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Steins;Gate 愛別離苦のラグナロク

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Chapter05


「おっ!オカリン、牧瀬氏、待ってたお」

ラボの屋上。ダルがキャンプ用のイスに座りながら呼びかけてきた。
どうやらBBQセットの準備は終わっていたようだ。

まゆりやルカ子にフェイリス。萌香にミスターブラウン。綯もすでに集まっていたようだ。

「まゆりちゃん、ボク本当に来てよかったんでしょうか…?」

「もちろんだよ〜! ついでにまゆしぃが作ったコスもきてほしいなー?」

「まゆりちゃんの衣装露出が多いからちょっと…」

どうやらルカ子はまゆりの毒牙にかかりかけてるようだ。
ああなったらとてもしつこいぞ。

「おお!岡部待ってたぜ!こうやってみんなでなんかすんのも楽しいよなぁ!」

「岡部君…私も来て…よかったのかな…?」

「なぁーに変なこと言ってやがる桐生!当たり前だろぅが!」

「ミスターブラウンの言う通りだ、もはや我々の仲間といっていい」

言葉では、そういいつつ目を見ながら話すことはどうしても出来ない。

別の世界線とはいえ。もうまゆりを殺すことはなくても。

あの冷徹な目を俺は忘れられない。

彼女は悪くない。

鈴羽も言っていた言葉。
今では痛いほど分かる。

「ところでフェイリスたんの私服まじパネェっス
焼きそばでの”目を見てませまぜ”キボンヌ」

「ダメニャ!今日はプライベートニャから
そんなことはできないニャ〜ン」

「フヒヒ、ですよね〜サーセン」

なぜ嬉しそうなんだ、しかも笑い声キモい

「岡部。さっさと食材焼くわよ」

紅莉栖が買ってきたスーパーの袋を手にしながら呟く。

黙って袋を漁り、紙製の受け皿を配る。

するとダルが少し驚いたような顔をした。

「なんかオカリン今日おとなしいな。
いつもなら牧瀬氏といつもの変態同士の視察戦を繰り広げるのに」

「黙れHENTAI!」

「HENTAIじゃないお!HENTAI紳士だお!」

この会話も久しぶりだ。

「どっちでもいい。スーパーハカーよ飲み物はもうみんな
行き渡ったか?」

「ハッカーな。しかもなぜ聞く?
まぁ渡ったみたいだお」

「よし」

そして、息を吸い込み。

「まずは、皆、ご苦労であった
長い間戦い抜きようやく悪の組織であるSERNは壊滅した!
ここに聖戦の終息を記念として乾杯とする!
乾杯!!」

「「(ダサイ)…乾杯」」



+ + +


宴会が始まり、1時間が過ぎた。

宴もたけなわである。

まゆりは今度は紅莉栖にコスを着させようと怒涛の勢いで詰め寄っている
それをルカ子とのタッグで諦めさせようとするがなかなか苦戦してるようだ。

萌香は焼けた肉や野菜を綯によそってあげている。
口下手な所は変わらないが面倒見はいいのかもしれない。
相変わらずミスターブラウンは娘にべったりである。
こうして見るとひとつの家族にも見えなくも…いや、ないわー。

なにやらフェイリスがやけに絡んでくるがどうにも反応に困る
鳳凰院凶真は臨時休業中なのだ。ご了承ください。


と。そこにひとつの花火が上がった。
少し遅れて弾けた際の音が響いてくる。

全員が一斉に空を見上げ、小さく歓喜の声を上げた


「ねぇねぇ!ここからじゃ遠いから
皆んなでみにいかない〜?」

みんなが誰と言わず片付けをし始めた。
みんなもその気だったようだ。

そこまで遠い距離じゃない。

俺も反対する気などこれっぽっちもなかったのだからーー

+ + +

片付けを大まか終わらせて、とりあいず近くの川沿いまで歩くことになった。
空を見上げると、夜間際にみえる綺麗なグラデーションになっていた。

「何から何まで久しぶりだな」

聞こえないくらい小さい声で呟く。

空を見上げるのなんて何年としてなかった気がする。

こんなのがいつまでも続くといい。
そう切に願っている。





だが。





叶わなかった。






1時間後。
まゆりが倒れた。 
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