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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1176話

 部屋を出て、居間へと向かう途中。当然のようにそこに待っていたライダーがいた。
 眼帯をしているので、どんな表情を浮かべているのかは分からない。
 ただ、その唇が弧を描いているのを思えば、笑っているというのは間違いないだろう。

「昨夜はお楽しみだったようですね」
「ぶっ、い、いきなり何を言ってるのよあんた!」

 凛が叫ぶ。
 ……それだと、ライダーの言ってる事が真実だと肯定しているようなもんだぞ。

「昨夜私達に与えられた部屋から出て行ったので、薄々そんな予想はしていましたが……桜が顔を真っ赤にしてましたよ?」
『桜が!?』

 凛と綾子が同時に叫ぶ。
 凛にしてみれば、桜は妹。綾子にしてみれば、可愛がっている後輩だ。
 色々と思うところがあるのだろう。

「ええ。そもそも、あれだけ部屋の中を性臭で籠もらせておいて誤魔化せるとでも? まぁ、窓を開けていったのは、それを考えての事でしょうか……」
『……』

 ライダーの言葉に、黙り込む2人。

「それはいいとして、何だってライダーはここで俺達を待ってたんだ? それを言いたかったのか?」
「いえ。まぁ、綾子がどんな風に乱れるのかというのは多少興味がありますが……」

 ペロリ、と艶めかしい唇を舌で舐めるライダー。
 あー……そう言えば、hollowでは綾子を性的な意味で狙っている描写とかあったからな。
 それを思えば、この態度も不思議じゃないか?
 ただ原作と違うのは、今の綾子はそっち方面でもきちんと――3人での行為がきちんとと言うのかどうかは分からないが――経験を積んでいる事だ。
 だからこそ、hollowの時のように逃げ出すような事にはなっていない。
 ……まぁ、それでもライダーに比べると経験が少ないのは事実なんだろうけど。

「残念だったな。この2人のそういう姿を見る事が出来るのは俺だけだ」

 凛と綾子の腰を抱き寄せて宣言すると、ライダーは残念そうな表情を浮かべて――例によって眼帯をしているので多分だが――その場を去って行く。

「……ありがと、アクセル」
「綾子も、面倒な相手に好かれたわね。しかもライダーのステータスを見る限りだと、完全に綾子の上位互換だし」

 腕力や俊敏性が高くなっている綾子だが、それでも半サーヴァントである以上は普通のサーヴァントに比べれば高くない。
 寧ろ幸運で勝っているのが不思議なくらいだ。
 ……いや、ライダーの幸運を考えると、勝って当然なんだろうけど。
 廊下で綾子と抱き合っていると、凛が薄らと頬を赤く染めながら口を開く。

「いつまでこうしているつもり? そろそろ居間に向かった方がいいんじゃない? 衛宮君達も待ってるでしょうし」

 その言葉で俺達がどこに向かっているのかを思い出し、居間へと急ぐのだった。
 こういう時、武家屋敷的な感じで広い衛宮の家って不便だよな。
 いや、心の整理という意味では寧ろ丁度良かったのかもしれないが。
 そうして居間へと入ったのだが……

『……』

 そこに入った俺達へと向けられたのは、何とも言えない気まずいような視線だった。
 俺と視線が合うと、衛宮や桜、セイバー、イリヤはそっと視線を逸らす。
 セラは自分は関係ありませんという態度をしており、唯一リズだけは何が原因でこんな事になっているのかが分からない様子で周囲を見回している。
 いや、それはライダーも同じか。ただし、こっちはにこやかな笑みを浮かべているが。
 そんなどこか気まずい沈黙の中、最初に口を開いたのは当然と言うべきか、俺。

「待たせたか?」
「……いや、さっき食事の用意が出来たばかりだ。そういう意味では丁度良かったよ」

 そう告げる衛宮の視線の先には、テーブルの上に置かれている朝食のメニュー。
 和食って事は……これは衛宮が作ったのか?
 確か洋食は桜の方が既に上だとか何とかあった気がするが、和食はまだ衛宮の方が上なんだよな。
 もっとも、朝食だけあってそんなに凝ったメニューって訳じゃない。
 アジの干物に、厚焼き卵、つくね、たらことほうれん草の和え物、おひたし、味噌汁、漬け物。
 そんな日本らしい朝食にいい意味で驚き、テーブルに座る。

