転生とらぶる
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Fate/stay night
1177話
「うわあああっ!」
そんな悲鳴を上げながら、衛宮が影のゲートから出る。
他にも多かれ少なかれ驚き……とまではいかないが、微妙な表情を浮かべている面子が多い。
これが2回目のイリヤやセイバーにしても、その表情は変わらない。
特にライダーは反英雄って割りには影の属性に対して適性を持たないのか、嫌そうな表情を浮かべていた。……当然か。そもそも影のゲートはネギま世界の魔法であり、この世界では影とか使うのなんて……ああ、黒桜がいたか。
それはともあれ……
「ほら、ついたわよ」
こちらは何度も影のゲートを使っている為か、既に慣れた表情の凛が呟く。
その声に他の面々も視線を凛の見ている方向へと向けると、先程とは別の意味で驚きの表情を浮かべていた。
尚、現在この場にいるのは俺、凛、綾子、セイバー、衛宮、イリヤ、セラ、リズ、桜、ライダーの合計10人。
その中でも目立っているのは、眼帯をしてボディコン服を着ているライダーに、ハルバードを持っているリズ、そして物干し竿を手にしている綾子だろう。
俺もゲイ・ボルクはあるんだが、空間倉庫に入ってるから、わざわざ持ち歩く必要はないしな。
そういう意味では、物干し竿も同じなんだが……いざという時の事を考えれば、やっぱりすぐに使えるというのは大きい。
「じゃあ、行くとするか。……凛、一応聞くけど、監督役の言峰を襲って教会とか魔術協会の方は大丈夫なのか?」
1歩踏み出す前に、念の為と凛に尋ねる。
その言葉に戻ってきたのは、当然と言わんばかりの頷きだった。
「確かに言峰がただの監督役なら、大問題よ。下手をすれば聖堂教会と魔術協会の争いにすら発展するかもしれないわ。けど、今回は別。そもそも聖堂教会から派遣されたという立場の言峰が、監督役をやりながら聖杯戦争に参加するなんてズルをしている上に、どんな手段を使ったのか知らないけど1人で2人のサーヴァントを使役しているんだから。それも、ランサーはともかくもう1人の方は本来存在していない筈のサーヴァント」
凛の説明に、確かにと頷く一同。
ただし、イリヤだけはどこか意地の悪い笑みを浮かべて口を開く。
「けど、言峰と凛って同じような事をしていない? 凛だってアークエネミーの他に綾子というもう1人のサーヴァントを従えてるんでしょ? しかも綾子も本来存在しないサーヴァントなんだから、中身はともかく外から見れば2人揃って同じ事をしているように見えるわよ?」
……確かに、と俺までイリヤの言葉に思わず納得してしまった。
そうなんだよな、言われてみれば確かに凛と言峰は色々と似ている。
両方とも複数のサーヴァントと契約しているところとか。
もっとも、本来なら魔力の問題でとてもじゃないけどそんな事は出来ないんだけど、俺の場合は話が別だ。
SP回復のスキルのせいか、それともアークエネミーというイレギュラークラスのせいか。はたまた、それ以外の理由か。
ともあれ、そんな理由により俺には魔力生成EXというスキルがある。
これのおかげで、俺自身の維持に必要な魔力は自分自身で賄っているし、半サーヴァントという形で普通のサーヴァントよりも維持コストが大分安い綾子も俺の魔力を通して存在している。それでも尚魔力が余っており、その魔力は凛の方へと流れ、実質今の凛は魔力を無限に使いたい放題だ。
そこまで考え、ふと思い出す。
そう言えばこの教会の地下には10年前の火災での生き残りがいて、金ぴかがこの世に存在する為の魔力を強制的に搾り取られているんだったか。
なら、あの金ぴかを少しでも弱らせる為に救い出しておいた方がいいか。
……まぁ、魔力タンクとして使っている人間がいなくなれば、言峰から魔力を貰うんだろうから、それ程大きいダメージって訳じゃないだろうが。
もっとも、今回の件が上手くいけば言峰はここで消滅することになるだろう。
「さて、じゃあ行きましょうか。アークエネミー、準備はいい?」
「ああ」
呟き、教会へと向かって1歩を踏み出す。
正真正銘この中で最強なのは俺である以上、言峰や金ぴかがいつ襲い掛かってきても対応出来るように、俺が先頭を進んだ方がいい。
もっとも念動力が危険を知らせてこないというところから考えると、多分教会の中に金ぴかはいないんだろうが。
言峰は確かに強いが、それでも所詮は人間だ。多少人間の域を踏み出しているとしても、サーヴァントには敵わないだろう。
「セイバー、ライダー、一応周囲の様子には気を配っておいてくれよ」
念の為に空間倉庫から取り出したゲイ・ボルクを手に、教会へと向かっていく。
以前は俺とセイバーが待っていた鉄の門を潜り抜け、教会の敷地内へと入り込む。
それでも特に何か反応がある訳ではないのを思えば、多分向こうとしてもこっちが着ているのに気が付いて待ち構えているのか、それとも単純に教会にいないのか。
