女提督の航海(後悔)日誌
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
駆逐棲姫と提督
前書き
加賀達の支援により輸送船を無事に鎮守府へ辿り着かせた金剛達第二艦隊。
金剛は皆に休むよう言い、我れ先にと執務室の扉を開けるが…
ー鎮守府ー
吹雪「やっと着いたぁ~」
金剛「お疲れ様デース!ブッキー!」
北上「いやー、早く入渠したいなー」
金剛「テイトクへの報告はワタシがしますカラ、ミナサンは休んでクダサイネー」
船長「積荷、いやお客さんの事も有るから私も行くよ。さ、おいで」
駆逐棲艦「ウン…」
ー鎮守府、執務室ー
金剛「テイトクゥ~!第二艦隊只今帰投しまシタ~!」
提督「金剛、ドアを思い切り開けなくても分かってるわよっ」
金剛「soryネー」
提督「お疲れ様。護衛任務の報告だけど、偵察機から逐一状況を打電して貰ったから、必要ないわ(隣に居る子は…)」
金剛「oh…もうちょっと褒めて欲しかったデース」
提督「金剛…こっちおいで」
金剛「ハイ(ンフー、テイトクのcutなお顔が目の前に〜)」
提督「あの子は?」
金剛「輸送船の船長さんデース」
提督「違う、船長さんの隣に居る子っ」
金剛「お、お客さんデースっ」
船長「…ゴホンっ」
提督「あ、し、失礼っ金剛、お疲れ様でした。また後でお話しましょうね。入渠してらっしゃい」
金剛「ハ、ハイ!で、ではワタシはこれで失礼しますっ」
船長「積荷の事なのですが…先ずは受け渡しのサインをこの書類にして頂けますか?それと、補給物資は何方へ搬入すればよろしいでしょうか?」
提督「はい。確かに物資を受け取りました、と…搬入は第一倉庫の方へお願いします。大和、輸送船の船員さん達を案内して頂戴」
大和「はい、ク◯ネ◯ヤマトの宅◯便、推して参りますにゃ」
提督「や、大和?…まぁいいか…重要な物資と聞いていたのですが、まさかその子じゃないですよね?」
船長「察しがよろしいようで」
提督「それはどういう?」
船長「話すと長くなるので私が把握している範囲の事を…港に打ち上げられていたこの子を武蔵さんが助け、看病していたんですが、何時の間にか懐いてしまったらしく…」
提督「待って、この子深海棲艦ですよね⁇どうしてそんな子が港に…懐いたって、え?」
船長「流れついてしまったんでしょう、暫く武蔵さんが面倒を見ていたそうですが、此方へ身柄を移すよう命令が有り、この鎮守府へ物資を輸送する我々の元に来たというワケです」
提督「良く引き受けましたね?」
船長「いや、私も初めてこの子を見た時は恥ずかしながら、狼狽えましたよ。でも、凄く人懐こくて直ぐに恐怖心は無くなりました」
提督「確かにこんな子に懐かれたら嬉しい…かしらね…?(足…は、どうなっているのかしら…?)」
船長「それだけに、出港の際にこの子が身体を拘束されて船に積み込まれた時は面食らいましたよ。荷物としてではなく乗員として船に乗ると思っていたのに…」
提督「まぁ、懐いているとはいえ深海棲艦ですし…(深海棲艦を乗客として扱うのもどうかと思うし…)」
駆逐棲姫「…」
提督「あ、あの、気分悪くさせちゃったかしら…ごめんなさい」
駆逐棲姫「イイノ…アヤマラナイデ」
提督「⁉(喋った⁉)」
船長「しかしですね、懐いてくれる相手の食事に睡眠薬を混ぜて眠らせて手足を拘束するなんてやり過ぎでしょう?人間にとって深海棲艦が脅威なのは分かります、だがこの子は酷く負傷した状態で港に打ち上げられ、艦娘に助けられ、傷を癒していただけなのに…っあ…し、失礼しました…」
提督「貴方が指図した事じゃないというのは分かりましたから、落ち着いて。えーと」
駆逐棲姫「クチクセイキ…」
提督「駆逐棲姫ちゃんもお食事してたのに急に眠くなって気が付いたら体の自由が奪われてたなんて、びっくりしちゃうわよね?だから暴れちゃったのね?」
駆逐棲姫「…ウン…」
提督「でも、駆逐棲姫ちゃんは武蔵お姉ちゃんの言う事を聞いて暴れるのをやめてくれたんだね。えらいえらい」
駆逐棲姫「…ン…」
船長「…この子をお任せしても良さそうですな。では、私はこれで」
駆逐棲姫「カエルノ?」
船長「なーに、また会えるさ、それまでの辛抱だよ」
提督「港までの航行、お気をつけて。あの海域にはまだ撃退していない深海棲艦が潜んでいるかもしれないので…」
船長「充分に気を付けますよ。では…」
提督「(これは、後で武蔵に話を聞く必要がありそうね…)駆逐棲姫ちゃん、ともかく、我が鎮守府へようこそ。ワケを話せばここにはあなたを傷つける子は居ないハズだから、心配しないでね?
お?」
駆逐棲姫「…オナカ…スイタ…」
ページ上へ戻る