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IFのIFストーリー

作者:にゃーす
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寮の帰り

ー生徒会室ー

「ーさて、到着です。どうぞお入りください」

「「・・・し、失礼します」」

中を見ると前世の学園の生徒会室とは明らかに違う、というかほとんど理事長室に負けてないくらいの高級感溢れるもので埋まっていた。

慣れた様子で執務机についたクローディアは、指を組んでゆっくり息を吐いた。

「では、あらためまして・・・星導館学園へようこそ、綾斗。泰人。歓迎いたします」

と俺たちを見つめる、

「この雰囲気壊すけど、ぶっちゃけ俺要らねぇよな?」

「え?」

と綾斗が聞き返す。

「いやさ、綾斗が特待生だからここに呼ばれるのはわかるけど俺一般だよね?」

とクローディアに聞き返す。

すると綾斗が「違うの⁉︎」と驚く表情をするが敢えて無視する。

「ええ、でも綾斗さんと泰人さん二人に期待しているからこそ、ここに呼ばせて貰ったのです」

「・・・まあこんな時に入るから勝手に考えるのも仕方ないと思ってるんだろうけど、俺は≪星武祭≫(フェスタ)は個人戦しか出るつもり無いよ?」

と言うと、クローディアが驚く。

「興味が無いのですか?」

「いや〜コミュニケーション能力低いからタッグ戦もチーム戦も出れる気しないだけですよ」

と申し訳なさそうに頭を掻くと、

「・・・私を欺けると御思いですか?」

と殺気を向けてくる。

「あー物騒物騒。それにあんなスポーツに興味なんて≪ない≫」

「っ!やはり貴方は達人級の使い手・・・!」

「やめてくれ、達人じゃなくて、俺なんて妙手が良いところだよ。それに期待のホープは綾斗がいるだろ?」

とつまらなさそうに綾斗を指差すと手を振って否定する。

「いやいや!こんなやり取り見せられたら俺なんてまだまだだよ」

「ま、こんな感じでよく綾斗を特待生で入れたな?」

「もちろん権力のごり押しです」

と、事も無げにさらっというクローディアだが権力のごり押しとか言うあたりーそして俺たちに呼び捨てを強要するあたり、彼女がかなり強引であることは簡単に想像できた。
と少し考え事をしていると、彼女がぐいっと顔を近づけてきた。

「・・・ってうおっ!びっくりした!」

「むう。あなたは簡単に言うとやる気が無いと言うことですが(いや無いわけでは)ならなぜこの学園に来たのです?」

「・・・この学園、ね」

再び考える・・・が、

「・・・だめだ。何にも出てこねえ」

「え?」

「特に無い。敢えて言うならなんでここに来たのかを探しに来た、とでも言うかな」

と答えるがクローディアは呆れたように手を振り「そろそろ始業時間ですから」
と言ったので俺たちは生徒会室を後にした。















「あー適当に自己紹介してくれ」

と、だるそうに俺たちに自己紹介を促す先生は谷津崎匡子(やつざききょうこ)先生だが口調や態度はとても先生どころかどこかのヤクザを思わせる。

「枢木泰人です。よろしく」

と短く答えるが周りは普通の反応をしている。そりゃそうだ、なんたってもう一人はー

「あ、えーと、天霧綾斗です。よろしく」

と答えると綾斗に向かって周りのいろいろな視線が刺さる。
そんなことは意に介さず、先生が席を指示してくれたのは面倒く・・・炎使いの少女、だった。

「・・・まさか同じクラスとは奇遇だね・・・」

「そうだな。奇遇だな」

とニヤニヤしながら返事をする少女。
・・・くそう。別クラスとか思ってたのに、これで逃げれなくなった。
と、苦笑いをしていると少女のほうから声をかけてきた。

「決闘はいつにしようか」

と言うので

「すまん。少し用事があるんだ。だからまた今度、な」

と面倒なので嘘をつくとそれを疑わずに「そうか」とだけ言い、それ以上何も聞いてこなかった。そして周りの目線が痛いのはなんでだろうか。














「・・・あれ?ここ通れないぞ」

「ありゃありゃ、しまったな」

寮へ帰ろうとしたら、綾斗が一緒に帰ろうと言ったので今こうして来たのだがどうやら昼間まで空いていた門が閉められていたので二人でどうするか唸っていた。

「仕方ない迂回して帰るか」

「そうだな」

と言い、中庭のほうに戻ると、怒鳴り声がしたので俺たちはそちらの方に行くと、どうやらあの少女と見たことのない男三人組が取り囲むようにして話している。
触らぬ神に祟りなし。それにあの少女ならそこら辺の奴等など軽くあしらえるだろうと思ったので綾斗に退避の指示を出そうとすると、


「・・・丁度いい。レスター、あいつに挑み私と闘うほどの強さを証明してみせろ」

と俺らの方に指をさしながら大声をあげる。

「なんだと?」

とこちらに向き、俺たち(おれ)はぞろぞろと少女の方へ行く。

「あー、綾斗。指名だぜ」

「えっ!泰人じゃ無かったのいまの?」

と疑問をあげるが無視をして決闘を誘導する。どうやら男たちも特待生だとわかると、リーダーらしき大柄な男が(たぶん少女が言っていたレスターだろう)申請をしようとする。が、

「何を言っている。私が言ったのは隣の男だ」

「・・・あー、めんどくせえ」

もう少しでいけたのに少女が口を挟んだので思わず本音が出てしまった。

「・・・ページ・ワンにも入っていない、ただのクズと俺を戦わせるだと?」

とあちらも本音丸出しの言葉を吐く。少しムカついたがこんなことで決闘なぞしたく無いので抑える。

「・・・ふっ。そうやっているから貴様はいつまでも私に勝てないのだ」

と嘲るように言うと、

「・・・クックックッ。いいいじゃああねぇええかああ!」

と安い挑発に怒りを露わにしたレスターは俺に決闘を申請する。

「ったく。決闘を承認する」

と略称で承認するとでかい斧を振りかぶり突進ーする筈が、

「っ⁉︎なん・・だと」

「お疲れさん」

レスターは斧を振るうことなく、無機質な声が泰人に勝利を告げた。

「・・・何が起きた?」

「さ、さあ?」

と少女と綾斗が話しているなか、

「ただの機械の故障だ!」

と声を荒げるレスター。
そんな彼に対し、

「故障だろうがなんだろうが俺の勝ちなんだ、諦めな」

と言うと、胸の校章を引きちぎり、

「どこにも壊れ・・・て⁉︎」

と言い、見せようとしたら真っ二つになって地に落ちた。まあ、始まった瞬間に時を止めて刀を呼び出して真っ二つにしただけだが。
そんなことを分かる訳もない彼は反抗しようとするがそろそろうざいから、

「うるせえ、いい加減<黙れ>」

とレスターに向かって殺気を放つと、彼は恐れて苦し紛れの言い訳をしながら取り巻きを連れて逃げていった。

「・・・さて、帰るとするか」

と俺は綾斗たちの方を向くと、呆然としていたので

「うん?どうかしたのか?」

と声をかけると、二人ともはっ!と意識を戻し少女は帰り、綾斗と俺は寮へもどった。



 
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