神父は教会にいるものという認識があるが、原作でも言峰は中華料理屋で麻婆豆腐を食っているシーンがあったからな。
そもそも幾ら聖杯戦争の監督であっても、本気で教会から外へと1歩も出ないなんて事が出来る訳がない。
静かな教会の敷地内を進み、教会の入り口の前へと到着する。
周囲を警戒してはいたが、何が起こる様子もない。
「誰もいないわね。綺礼の奴、もしかして私達が来るのを察知して一足早く逃げ出した?」
眉を顰めながら告げる凛の声に、俺は首を横に振る。
「いや、それは有り得ないと思う。歩いて教会に近づいてきたのならともかく、俺達は影のゲートで転移してきたんだ。どうやっても向こうが俺達が近づくのを察知出来るとは思えないし、もし察知していたとすれば俺の念動力で気が付かない筈がない。俺には理解出来ない何らかの理由でこっちの様子を窺っていたとしても、逃げ出す時間がない。となると、多分偶然教会の中にいなかったのか……あるいは、俺達が来たのを知って隠れたのか」
「あの綺礼が隠れる? ちょっと想像出来ないわね」
言葉には出さないが、俺もそれは否定しない。
凛が言っていたように、あの言峰が自分がピンチだからといって教会の隠し部屋とかに隠れている姿は想像出来ない。
まぁ、俺の場合は原作知識でのイメージで、実際に本物の言峰とは会った事がないから何とも言えないが。
ただ、この現状は俺にとって悪い事だけじゃない。言峰がいない以上はその探索をせねばならず……つまりは、スライムの出番な訳だ。
「教会の中の探索をする。セイバーとライダーは一応周囲の様子を探っていてくれ」
その一言にセイバーが頷き、ライダーもまたセイバーに引きずられるように頷く。
まぁ、ライダーは柳洞寺にはいかなかったから、スライムを見た事が……いや、バーサーカーとの戦いの時に見たか?
ただ、完全に戦闘用の宝具として認識している可能性が高い。
「スライム」
俺の言葉と共に、空間に穴が空いてそこから銀色の液体金属の触手が伸びてくる。
それを見た事のなかった者達が一瞬警戒をしたように身体を強張らせるが、それに構わずスライムを細い糸状にして教会の中へと侵入させていく。
音や温度といったものを中心として探査していくが、教会やそこに繋がっている言峰の居住スペースといった場所全てにスライムでの探索を行う。
結局予想通り1階に言峰の姿はなく、教会の奥の部屋から地下へと続く階段を見つけ、そこにもスライムを伸ばしていく。そして……
「見つけた」
「綺礼がいたのっ!?」
凛の鋭い叫びに、首を横に振る。
「いや、言峰じゃない。ただ、結構な人数の人が棺桶のようなものに押し込められている」
「それって死体じゃないのか? ここは教会だし」
衛宮の言葉も、確かに普通なら正しいだろう。だが……
「そうだな、棺桶に入れられているのが相当に弱っている生きた人間じゃなかったら、俺もそう思ったかもしれないな」
「っ!?」
俺の口から出た言葉に、衛宮が息を呑む。
いや、衛宮だけじゃない。他の面子も似たりよったりといったところだ。
何とか自然にこいつらの件を伝える事が出来たな。
「さて、どうする?」
衛宮が取るべき行動を理解していながら尋ねる。
それに返ってきた答えは、当然……
「助けるに決まってるだろう!」
という衛宮の言葉だった。
セイバーや桜といった者達もそれに同意するように頷き、面倒見がいいという意味ではこっちも同様の綾子も頷く。
普段であればそれに対してああだこうだと言うんだろうが、今回の場合はそれを狙ってのことだったので、寧ろありがたい。
「幸い俺のスライムで偵察した限りだと、棺桶に入っている者以外は誰の姿もないから中に突入しても問題はないと思う。……ただし、何らかの魔術的な罠がある可能性は否定出来ないから慎重に行くぞ」
「スライムとかいうので、その罠も発見出来ないのか?」
「無理だろうな。いや、勿論ある程度の罠は探すことが出来るだろうけど、スライムの探索にも制限がある」
温度と音でしか探索出来ないというのは、スライムにとってはかなり重要な秘密なので口にはしない。
それを聞けば、温度と音以外で対抗する手段を思いつかれかねないし。
今はまだ敵対する気がないし、向こうにしても大聖杯の正体を知った以上は迂闊な真似をするとは思わないが、こっちの手札は隠しておくに越した事はない。
他の面子も結局俺の言葉に従い、周囲を警戒しながら教会の中へと入っていく。
シン、と静まり返った教会の中は、2月という事もあってかなり冷え込んでいる。
混沌精霊である俺や、サーヴァントであるセイバー、ライダー、綾子辺りは平気だろうが、他の面子にしてみれば結構寒いと思う。
特に凛の場合、この寒空にも関わらずミニスカートで生足の太股を剥き出しにしているのだから。
これはあれか? 俗に言う絶対領域とか、そういう奴か?
