| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八十八話

第二百八十八話  複数同時に
 魔法の勉強を続けていくその中でだった、美樹は。
 上下にも魔法を放ちだ、さらに言った。
「さて、今度はね」
「さらにですか」
「工夫を加えられますか」
「また考えたの、今度は二種類の魔法を一度によ」
 風のその魔法をというのだ。
「使ってみるわ」
「そうされますか」
「今度は」
「ええ、これまでは一度に魔法を使う時はね」
 例えそれが鎌ィ足等を何発も同時に出す場合にしてもというのだ。美樹は自分の魔法のことを客観的に振り返りながら話す、
「一種類だけだったでしょ」
「そうですね、確かに」
「鎌ィ足と竜巻を同時に出すということはなく」
「あくまで一種類だけでした」
「それを、ですか」
「二種類同時に出されますか」
「やってみるわね」
 こう言って実際にだ、美樹は。
 呪文の名前をだ、二つ同時に唱えた。すると。
 まずは鎌ィ足が出た、しかし。
 竜巻はだ、それはだった。
 すぐに出たが一瞬で消えてだ、美樹はその竜巻を見て残念な顔で言った。
「どうもね」
「はい、鎌ィ足は出ましたが」
「ですが竜巻はです」
「それはすぐに消えてしまいましたね」
「覚えはじめの様に」
「そうね」
 難しい顔でだ、美樹はビルガーとファルケンに話した。
「これはまだまだね」
「では、ですね」
「こちらも練習されますか」
「温度や上下の調節」
「それに同時に複数の種類を出されることもですね」
「どれもやってみるわ、とにかくね」
 美樹は真剣な顔で言うのだった。
「何でもまずはやってみる」
「それですね」
「挑戦してそして」
「そのうえで見付けていく」
「そうされますか」
「それしかないみたいだから」
 それで、というのだ。
「やってみるわね」
「わかりました」
「では私達はご主人様と共にいます」
「そしてです」
「何かあればその時は」
 使い魔として全力で尽くすというのだ、美樹は二羽の言葉を受けてそれを背にして魔法の勉強をしていくのだった。


第二百八十八話   完


                          2015・11・7 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