「そう言えば衛宮君。今日は藤村先生は来ないの? 確か食事は朝も夜も衛宮君の家で食べてるって話だったけど」

 話のとっかかりにしようとしたのか、凛が衛宮にそう告げる。
 話し掛けられた衛宮は、そんな凛の顔を見て……次の瞬間には気まずそうに視線を逸らしてから口を開く。

「ああ。藤ねえは朝早く一旦来たんだけど、すぐにまた出掛けなきゃないけなくなったって話だったから、弁当を持たせてやったんだ」

 あー……うん、この凛に対する態度を見てはっきりした。
 衛宮は昨夜俺の部屋でどんな行為が行われていたのかってのを理解してるな。
 確かそっち関係の感情は殆ど発達してなかったと思うけど、この世界では違うのか?
 あるいは、桜やセイバー辺りが原作の凛の代わりに頑張ってどうにかした可能性もあるか。
 元々凛に憧れていた衛宮だ。綾子とも友人同士だったって話だし、そんな2人が俺に……それも自分の家でそういう行為をしたとなれば、色々と複雑なのは理解出来る。
 後でチクリと何か言われるかもな。

「せ、先輩。そろそろ皆揃った事ですしご飯にしましょう。今日は忙しくなるんですから、早く食べておかないと」
「そ、そうだな。うん。そうしよう」
「それに、先輩達もお腹が空いてるでしょうし」

 桜のその一言は、何気なく呟かれたものだったのだろう。
 だが、その一言は居間にいる者達……特に衛宮や凛、綾子といった者達の動きを止める。
 何故空腹なのかというのは、つまり激しい運動をしたから。そして激しい運動というのから何を想像したのかは……何よりその予想が正解だったというのは、凛や綾子が顔を赤くしているのを見れば明らかだった。

「え、えっと……そうね、うん。じゃあ食べましょうか」

 凛が何とかそう言うと、皆が気まずい思いをしながらも朝食を食べ始めるのだった。





「あー美味しかった。うん、何度か藤村先生とおかずのトレードをした事があったけど、やっぱり衛宮の料理は美味いな」
「そうか? 美綴にそう言って貰えると、俺としても嬉しいよ」
「……綾子の場合、人の料理の腕を褒めるより、自分の料理の腕をどうにかした方がいいんじゃないの?」
「ぐっ、そ、それは……」

 朝食が終わって10分程。
 朝食を食べ始めた時の気まずい雰囲気も既に消えており、俺達は食後の休憩として桜が出してくれたお茶を飲みながらゆっくりとした一時を楽しんでいた。

「この日本茶、やっぱり美味しいわね。セラ、後で淹れ方を覚えておいてくれる?」
「はい、畏まりました」
「イリヤ、これも美味しい」
「リズ! 食事を済ませたばかりなのに何で貴方はお菓子を食べてるんですか!」

 イリヤ組の方もゆったりした時間を過ごしている。
 本来はメイドである自分達が主人であるイリヤと一緒の食卓に着くなど……とか言っていたのだが、その辺は家主の権限で衛宮が押し切った。
 イリヤにしても、どうせなら一緒に食事をしたいって事でセラやリズを押し切った形だ。……まぁ、リズは最初から普通にイリヤと接していて、一緒の食卓につくのも特に気にしていなかったようだが。
 そんなゆっくりとした時間が続く中……お茶を飲み終わった凛が口を開く。

「さて、これからの事だけど……今の時間が午前7時過ぎだから、言峰教会に出掛けるのは午後からにするわよ。昼食は少し早めに軽いもので済ませて、午後1時くらいに出発する事にしたいんだけど、どう?」

 その言葉に、衛宮が首を傾げる。

「遠坂、確か夜に行くとか言ってなかったか?」
「そうね、確かにそのつもりだったんだけど……よく考えたら、あの教会の周辺って誰も住んでないじゃない。なら、多少騒ぎになったところで、特に見られる心配はないでしょ」

 その言葉に、あの時に凛や衛宮と一緒に教会に行った俺とセイバーが確かにと頷く。
 教会の周辺には確かに何の建物もなく、少し離れた場所に墓地や森があるくらい。
 かなり離れた場所まで行かないと、家とかはなかったな。
 教会に綺礼がいれば、確かに戦闘になる可能性は高い。
 そもそも、綺礼はかなり強い。
 ZEROとstay nightの両方でラスボス的な役割のキャラだし。
 特に今は、10年前の件で汚染された聖杯を被った為に心臓とかが動いてない、半ば不死状態。
 まともに相手をすれば、確かに厄介な存在ではある。
 ……まぁ、こっちには俺、セイバー、ライダーとサーヴァントが3人もいるんだけど。
 その中でセイバーは衛宮との魔力の関係で本気を出しにくいが、それでも宝具を使用したりしない普通の戦闘でも十分に戦力になる。
 金ぴかが出て来たりすれば若干厄介だけど、その辺は俺が対処するしかないだろう。