まぁ、その絶対領域に触れる事が出来るのは、俺と綾子くらいしかいないんだが。
そんな風に考えている間にも礼拝堂の中を通り過ぎ、奥の方へと移動する。
「ここだ」
少し隠されたようにして存在している地下へと続く階段。
その階段を他の皆を引き連れて下りて行く。
どこかゾワリとする雰囲気を感じつつ、一番下まで下りる。
そうして、目の前にあるのは頑丈そうな扉。
生贄と化している者達が逃げようとしても、逃げ出せないようにという為だろう。
言峰自身はその力でこの程度の扉は普通に開けられるだろうし。
この中で先頭を進んでいる俺が当然扉を開ける事になり、ギギッという音と共に扉が開く。
その瞬間に部屋の中から漂ってきたのは、明らかに死臭と呼ぶべき何かだった。
いや、中にいる奴は死んでいないというのは理解している。
そもそも、死んでしまえば魔力を生み出す事は出来ないのだから。
ネクロマンサーとかなら可能なのか? 吸血鬼とかゾンビとかがある世界なんだし、その辺の魔術があっても不思議じゃない。
ただ、言峰が修めた魔術は基本的なものだけだった筈だから、多分それはないだろう。
つまり……
ゴクリ、と後ろで誰かが息を呑む音を聞きながら部屋の中へと入っていく。
再び漂ってきたのはより強烈な死臭。
これは、生きながら腐っているということなのだろう。
俺の視線の先にあるのは、石棺とでも呼ぶのだろうか。石で出来た棺らしきものが並んでいた。
その中には、あー、うー、と呻いている者達。
それを見て、背後からは再び息を呑む音が聞こえてきた。
「そんな、これは……」
呟いた声は、誰のものだったのか。
凛? 綾子? 桜? イリヤ?
ともあれ、部屋の中に入っていった俺達が見たのは、俺の予想通りの代物。
「何なんだ、これは……」
「……魔力を搾り取っているわね」
棺の側に移動して調べていた凛の声が周囲に響く。
「何でそんな真似を?」
苦々しげな衛宮の声。
「綺礼はランサー以外にもサーヴァントと契約していたのよ。普通なら1人の魔術師が契約出来るサーヴァントは1人だけ。それは、衛宮君が1番よく分かっているでしょう?」
「……ああ。セイバーには魔力を殆ど与えてやれないからな」
「そういう事よ。どうやって綺礼が未知のサーヴァントを呼び出したのかは分からないけど、それを維持するのはこうやって魔力を搾り取っていたんでしょうね。……どうやってこの人達を集めたのかは分からないけど、綺礼の能力を考えれば誘拐とかは難しい話じゃないでしょうね」
「とにかく、一旦地上に運びましょう。このままここにいたのでは、どうしようもない」
セイバーの言葉に頷き、俺は全員に石棺の中にいる者を集めてくるように指示する。
そうして集めてきた者達を連れて影のゲートを使い、地上へと向かう。
地上へと影から姿を現した、その時。
念動力が危険を知らせてくる。
「ちぃっ!」
その危険を感じたのはセイバーも同様だったのだろう。エクスカリバーを手にして振り向き、同時に俺はゲイ・ボルクを振り抜き、こちらに向かってきた何かを弾く。
「雑種共、我の住処に忍び込むとは不敬な。……疾く、自害せよ」
そんな声が周囲に響く。
出たか、金ぴか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1187
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