『続:殺し、失い、得たもの。』
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『恐怖心と不信感』
桜がカズに何を聞いたか気になった。
至って簡単なモンやった。
*付き合った人数
=片手
*最短/最長期間
=2日/3ヶ月
*最短理由
=激しいギャップに幻滅
*求めること
=従順さ
*許せんこと
=弱いものイジメ
*短所/長所
=共にマジメなこと
従順さって...
桜、何も思わんかったんか?
弱いものイジメもワザとらしい。
マイナスにしか受け止めれん。
妙に血が騒ぐ。
本能が訴えてるとしか思えん。
優しくて甘い仮面被って、剥がしてしまえば悪魔になる。
何故か確信に近いものがあった。
組長に話してみた。
カズを紹介するに至った経緯。
妙な恐怖心や不信感、生理的な拒絶反応...
組長は言う。
『本能的に拒絶するなら確実に何かある。ワシら近辺の立場の存在かどうか、そこから調べてみる』
零は黙って頷く。
『舞チャンにも必要最低限しか逢わんようにして、逢うときは必ず人目に付く場所!!約束っ!!』
いつにも増して真剣な顔で言う。
『わかった。気を付ける』
零も他の組の人に聞いてみた。
下っ端連中にも聞いてみた。
知ってるって言う人は居らんかった。
ふと、昔の組長との会話を思い出す。
『組織の人間より、理性を無くした素人の方がタチ悪い』
『零みたいなんがタチ悪いって言いたいんやろ』
組長は否定した。
『零の血は間違いなく親父のヤクザの血や。無駄に正義感が強くて困るけどな。それをコントロールできる人間になったら大丈夫や!!』
『コントロールやか出来んよ。零は異常やけん。非社会的人間って鑑定結果出たしな』
『改善出来る範囲や』
『でも別人格も在る異常者やし。他人と違う』
『そもそも他人と同じ方が気色悪いわ。昔から言うやろ?十人十色、千差万別って!
皆がそれぞれ違うから世の中いろんな職も在って、いろんなモノも在って成立しとんやで?
どこぞの偉いさんかて、最初は反感買いながらも信念貫いたからこそ、今が在るんかも知れんで?
零は自分らしく生きたらええねん。他の誰もが出来んけど零なら出来るっちゅうもんが在るやろが!!』
『言いたいことは解るけど零には何も特別なもんは無いわ』
『これからや!オマエ何歳や!長い人生、むしろ今からやで?始まったばっかや!今迄も散々だったかもしれんけど、今からも散々や!それでも進むしかない』
以前の会話を思い出しても今と大して変わらん。
零も、誰かのこと怖いとか言えれんほどに充分おかしいし、狂った人間や。
てか他人が怖いとか...
おかしいやん。
そんなん今迄無かったのに。
得体の知れぬ幽霊でも無い。
実体のある人間。
怒りや憎しみ、殺意とかなら腐るほど抱いてきた。
今迄、恐怖心ってのは正直そんな無いと思う。
理性が飛んだ自分以外...
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