、実際に俺が戦った限りだと打ち出の小槌状態だったからな。
どう考えても……ああ、そうだ。
ふと、宝具はこれだけではなかったことに気が付き、レモンとマリューの方へと視線を向けつつ口を開く。
「レモンやマリューにとっては、こっちの方が研究対象としてはいいかもしれないな。金ぴか……ギルガメッシュの両腕だ」
呟き、空間倉庫から金ぴかの右腕、左腕の2つを取り出し、テーブルの上へと置く。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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