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レインボークラウン

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第二百八十九話

第二百八十九話  使っていくうちに
 美樹は風の魔法の勉強を実際に使ってみることでしていってだった、その中で次第にだった。その魔法を放つ速さが狭まっていってだった。
 威力もだ、ビルガーとファルケンが言った。
「かなりです」
「いい感じになってきましたね」
「このままいけばです」
「より威力が上がるかと」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「ただといいますと」
「何かこうね」
 首を傾げさせて使い魔達に言うのだった。
「見えてきた気がするの」
「具体的にですね」
「どうした魔法を使われたいか」
「そのことがですか」
「見えてきましたか」
「そうした気がしてきたの」
 また二羽の使い魔達に話した。
「口でははっきり言えないけれど」
「そうですか、では」
「これからどうされますか」
「そうね、何かここから先はね」
 どうかというのだ。
「がむしゃらに魔法を使うんじゃなくて」
「と、いいますと」
「どうされますか」
「少し考えてみたいの」
 ただ魔法を使うのではなく、というのだ。
「具体的にどうした魔法を使いたいのか」
「そうですか、では」
「じっくりと考えてみますか」
「そしてそのうえで」
「答えを見付けますか」
「そうしてみようかしら」
 こう言うのだった、そして暫くだった。
 美樹は自分で自分がどういった風の魔法を使いたいのか考えることにした。勉強は続けていてもこれまでより激しい勉強はせずにだ。
 考えることにした、しかし。
 その答えは出ずにだ、それでだった。
 考え続けた、そうして。
 その中でだった、考える中で。
 ビルガーとファルケンにだ、こうしたことを言った。
「暫く考えていても」
「それでもですか」
「その考えることは」
「あまり長いとね」
 それはというのだ。
「問題よね」
「そうですね、出来るだけです」
「早いうちに答えを出しましょう」
 二羽も応えて言う、期限は決まっていないがそれでも時間は長くかける訳にはいかなかった。


第二百八十九話   完


                    2015・11・15 
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