「なるほど。確かにあの辺には人の姿がなかったな。……けど日中なんだし、もしかして教会に祈りに来ている人とかいるんじゃないのか?」
「いないでしょ。あいつも、少なくても表向きは聖杯戦争の監督をやってるんだから、その最中に人を教会に来させるような真似はしないと思うわ」
「……いや、普通の人は聖杯戦争をやっているとか知らないから、教会に用事があるんなら行くんじゃ?」
「残念ながら、私は綺礼とそれなりに長いつき合いだけど、あの教会に普通の人がお祈りに来ているところなんて見た事がないわよ?」

 凛の言葉に、衛宮は若干考える。
 何だかんだと、ここにいるのは俺と凛と綾子以外は全員が衛宮派とでも呼ぶべき者達だ。
 その中心にいる衛宮が何かを言えば、それが重要視される。
 もっとも、純粋な戦力って面だと既に俺達の方が強い。もしも衛宮がどうしても行きたくないって言うのなら、それはそれで構わないんだが……ただ、出来れば教会に行く時はこの場にいる全員を連れて行きたいんだよな。
 下手にここにイリヤや桜を残していって、そこに金ぴかが来たら洒落にならない。
 普通のサーヴァントでは、金ぴかを相手にするのはまず無理なのだから。
 これはサーヴァント個人の強さとかそういう問題ではなく、純粋に相性の問題だ。
 ジャンケンのグーがパーに勝てないように。

「それに、衛宮君。ここで無駄に時間を掛ければそれだけ大聖杯を破壊するのが遅くなるのよ? つまり、柳洞寺にいる人達の安全にも直結するわ」

 凛としても、ここで衛宮達と別行動を取る事の危険は承知しているのだろう。衛宮の親友でもある柳洞を出汁にして、そう告げる。
 ちょっと卑怯だとは思わないでもないが、言ってる内容は決して間違っていないし、それだけに衛宮に対する効果は覿面だった。

「そうか、そうだな。一成達を危険のままにしておく訳にはいかないか。……けど、遠坂、アーク。これだけは約束して欲しい。遠坂はいないって言ってたけど、もし教会に誰か普通の人がいたら、取りあえずその人が帰るまでは教会での戦闘は行わないって」
「それは当然でしょう? あのね、衛宮君。貴方私を何だと思ってるの? この冬木のセカンドオーナーなんだから、別に好き好んで一般人を巻き込んだりはしないわよ」

 凛の言葉に安堵したのだろう。衛宮はようやく安心したように頷きを返す。

「分かった、じゃあそうしよう。……で、午後から行くって事でいいんだよな? 誰が行くんだ? 俺とセイバーは確実だと思うけど」
「何を言ってるんだ? 全員に決まってるだろ」
「……は?」

 衛宮が、俺の言葉に意味が分からないといった風に間の抜けた声を出す。
 ここはあの名台詞『何でさ』を言って欲しかったところだけど。

「アーク、全員って……ここにいる全員か?」
「そうだ。そもそも、向こうにはまだ1人サーヴァントが残っているんだ。サーヴァント全員が教会に向かって、その隙に向こうのサーヴァントがこっちを襲ってきたら目も当てられないだろ。なら、最初から全員で行動した方がいい」
「それは……いや、けど……」

 チラリと衛宮の視線が向けられたのは、イリヤと桜。
 多分、衛宮の中ではこの2人は置いて行くつもりだったのだろう。
 だがそんな真似をすれば、それは向こうにとって絶好の好機となる。
 この世界におけるボスの1人でもある臓硯を片付けた以上、残っているのはもう綺礼と金ぴかだけ。
 その両方を一挙にどうにか……とまではいかないが、片方だけでもどうにかしておきたい。

「……先輩、私は大丈夫です。何かあったらライダーが守ってくれますし」
「桜……」
「士郎、お任せ下さい。桜は私が守ります」
「……ああ、もう。分かったよ! じゃあ、全員で行くのに賛成するよ! けど、どうやって移動するんだ? こんなに目立つ集団だと、思い切り人の目を引くぞ?」
「心配するな。柳洞寺からこっちに戻ってくる時に使った影のゲートがあるだろ? あれを使えば、次の瞬間にはもう教会の前に移動出来る」

 その言葉が決定事項となり、午後からは教会へと乗り込む事になるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1187 
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