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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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02.マルチェロの実力

クロノスとはいい名前ではありませんね。
死神の名前で、神話でもあまりいいポジションにいませんし。
マルチェロが嫌な顔をするぐらい悪い名前ですね。

「まあククールなんかアンジェロ(天使)だからいいだろ。」

こいつは天使よりタラシだろ、と言わないであげて・・・
事実過ぎて否定できないから。

「オレのナイスビューティフルな顔に傷をつけるなんて、世界の損失だぜ!?女神様も泣いちゃうような大事件だぜ!?気を付けてほしいんだけど」

ククールはクロノスとの手合わせで、顔に傷をつけられたようでシュボン・・・
マルチェロはそれを鼻で笑っております。
それもそうでしょう。
力で勝てるはずの男が、力で負ける女に負けたのですから。
まあ、マルチェロの場合はククールの排除のために全力メラゾーマでしょうが。

灰にならないことを祈ります。
灰になったらザオリクが効く効かないより、死んだことに気づかない事態に。

「マルチェロ、手合わせしないか」

世界広し!!
と言えども、マルチェロに手合わせを頼むなどそうありませんが、クロノスは気にしません。
マルチェロに手合わせを頼む輩は大抵、マルチェロに良からぬ恋心を抱く男どもぐらいです。

クロノスには蟻のサイズほどの恋心もございません!!
単にククールの顔に見飽きたのです。
そしてマルチェロも先程まで手合わせしていた相手の顔を見飽きていました。
ククールはふて腐れながらも二人の手合わせを観戦することにしました。

「院長が言わなければ貴様も追い出していたところだ」

なぜか剣ではなく舌で勝負になりかねない出だしです。
マルチェロはクロノスが嫌いではありませんが、聖堂騎士団に邪魔だと感じていました。

「出ていったらその頭に合う育毛剤を探してやる。」

クロノスも言い返しますが、マルチェロは無視します。
二人して大人げないです。ククールはそれよりバカに見えるから捨てられるのは言うまでもありませんが。

二人の手合わせは完全に勝負の域にあります。
力で勝てないクロノスは的確な攻撃で詰め寄ります。マルチェロは隙を見て一撃を入れるつもりなのでしょう。軽く受け流すだけです。
手合わせがヒートアップした二人は魔法を使いかねません。
ククール以外は退避してました。

ククールもマジックバリア、スカニは重ねかけしてあります、すでに。

クロノスは一歩踏み込んで、突いてきました。
相手の顔に傷をつけることには成功しましたが、マルチェロはその隙を逃さずレイピアを弾き飛ばしました。
そのレイピアはククールの顔めがけて飛んできました。完全に狙われていたようです。

あまり気にしません。日常ですから。

クロノスはやけになりメラミを放ちます。
それを見ていたはずのククールは、なぜか気づけばクロノスのまえにいて、メラミを食らっていました。

(はぁ!?オレに何が起きた!?髪が銀から黒に・・・
いや黒こげに・・・
確か、いきなり視界が動いて。)

「マルチェロ、お前。
オレを盾にしやがって!!自分で受けろよ。
自分の手合わせだろーが!!」

「すべて自分で食らうなど無理意味だな。
手合わせに他者の力を借りてはならぬという決まりはない。」

なんて兄だ、鬼畜すぎる。
いえいえ、今に始まったことではありません。
だいぶ前から、だいぶ前からですよ。
あの極悪人マルチェロに使われるのは。 
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